学校日記

Global Citizenship1 異文化理解・国際協力[5回目:アクションプランを発表しよう!]

公開日
2026/02/06
更新日
2026/02/06

学校の様子

こんにちは、GC教育部です♪


 本校1年生のGC1(Global Citizenship1)では、「異文化理解・国際協力」の単元において、ラムコ国ウジュ村という架空の村を舞台にした「高校生地球市民ボランティアプログラム(GCVP)」に取り組んでいます。前回までの授業では、村民へのヒアリングを通して、多様な立場や価値観が同じ村の中に存在すること、そして「良かれと思った提案」が別の困りごとを生む可能性があることにも気づきながら、各グループがアクションプランを練り上げてきました。

 

 今回の授業は、その集大成となる「異文化理解・国際協力~アクションプランを発表しよう!~」です。生徒たちはボランティア隊員として、村民の声から見えてきた課題をどのように捉え、どのような関わり方なら村の人々と一緒に前に進めるのかを、言葉と根拠をもって発表しました。発表を重ねる中で印象的だったのは、「助けたい」という気持ちだけで終わらず、「誰の、どんな生活の中で、それが本当に意味を持つのか」を考えようとする姿勢が随所に見られたことです。

 

 この日の発表には、JICA海外協力隊の経験談を話してくださった藤田さん、宮本さん、そして景山校長先生にもご参加いただき、発表一つひとつに温かく、そして本質を突くフィードバックをいただきました。生徒にとって、自分たちの提案を「現場を知る大人」や「学校のリーダー」の視点で見直してもらう時間は、緊張もありつつ、大きな学びにつながる貴重な機会となりました。


 フィードバックの中で特に強調されていたのは、まず「現地のリアルな暮らし」を具体的に想像することの大切さでした。課題を見つけるだけでなく、その土地の人がどんな一日を送り、何を優先して生活しているのかを知ろうとすることが、提案の質を決めるというお話です。たとえば「朝に集まる」「夜に活動する」「現地で印刷する」といった計画は、一見すると合理的に見えても、現地の人にとっては畑仕事や家事、家族を支える時間と重なってしまうかもしれません。印刷機があるとしても、紙やインクが当たり前に手に入るとは限らず、こちらが多く使うことで現地の人が本当に必要な書類を印刷できなくなる可能性もある。夜の活動を考えるなら、そもそも電気があるのか、ノートが書ける明かりがあるのか。こうした視点は、机上の計画だけでは気づきにくいからこそ、活動の中に「現地の人の生活を一緒に体験する」プロセスを入れてほしいという言葉は、生徒の胸に強く残ったようでした。

 

 次に語られたのは、「与える側」と「共に創る側」の違いです。支援という言葉には、無意識に「教える」「してあげる」という姿勢が入り込みやすいことがあります。しかし、相手にとって“もらうこと”が当たり前になってしまうと、対等な関係が崩れてしまうことがある。実際の経験として、現地のグループと協力していた際に「あなたのやりたいことに付き合っているのだから給料を払ってほしい」と言われて衝撃を受けた、というお話も共有されました。ここから生徒たちは、「どうすれば相手も自分も『自分のこと』として一緒に取り組めるのか」という問いを受け取り、提案を“支援”として考えるだけでなく、“関係づくり”として捉え直す必要があることに気づいていきました。

 

 そして最後に、生徒の背中を押してくれるようなメッセージとして、「完璧な専門家」より「不器用でも一生懸命な友」であることの大切さが語られました。海外で信頼を得るために本当に必要なのは、知識やスキルだけではなく「行動」だということ。派遣先で当初は、約束を忘れられたり提案を聞いてもらえなかったりして、信頼を得ることの難しさを感じたけれど、畑に行き、収穫も共にし、感謝を言葉にして伝えることを続けた結果、1年半後には相手から声をかけてもらえる関係になっていったという経験談は、「小さくても、共に歩む姿勢が人と人をつなぐ」という実感を伴って、生徒たちに届いていました。

 

 発表を終えた生徒たちは、自分たちの提案が「良いアイデアかどうか」だけで評価されるのではなく、「その土地の暮らしに根ざしているか」「対等な関係をつくろうとしているか」「一緒に行動する覚悟があるか」といった観点で問い直されることで、提案の見え方が変わっていったように思います。国際協力とは、誰かを助けること以上に、相手の生活と価値観に敬意を払いながら、共に悩み、共に試し、共に前に進む営みなのだということを、発表とフィードバックの往復の中で実感していきました。

 

 GCⅠが目指すのは、正解を当てる力ではなく、異なる価値観が交差する場面で、誰の声をどう聴き、どう判断し、どう行動するかを自分事として引き受けていく姿です。今回の発表会は、その力が確かに育ち始めていることを感じられる時間となりました。藤田さん、宮本さん、景山校長先生、貴重なお話と温かいご助言を本当にありがとうございました。生徒たちはこの学びを胸に、次の探究へと一歩踏み出していきます。