東 誠三先生によるピアノ特設講座
- 公開日
- 2026/09/03
- 更新日
- 2026/09/02
学校の様子
9月2日(水)、東京藝術大学教授の東 誠三先生をお迎えし、ピアノ特設講座を実施しました。3年生のピアノ専攻生3名がレッスンを受け、その様子を生徒たちが聴講しました。
今回のレッスンで印象的だったのは、何度も「ゆっくり弾いてみましょう」と声を掛けられていたことです。
テンポを落とすことで、一つひとつの音をどう聴いているか、身体から鍵盤へどのように力を伝えているか、和声やフレーズがどのように組み立てられているか――普段のテンポでは通り過ぎてしまうさまざまなことに、生徒自身が気づいていきます。
「こういうふうに聞こえるのかを、まず頭の中で一度弾いてみましょう」
「やってはいけないのは、狙わずにやること」
そんな言葉とともに、響きのバランスや身体の使い方、呼吸、ペダル、フレーズのつくり方などを、一つひとつ丁寧にご指導いただきました。
楽譜についても、「見る」「読む」だけでなく、「眺める」という言葉が印象的でした。模様を見るように全体を眺めることで、音域の広がりや和声の変化、空気が変わる瞬間などが見えてくる。楽譜との向き合い方そのものを広げていただくレッスンでもありました。
また、「フレーズの繰り返しは、作曲家がもっと言いたいことがあるから」「練習を重ねても、最初に感じた感動を薄れさせてはいけない」という言葉も印象に残りました。
質疑応答では、楽曲分析について、「まずはたくさん聴いて、形式を体で知ること」「『分かる』より先に、音楽を『味わえる』ようになることが大切」とのお話もいただきました。
ゆっくり弾きながら、聴く。考える。感じる。そして、もう一度音にする。
3人の演奏が少しずつ変わっていく過程を通して、聴講していた生徒たちにとっても、自分の演奏や楽譜との向き合い方を改めて考える、貴重な時間となりました。