学校日記

令和3年度 卒業式

公開日
2022/03/01
更新日
2022/03/01

校長室

< 式 辞 >

 春の息吹が感じられる今日の佳き日に、学校評議員、PTA役員をはじめ、ご来賓の皆さま、保護者の皆さまをお迎えして、京都市立京都工学院高等学校 第4回卒業式を挙行できますことは、在校生や私たち教職員とって大きな喜びであります。

 本日、コロナ下にあっても、ご臨席を賜りました皆さま方には、日頃から本校の教育に深いご理解と温かなご支援をいただき、さらには巣立ちゆく卒業生を祝福していただきますことに心より御礼申し上げます。

 さて、皆さまもご承知のとおり、国際情勢は混乱の中にあり、ロシアによるウクライナ侵攻が行われました。武力で現状を変えようとする行為はあってはならないことだと思います。ウクライナの首都キエフ市は京都市と姉妹都市となって今年で51年目を迎えます。この戦乱が対話と交渉により解決し、キエフ市はもとより、ウクライナに一日でも早く平和が訪れることを祈ります。こうした中、本日卒業式を行えることに感謝いたします。

 あらためまして、ただ今、卒業証書を授与いたしました233名の卒業生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。皆さんは、本校所定の教育課程を修了され、日々の学習はもとより、ホームルーム活動や生徒会活動、部活動などを通して、人間力を磨き、かけがえのない青春の日々を過ごされ、本日、晴れて 卒業の日 を迎えられました。皆さんが本校で培ってこられた、弛まぬ努力と精進に対し、心から賛辞を贈ります。

 皆さんは、高校生活の多くを新型コロナウイルス感染症のパンデミックという厄災の中で、厳しい制約を受けながら過ごされました。教育活動も様々な制約を受け、学校行事も変更を余儀なくされてきました。

 何かと閉塞感がある社会情勢を鑑み、今年度当初に「常にプラス思考で 〜できない理由を探さない〜」をスクールメッセージとして掲げ、皆さんに投げかけてきました。「どうせ無理」とあきらめず、多くの制約がある中で、「どうしたらできるのか」、「こうしたらできるのでは」と前向きにチャレンジして欲しいと考えたからです。もちろん、チャレンジは無理して実施するとか強行するといったことではありません。与えられた条件や制約のもとで、より高みを目指して最大のパフォーマンスを発揮するということです。

 こうした中、皆さんは頑張り、6月の「文化祭」では、新型コロナウイルス感染症対策という大きな制約のもとで、学校を大いに盛り上げてくれました。再三の延期となった真夏の「遠足」でクラスの結束を固くし、秋の「体育祭」では最大のパフォーマンスを発揮してくれました。多くの制約がある中、皆さん一人一人が、挑戦しようとする想いを持ち、前向きに取り組んだ成果です。

 また、学習面でもプロジェクトゼロやプロジェクトゼミにおいて、自分たちで課題を設定し、その解決に向けた数多くの新たな提案がなされ、アイデアをカタチにする取り組みがあちこちで行われました。本校の教育目標は「豊かな人間性、確かな技術を身につけ、京都から社会の発展と人類の幸福に貢献できる人材を育成する」です。本校では、確かな知識と確かな技術を身につけ、それらを活用し、「無」から「有」を生み出すことができます。

 これからの社会は、IoTやロボット、AIといった先端技術の活用が必要不可欠なものとなってきます。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、特にICTの利活用や技術革新が加速度的に進んでいます。現在もそうですが、今後ますます理工系の専門人材が求められるようになるでしょう。

 ここで皆さんに質問です。「皆さんの強みは何ですか。」「自分の強みは何でしょう。」 
 私は、本校で学んだことが、皆さんの大きな強みになっていると思います。時代に先駆けて本校は、STEAM教育(Science Technology Engineering Arts Mathematicsを関連させて学ぶこと)を重点に教育活動を行ってきました。また、PBL (Project Based Learning)を活動の随所に取り入れてきました。キーワードは、「貢献・結集・連携・継続」。プロジェクトゼロやプロジェクトゼミなどの専門科目を舞台に皆さんが学んだ成果です。自ら課題を設定し、その解決に向けみんなの力を結集し、他と連携し継続して取り組み、最終的には社会に役立つもの(貢献するもの)を創りあげてきました。皆さんの新たなステージでこれらの成果が活かされることを祈っています。

 もう一つ皆さんに質問です。「大人になるということは、どういうことでしょう。」皆さんが持つ大人を少しイメージしてみてください。
 私は「大人とは選択に責任を持つ」ということだと思います。今後、人生の中で 様々な選択や決断を迫られることになるでしょう。人は選択した後、「こっちはダメだった、やっぱりあっちにしておけば良かった。」や「あの人がこっちにしろと言ったからだ。」と後悔や責任転嫁をしがちです。選択の前に、後悔のないよう十分に調べ、熟考し、必要に応じて相談し、最後の決断は自分の責任で行うのが、大人だと思います。また、選択したことが正しかったと思えるよう、決めたことに最大限の努力を惜しまないことも大人の責任だと思います。「誰かが決めてくれる」ではなく「自分で決める」を実践して欲しいと思います。

 民法の改正により成年年齢が18歳に引き下げられ、一月後の4月1日、皆さんは法的にも大人になります。様々な面で責任を問われることになります。自ら決断し、自分で責任がとれる自立した大人となってください。

 最後になりましたが、保護者の皆さま、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。高校の三年間、様々な場面においてお子様は悩み、考え、決断してこられました。人は取組や経験を通して成長します。様々な困難を乗り越え、立派に成長されたお子様の姿に感慨もひとしおのことと存じます。教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。これまでの三年間、本校の教育活動にご理解とご協力を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。
 この4月1日にお子様は、名実ともに成年となられます。皆さまも保護者ではなくなりますが、親子であることは変わりません。今後ともお子様が、自らの未来を切り拓いていけるよう、見守っていただきますようお願いいたします。

 結びに、卒業生の皆さんが本校で培われた様々な経験を生かし、将来、社会で活躍されることを願うとともに、皆さんの前途に幸多かれと祈念して、式辞といたします。

 令和4年3月1日
                      校長 大窪 英行