『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜
- 公開日
- 2016/01/20
- 更新日
- 2016/01/20
校長室から
「よそいき」
爆弾低気圧がやって来て日本各地に大雪を降らせています。京都市にも今シーズン初めての降雪がありました。北に住む私は、今朝目覚めて窓外を観た瞬間にバイクや車での出勤をあきらめました。道路や屋根の上には降りたての柔らかそうな雪が5cmほど積もっていたからです。
さて、放課後に「面接練習」が進行中です。前任校では1人ずつやっていましたが、本校では5人ずつ行い、集団面接の形をとっています。『1人ずつの方がいいのにな…』周りを気にせずできるので、当初はそう思いましたが、始めてみると、この形式をとるのは、他人を意識させることが目的なのだと分かりました。『こんな質問にどう答えればよいのだろう』『人はどんな風に対応するのだろう』一人でやっていては分からないことも、すぐ隣によい見本があったりもします。また、友達に観られているという意識もプラスに働いているようです。
小さい頃、近所のオッチャンやおばちゃんに「“よそいき”着て、どこにお出かけや?」とか「えらい、“よそいき”の言葉づかい覚えて…」とからかい交じりに声をかけられたものです。「よそいき」を角川の国語辞典で引いてみました。
1外出すること 2またその時の服装 3改まったことばづかい・動作とあり、京都弁だと思っていたのにどうやらすでに共通語になっているようです。
「面接練習」の際、子ども達は服装も態度も言葉づかいも“よそいき”になります。このことが重要です。人はTPO(Time…時間、Place…場祖、Occasion…場合)に合わせた服装や言動がとれてこそ、常識を身に付けた大人だと言えるからです。面接試験はせいぜい一人5分程度のものなので、それでその人のすべてを判断することはできません。しかし、5分あればこの部分を身に付けた生徒かどうかは十分判断できます。
うちの生徒たちは、普段は人懐っこく、私たち教職員ともとても親しく接していますが、ここぞというときには瞬時に“よそいき”になれます。きっと容易くやるのだろうとは思っていましたが、実際にその場面を観て安心したと同時に、そんな彼らを誇りにも思います。大丈夫です。安心してください。十分に面接試験を乗り切れます。
校長になって6年間、面接練習の機会に生徒に尋ねてきたことがあります。
「あなたがこれまで生きてきて、一番大切にしているものはなんですか。」
本校の子どもたちの多くが「家族」と答えます。理由は、嬉しい時はともに喜び、悲しい時には励ましてくれるからということです。また、次に多いのが「友達」です。理由は同じです。本校の子どもたちの大切なものが「もの」や「かね」でなく「ひと」であったことを嬉しく思います。そして、今後は彼ら自身が家族を大事にする大人へと成長していってほしいと強く願います。