『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜
- 公開日
- 2015/11/19
- 更新日
- 2015/11/19
校長室から
「自己有用感」
今週の月曜日と火曜日、3年生が、地域にある幼稚園の子どもたちと交流をしました。「保育体験」として、幼稚園や保育所の子どもたちと触れ合う学習が家庭科の中に位置づけられ、市内の多くの学校で取り組まれています。本校には、さつき幼稚園の園児たちが2日間にわたってやって来てくれました。
普段は、中学生を見て「可愛いな」と感じているのに、この時ばかりは彼ら彼女らが随分と大きく逞しく感じられます。初めの方こそ、園児たちも遠慮と緊張とから動きが悪かったのですが、中学生の呼びかけに応じて動き出すと、一気に活発になっていきました。どの園児の目もキラキラと輝き、すべての活動に全身を使って一生懸命取り組んでいきます。それに呼応するかのように中学生の動きもドンドン活発化し始めました。
その動きは、普段のそれとは大きく異なりました。手をつなぐ時も、子どもたちを膝に乗せる時も、そして抱っこする際も、常に小さな園児たちのことを気遣っています。子どもたちに怪我をさせることがないよう配慮し、また何とか楽しませようと気を使っています。まるで、経験の浅い保育士さんがたくさんいるかのような光景で、何とも言えないよい雰囲気が体育館を満たしました。
今から10年ほど前のことです、小中一貫教育の重要性と必要性が言われ出したころ、東京の品川区でいち早く「施設一体型の小中一貫教育校」が誕生しました。京都市でも同様の学校(現・東山開睛館)を建設する案が出ており、研究や検証がされました。当時、保護者の方が心配されたことの中に「中学生と一緒に生活することで、小さな子どもたちに危険が増すのでは?」というものがありました。品川区の学校によると、「むしろ中学生が優しくなる」ということでした。今回の様子を見ていて、そんなことを思い出し、3年半後の小中一貫校創設後の状況を想像したりもしました。
年齢の離れた者同士の交流について、そのメリットを考えました。小さな子たちは、おにいちゃん・おねえちゃんに遊んでもらって楽しいに違いありません。事実今回も、幼稚園に帰った園児さんが口々に「楽しかった!」「また、行きたい!」と言っていたということを翌日、園長先生から聞いて嬉しく思いました。
さて、中学生にとってです。自分たちと遊ぶことで、弾けんばかりの笑顔をもって全身で喜びを表現する幼児に対して、どの中学生も『自分が、この子たちの役に立っている』と感じます。その感情は『自分はここに居る価値や意味がある人間なんだ』という気持ちに繋がっていきます。これを「自己有用感」と言います。この気持は、特に思春期にある中学生にとっては大事です。誰かの役に立っていると感じる人は、人を大切にもすると思います。自信をもって生きていくこともできるはずです。
園児さんと遊んであげるつもりが、園児さんからとても大切なものをもらいました。