学校日記

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

公開日
2015/08/28
更新日
2015/08/28

校長室から

「よい授業」
 「よい授業は、一生懸命に伝えようとする授業者と一生懸命に学ぼうとする学習者との間に成立する。」これまで、若い教師や教師を目指す学生に対して何度も語ってきたことです。授業者とは教える側つまり教師で、学習者とは学ぶ側で生徒のことです。教師が一生懸命に伝えようと頑張っても生徒の方にやる気がないと、よい学びは生まれません。また逆に、生徒がやる気満々で授業に臨んでいるのに、教師がいい加減な授業をしていては学びが高まっていきません。当り前のことかもしれませんが、この当たり前のことが、日常的にできていると、教室内は柔らかく温かい空気に満たされます。教師や生徒がちょっとした冗談を言った時に全員が笑い、素晴らしい答を述べる生徒には皆が感嘆の声を上げます。こういった状況で日々の学習が進むと、生徒にとっては、授業が楽しく教室が自分の居場所となっていきます。当然のことながら、学力も高まっていきます。
 毎日の教室回りで、よくこの状況にある授業を見つけます。一方、何となくザワついていたり、静かではあっても重苦しい空気に満ちた教室の授業では生徒の学力はつきません。今週、この状況にある教室に入ることがありました。
 ところで、生徒も保護者の方も、授業中の教室は終始静かな方がよいかのように思いがちですが、そうでもありません。あっちやこっちから自由な発言が飛び出したり、それに伴う笑いがあっても一向に構わないのです。それが授業者の意図する方向に沿っていることと、全員がその発言内容の一つひとつに対して考え反応していれば、むしろそういう授業は理想的でさえあります。
 音楽のコンサートや劇やミュージカルの舞台でも同じことが言えます。
 演奏者や役者と観客の双方がお互いを高め合うのです。観客や聴衆の理想的な反応が舞台上の人間のやる気を高め、演奏や演技に力がこもります。そして、それを感じた客席の人間は、また更によい反応を示すという具合にです。
 また、「よい授業」は偶然にできるものではありません。普段からの信頼関係が必要なことはもちろんですが、ちょっとした工夫や仕掛け(これが技術です)と授業規律を作り上げることが大切なのです。3年生の各授業を観ていると、これまでの2年4カ月で上手くこれらが出来上がっていることがよく分かります。
 授業者と学習者の双方が、相手を尊重しつつ、敬意をもって接して高まり合おうという意思を共有するときに「よい授業」は生まれるのです。
 夏休み明け、よいスタートが切れたと思っていたところ、落ち着かない授業があるというのでこんなことを書きました。学習を楽しく行い、する方も受ける方も授業に喜びを感じるために、お互いの意識を高く保つ努力をしましょう。学校生活の大部分を占める授業は、辛抱する時間ではなく、楽しく有意義な時間であるべきです。