学校日記

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

公開日
2015/08/01
更新日
2015/08/01

校長室から

「感涙のち笑顔」
 校長になって初めてブラバンのある学校に赴任しました。それからブラスバンド部の魅力にとり付かれました。演奏もさることながら、部の統率力や観客を味方につける笑顔やパフォーマンスにです。「今年度、本校の校長になった澤田です。ブラバンの演奏が大好きなので、また、いっぱい本番を聴きに行きます。頑張ってください。活躍を楽しみにしています。」まだ始業式前、練習をしている音楽室に行ったことを覚えています。
 9時40分。大きな楽器が舞台に運びこまれます。静かで慎重な動きです。顧問以外の先生の姿もたくさん見られました。45分。部員が全員、定位置につき、椅子や譜面台の位置を確認します。その後、一端舞台を離れました。今日は全員が“ハイソックス”です。この統一感が士気を高めているようにも感じました。55分。審査員が紹介されている間に、本番の舞台に部員が入場し席に着いて背筋を伸ばします。照明が点いていないのではっきりとは分かりませんが、どの子も緊張感の中に凛としたものを感じさせています。舞台照明が点きました。客電が消え、向島中学校の演奏が始まります。田畑先生の礼にあわせて大きな拍手が起こりました。会場には、まだ席を探す足音が聞こえます。田畑先生はそれらの音が完全に消えるのを待っているようで、タクトを挙げません。ナイス判断です。この間が生徒の緊張とやる気とを高めました。
 演奏が始まりました。出だしは少し音が小さいように思いました。いえ、そういう演出だったのかも知れません。息もできないような緊張感が会場全体を包みます。私の周りの人たちが演奏に合わせて体をゆすり始めました。演奏に魅了されていきます。生徒は幾分硬くなっているようですが、みんな引き締まった良い表情で演奏をしています。これまで、何度も音楽室で聴いてきた曲です。今日は途中で止められることはありません。曲の流れに合わせるように生徒の動きも滑らかです。課題曲が終了した時には、私を含め客席の人が大きく息をするのが分かりました。
 続いて自由曲です。難しい曲を選んだものです。曲の先が予想できません。『この先は、どの楽器がどんな演奏をするのだろう。』そんな面白味がありました。サックスのソロ演奏が続きます。聴きごたえのある素晴らしい演奏です。ピアノやトロンボーン、パーカッションが効果的に入ってきます。最後までワクワクさせる曲でした。
「ブラボー!」流石に声には出しませんでしたが、心の中で何度も繰り返しました。
 演奏後は極度の緊張から解放され、やり切った感も手伝ってか涙を流す者が少なくありません。保護者や先生方も出て来られました。その頃にはみんな最高の笑顔です。
 結果が出るのは今夕だそうです。満足感は十分に感じられたのではないでしょうか。吹奏楽部員の全身から満足感とともにプライドが感じられました。おつかれさま!