学校日記

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

公開日
2015/06/10
更新日
2015/06/10

校長室から

「辛抱して継続せよ!」
 アジサイの色彩が街に鮮やかに映えてきました。いよいよ梅雨の到来です。これからの一月半は雨との付き合いが始まります。洗濯物が乾かないとか、屋外での部活動ができないという不便はありますが、植物の成長にとってはなくてはならない雨の時期でもあります。
 「一日中やっても、ちょっとしか伸びません。」7日の日曜日、ブラスバンド指導中の田畑先生が、右手の親指と人差し指の間にわずかな隙間を作り、微笑みながらそう言いました。前日から同じ場所で同じメンバーを指導しています。2・3年生の人数が少ないブラスバンド部が夏のコンクールで金賞を目指すには、1年生の成長が必須条件なのかもしれません。「いつか、必ず一気に伸びる時が来るから!」そう言ってその場を去りましたが、その後、自分の経験も思い出しながら色々と考えています。
 中学高校時代の一番の思い出として部活動を挙げる人は少なくないと思います。私も大学まで含めてそうでした。大学など、部活動をしに通っていたといっても過言ではありません。現在の中学校では、3年間で1番たくさんある教科授業というと英語で、各学年とも週に4時間あります。それでも週に1日はない日があります。ところが、部活動は毎日(本校は木曜日が公休日ですが…)あり、しかも土曜日と日曜日も活動します。毎日、同じような練習を繰り返します。前日と比べてどのくらい上達したかという見方をすれば、ほとんどその成長は自覚できない程度かもしれません。それでも、1か月とか3か月というスパンで見ると、「あれっ、いつの間にかこんなことができるようになった!」と上達したことが分かるものです。また、一気に伸びる瞬間というものがあるのも事実です。その瞬間はある日突然やってきますが、それは毎日地道な練習を続けている者にしか訪れません。伸びる瞬間が訪れているにもかかわらず、気づかない場合もあります。“今がその時”と感じ、つかみ取る技術が肝要ですし、指導者としては、本人に気付かせてあげることも大事な仕事です。
 部活動のことで書きましたが、これは学習に関しても当てはまると思います。数学や英語が苦手で一向に分からなかった人が、突然目の前が“パーっ”と開けたように理解できる瞬間があります。私はそんな経験をしました。「そういうことやったんか!」と方程式の移項や二次方程式の解の公式の意味が分かったり、英語の長文の意味がドンドン理解できるようになったりした瞬間の快感は今もはっきりと覚えています。
何度かそんな経験をして以来、いつか訪れるその瞬間のために地道な練習や勉強を繰り返すのだと考えるようになりました。そのためには、ある程度の辛抱が必要です。いつか訪れる“その瞬間”を信じて辛抱強く取り組める人は、何とも言えない成就感、達成感、満足感、そして幸福感を感じることができます。辛抱、粘り、我慢して取り組み続ける(継続する)ことの大切さを生徒へ伝えたいと、今改めてそう思います。