学校日記

「人権学習」を始めるにあたって

公開日
2009/11/30
更新日
2009/11/30

校長室から

 桂川中学校では、今日11月30日(月)から、全学年で人権学習を実施します。1年生は身近な問題である「いじめ」について、2年生は「部落差別とその歴史」、3年生は「同和問題と結婚差別」をテーマにして、3時間ずつ学習を進めます。それに先立って、学習の最初10分間を使って「校長講話」をしました。以下はその要約です。
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「人権学習を始めるにあたって」

1.人権とは
 「人権」というのは、私たちだれもが、社会生活において、自由で幸福な生活を営むために必要な権利です。日本国憲法では、わたしたちが人間らしく生きることができるように、教育を受ける権利、個人の尊重、男女の平等、職業を選ぶ自由、健康で文化的な生活を営む権利など、さまざまな権利を「基本的人権」として保障しています。ところが、中には自分の人権だけを主張して、他人の人権について考えない行動をとる人たちもいます。私たちは、お互いに基本的人権を尊重し合うと共に、それを自分たちの手で大切に守り、育てていかなければなりません。

2.「世界人権宣言」と「人権デー」
 かつて、「人権の保障」は、それぞれの国の国内の問題であると考えられていました。ところが、多くの命が奪われた第二次世界大戦のころから、世界平和の基礎として、国際的にも人権の保障をしていくことが必要であると考えられるようになりました。
 その結果、1948年12月10日、国際連合の第3回総会で、世界のすべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準を定めた「世界人権宣言」が採択されました。そこに、『全ての人間は、生まれながらにして自由と権利を持っており、これらの迫害からの解放が、人類最高の願望とされる。人権はどのような場所であっても、法の前に保障される』ということが宣言されています。また、1950年の第5回国連総会において、毎年12月10日を「世界人権デー」と定め、世界中で記念行事を行うことが決議されました。

3.人権学習の目的
 世界には、戦争などいろいろな理由で、学校に行けない子どもたちがたくさんいます。学校に行けないだけでなく、病気になっても病院に行けなかったり、食事も十分にとれない子どもたちもいます。そんな子どもたちだって、一人の人間として、豊かな生活を送るべきなのです。そこで国連は「子どもの権利条約」を作って、豊かな国でも、貧しい国でも、子どもが一人の人間として尊重され保護されるように、そして子どもたちが自由な意見を持って、生き生きと生活できるように、はたらきかけています。
 このように、人間は、大人も子どもも、だれもがみんな平等に、基本的な人権があるはずです。ところが、さまざまな差別のために、基本的人権が保障されていないことがあります。
 日本の社会でも、外国人に対する差別や女性差別、部落差別、障害のある人や高齢者に対する差別などがあるのを知っていますか?これらの差別により、本人にはどうすることもできないことで、いろいろな不利益を受けることがあります。こうした差別は個人の尊厳に反しており、一日も早くなくしていかなくてはなりません。皆さんには、これからの人権学習を通して、一人一人がお互いの人権を認め合って、差別をしない、差別を許さない態度を身につけてほしいと思います。

4.身の回りの人権問題「いじめ」
 ここで、昨年度の「全国中学生人権作文コンテスト京都大会」の応募作品の一部を紹介します。

 ●作文の紹介

 これらの作文を聞いて、皆さんはどう感じましたか。「人権の問題なんて、むずかしいから自分には関係ない」と思っている人はいませんか。でも、人権の問題は、皆さん中学生にもかかわりがある、重要なことです。皆さんのまわりで、友達の人権が守られていないことはありませんか。例えば、「いじめ」はどうでしょうか。「いじめ」は、いじめられる人がいやな気持ちになったり、時にはけがをしたり、命を奪われたり、人間らしく、自由に生きる権利を奪っていることになります。それに、いじめがあるのを知っているのに、見て見ないふりをすることも、人権を守っていないことになります。
 今日から始まる人権学習を通して、身近な人権問題や社会に根深く残っている差別について、みんなで一緒に考えましょう。
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 学校では、これからも人権学習を進めていきますが、この機会に、ご家庭でも「人権」について、子どもたちと話す機会を持っていただければと思います。