学校日記

《今週の生け花》若松,千両,菊  1月6日(木)〜

公開日
2011/01/06
更新日
2011/01/06

今週の生け花

 2011年最初の生け花です。新年といえば松というように、松はおめでたい植物の代表です。松は常緑樹として冬も緑の葉を茂らせることから、若さ・不老長寿の象徴とされ、竹、梅と合わせて「松竹梅」としておめでたい樹とされるのです。能舞台には背景として必ず描かれており(松羽目)、 歌舞伎でも能、狂言から取材した演目の多くでこれを使い、それらを「松羽目物」というなど、日本の文化を象徴する樹木ともなっています。松に係わる伝説も多く、羽衣伝説など様々あります。また日本の城にも植えられていますが、非常時に実や皮が食料になるため重宝されてきました。「白砂青松」は日本の美しい海辺の風景を表す言葉ですが、近年松くい虫により松枯れの被害が相次いでいます。京都でも、大文字近くの東山周辺もこの被害が深刻です。害虫対策としては、幹に藁を巻く「こも巻き」は冬の風物詩でもあります。
 昔から、“赤い実”の植物は大金にたとえて呼ばれますが、センリョウ(千両)・マンリョウ(万両)もその例にもれず、また、カラタチバナが百両、ヤブコウジが十両と呼ばれ、その名のとおり縁起のよい植物として古くから正月の床飾りの寄せ植えや切り花として使われてきました。一般的には、寄せ植えは、松・竹・梅ですが、金運を祈願し、センリョウ・マンリョウ、さらにアリドオシと呼ばれる赤い実をつける植物を寄せ植えして「千両・万両あり通し」と祝った人もいたそうです。
 センリョウ、マンリョウ、カラタチバナ、ヤブコウジは、たいへんよく似た姿をしていますが、植物学的には、センリョウだけがセンリョウ科で葉の上に赤い実をつけ、ほかはすべてヤブコウジ科で葉の下に実をつけます。寺庭によく使われる値打ちもののマンリョウは、雪や苔の上に赤い実を落としたいへん風情を感じさせる、まさにヤブコウジ科の王者といつたところでしよう。いずれも古代から人々に親しまれ、「万葉集」、「源氏物語」、「枕草子」にその名を見ることができます。
 今年最初の生け花は、お正月の”縁起物”として、万両の赤い実と若松の凛とした姿がとても印象的ですね。今年も「今週の生け花」を宜しくお願いします。