学校日記

《今週の生け花》キク,フジバカマ 11月2日(火)〜

公開日
2010/11/02
更新日
2010/11/02

今週の生け花

 オープンキャンパスの受付の後ろに「今週のい生け花」を生けていただいています。日に日に朝晩の冷え込みが厳しくなっていますが、いよいよ季節は秋から晩秋に向かっているのでしょうか。これから1か月間が、紅葉の美しい季節を迎えます。1年のうちで京都が最も映える時でもあります。今週は最もなじみの深い「キク」を取り上げます。インターネットの植物辞典から調べてみました。
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 キク[菊](キク科)
 桜と並んで日本を代表する花であるキクは、イエギク[家菊]とも呼ばれ、日本に野生するノジギクやイソギクなどと同じキク属の園芸植物である。なおキク属の学名Chrysanthemumはギリシア語のChrysos(金)とanthemom(花)から合成されたもので、黄金色の頭花に由来する。

◎キク属の植物学的特徴
 キク属Chrysanthemum は、広くとらえた場合は世界に200種が分布しているが、50種ほどに狭くとらえる見解もある。狭義のキク属Dendranthemaは、主として東アジアに分布し、ヨーロッパと北アメリカの種をわずかに含む。多年草で、葉は互生し、ふちに鋸歯があるか、羽状に切れ込む。頭花は、茎の先に一個がつくか、散房状につき、周辺にはふつう舌状の雌花がつき、白、黄または紅色、中心には筒状の両性花(機能する雄しべと雌しべをもつ花)が多数つき、黄色で、先が5つに分かれる。果実は痩果、円柱形で、頂上部に毛はない。

◎キクの起源
 現在園芸植物として栽培されているキクは、大きく改良されたもので、雑種起源であると考えられ、中国で1500年くらい前に作られたとみられている。中国北部に分布する、白い舌状花をもつチョウセンノギクと、中国中部に広く分布する黄色のハイシマカンギク(シマカンギクの変種)の自然にできた雑種かまたはかけあわせによって作られた雑種と推定されている。

◎栽培の歴史
 キクは、日本には奈良時代末から平安時代の始めにかけて入り、その後、たえまなく改良が重ねられ、とくに江戸以降観賞用にさまざまの園芸品種が作られてきた。また、江戸時代末期には、ヨーロッパにも日本からキクの多様な品種がもたらされ、すでに入っていた中国産の八重のキクとかけあわされて、さまざまな独特の品種が作られた。

◎キクと文化
 キクと日本文化のかかわりは深く、平安時代以降和歌や物語にたびたび取り上げられ、9月9日の重陽の節句には、中国から渡来した風習にしたがって、不老長寿の薬効があると信じられていた菊の花びらを酒に浮かせて飲む、菊花の宴が催されるようになった。江戸時代には、菊の栽培熱の高まりとともに、菊人形が秋の行楽シーズンの見せ物として作られるようにもなった。
 また世界的にみても、キク属の植物への愛好は人類の誕生以来の長い歴史をもっており、たとえば古代ギリシアのロザリオ模様も、その名がバラ(rosa)に由来するにもかかわらず、最近の研究ではキクの花を模したものではないかと言われている。いわゆるキクの花(頭花)はたくさんの花が密集したものだが、見かけ上はたくさんの花びらが重なって咲く八重咲き花に見え、人類は古来からハスやキクのようにたくさんの花びらをもつ花に特別の意味を感じてきたようだ。

◎キクの園芸品種
 キク属の野生種は日が短くなると開花する短日植物で、通常秋に咲くが、栽培種であるキクも、戸外では10月上旬から11月下旬に開花する品種がもっとも多く、花も美しいものが多い。
 12月上旬から1月にかけて戸外で開花するものは寒菊と呼ばれ、ほとんどが小菊である。この他、夏に開花する栽培種もあり、さらに、人口照明によって花芽ができるのを抑制するなどして開花時期を調節し、ほとんど一年中生産されている。キクは現在日本でもっとも生産量の多い園芸植物となっている。
 主に日本で改良されたキクを和菊、欧米で改良されたキクを洋菊と呼んでおり、このうち和菊は、花の大きさによって、大菊、中菊、小菊に大別される。
 大菊は、一本の茎に一個の花がつき、葉は濃い緑色で密につく。頭花の大きさが一八センチ以上のものをいい、主として観賞用の鉢物として栽培されている。舌状花の花弁がて内側に湾曲して、頭花全体が半球状に盛り上がっているものを厚物、舌状花の花弁が細長い管状になって花火のように放射状に広がっているものを管物、広物や御紋章菊ともいわれ、大菊の中では唯一、中心の筒状花のまわりに、ほぼ同じ大きさの舟形の舌状花が水平に広がっているものを一文字菊などと呼ぶ。
 中菊も、一本の茎に一個の花がつき、葉は濃い緑色で密につく。頭花の大きさが九センチ以上で、切り花でもっともよく使われるものである。花の形には、一重咲き、八重咲き、丁字咲き、抱え咲き、平咲き、管咲き、立弁咲き、匙弁咲きなどがあり、花色には白と黄を中心に、淡紅色、紅紫色、ふちどりのあるものなどがある。さらに、開花時期も多様で、季節によって使い分けられている。とくに、江戸時代から維持されている観賞菊としては、花の形が特殊な、江戸菊、嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、丁字菊などがある。
 小菊は、頭花が9センチ未満のもので、一本の茎につく全てのつぼみを咲かせたもので、花が多数つき、色や形、開花時期などは中菊と同様多様である。
 洋菊では、1974年に日本に導入されたスプレー菊が切り花として盛んに利用されている。「スプレー」とは、英語で花や実のついた小枝を意味し、小菊のように一本の茎が枝分かれし多数の花をつけるが、花は二、三センチのものから、大きなものは10〜15センチになる。花色はオレンジやピンクなど派手なものが多く、形もシングル咲き、アネモネ咲き、ポンポン咲き、デコラティブ咲きなど多様である。

◎日本の野生種
 日本に野生するキク属は一四種で、このうちいずれも白い舌状花をもち、西日本の沿岸部に生えるノジギク[野路菊] Chrysanthemum japonenseや関東以北の太平洋岸に生えるコハマギク[小浜菊] Chrysanthemum yezoenseなどは、俗に野菊と呼ばれ、いけばなにもよく利用されている。またイソギク[磯菊] Chrysanthemum pacificumは名前の通り、千葉県から静岡県の海岸の岩場に生えており、舌状花がなく、黄金色の筒状花だけからなる頭花を多数密集してつける。葉は表は濃い緑色だが裏は銀白色で、観賞のため古くから栽培されている。
 また、ノコンギク[野紺菊] Aster ageratoides subsp. ovatusは、キク属とは別属(シオン属)のチョウセンノコンギクの亜種で、ノヤマコンギクともいい、その栽培品種コンギクは、観賞用に鉢植えとして古くから栽培されている。チョウセンノコンギクは東アジアからインドにかけて広く分布し、非常に変異に富む。ノコンギクは日本では本州から九州の山野に生え、草丈50〜100センチの多年草で、よく枝分かれする。地ぎわから出る葉には柄があり、卵状長楕円形で、花が咲く時には枯れる。茎につく葉は長楕円形から卵形で、長さ6〜12センチ、ほとんど柄がなく、花は8月〜11月に茎の先にゆるい散房状につく。頭花は、径3センチほど、周辺の舌状花は淡青紫色で、中心の筒状花は黄色である。栽培品種のコンギクでは、茎が丈夫で、花色が濃青紫色である。

◎花言葉は・・・
 「高貴」「高尚」「高潔」「私を信じて下さい」「女性的な愛情」「清浄」「破れた恋」「真の愛」
(紅色)「愛情」
(黄)「高潔」「ろうたけたる思い」「わずかな愛」
(白)「誠実」「真実」
(濃色)「私を信頼して下さい」
(スプレーギク)「私はあなたを愛する」

 やはりキクは、日本の気候と風土に最も適した植物の一つなのですね。”主役”としてゆっくりと眺めてみたいと思います。