「今日の一冊」
- 公開日
- 2010/07/05
- 更新日
- 2010/07/05
校長室から
今日、皆さんに紹介するのは「星の王子さま(Le Petit Prince)」です。作者のサンテグジュペリはその献辞の中で、「大人は誰でも元は子どもだった(そのことを覚えている人は少ないけれど)。だから、この献辞をこう書き換えよう—
小さな男の子だった時のレオン・ウェルトに」と書いています。
砂漠に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れて「ヒツジの絵を描いて…」とねだります。少年の話から彼の存在の神秘が明らかになっていきます。
王子さまは初め、ごく小さな星の上に住んでいました。生えてきた美しいがわがままな花の世話をして暮らしていました。ある時、その花とけんかして旅に出て、他の星々を訪ねます。一つの星には王様がいて、何にでも命令を下す。別の星には星を全部数えて銀行に預けることだけをやっている実業家が住んでいました。また、別の星では、探検家を待っていてそれを本に記すだけの地理学者がいたり、こうして王子さまは、うぬぼれ男、飲み助、点等夫の住む星を訪れました。これらの人々は自分のやっていることを振り返ってみることを知らない大人たちへの批判であるのですが、大人たちを見下すというより、もっと温かな目で作者は人間を見ているようです。王子さまは最後に地球を訪れ、「仲良く」なったキツネに教えられます。「心で見なくちゃ、物事はよく見えない。肝心なことは、目にみえない」ということを。
200以上の言語に翻訳され、長い年月を経ても色あせない「星の王子さま」。目に見えないものを『心』で読む。何度読み返してみても、いつも心に何かを問いかけてくるなかなか難しい作品でもあります。