「今日の一冊」
- 公開日
- 2010/06/02
- 更新日
- 2010/06/02
校長室から
生徒の皆さんには、多くの本と巡り合うことにより、自分自身を見つめ直し、自分の幅を広げていくようになってほしいと願っています。
そこで、「今日の一冊」と題して、お薦めの本を紹介していきたいと思います。もちろん読書は自分の好きな本を自分で選んで読み進めていくから、分厚い本でも読み通せるのです。いくら良い本だからといって「これを読みなさい。」と示されても、すぐには読めるものではないと思います。ですから、あくまでも「一冊の本の紹介」と考えてください。もし気が向いたら読んでみるで結構です。
今日紹介する『ロウソクの科学』という本は、1861年末のクリスマス休暇に、イギリスのロンドンにある王立研究所の教授であったマイケル・ファラデーが行った講演の記録です。
「ロウソクの身の上には、あちらから見てもこちらから見ても、興味をそそる話の種だらけでして、それが科学のいろいろな分野につながる道の多様なことは、まったく驚くほかありません。この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです。」と一本のロウソクを取り上げて、その種類、製法、燃焼、生成物質などを語ることによって、大人から少年少女たちにいたるまでの多くの聴衆に「自然科学の世界」を実験を交えて、わかりやすく解き明かしていくのです。「何か一つの結果を見たとき、ことにそれがこれまでのものと違うものであったとき、皆さんは『何が原因だろうか。何でそんなことが起こるのだろうか。』と疑問をもつことを、いつまでもお忘れないことを希望いたします。こんなふうにして、皆さんは長い間に真理を発見していくことになります。」と巧みに人々を科学の世界へと誘います。ファーブルの『昆虫記』と並び称される科学解説の古典として、日本では昭和のはじめごろから文庫本として登場し、以来学生たちに読まれ続けてきた名作です。