理科より オズマ問題〜真実はいつも一つじゃない!〜
- 公開日
- 2020/05/01
- 更新日
- 2020/05/01
全学年
遠く離れた宇宙にいて,通話でしかやりとりができない宇宙人に「右」とは何かを伝えるにはどう説明すればいい?
先日掲載したこの「オズマ問題」について,これまでの科学者たちがたどり着いた答えを簡単に解説します。
宇宙人は,いつも私たちが見ているものや使用しているものを知りません。
そのため,右を説明するのに,「おはしを持つ手の方」や「北を向いたときの東側」といった地球上にしかないものや考え方を用いることができないのです。
では,どう説明すればいいのか。それは,宇宙全体に共通してあるもの,つまり宇宙人も知っているものを使って説明するしかないのです。
宇宙全体に共通してあるもの…それは,ずばり物理現象だ!
そして科学者たちは考えました。我々が知っているものの中で,右を説明するのに使える物理現象はないか…。例えば,宇宙人でもできる実験で,結果が右か左のどちらかの方向に偏るものはないだろうか…。
3年生のみなさん,あなたたちは答えを知っていますよ!…気づきましたか?
そう,2年生の物理で勉強した「フレミングの左手の法則」です!
まず,フレミングの左手の法則とは何なのか。
例えばU字型磁石をS極が上,N極が下になるように置きます。そして,S極とN極の間に導線を通し,手前から奥に向かって電流を流します。
すると,電流から発生している磁力とU字型磁石の磁力が影響しあい,なんと導線が勝手に右の方向に動きます。これをフレミングの左手の法則といって,中学校の2年生で学習する物理現象で,モーターなどの製品にも応用されています。(写真を参照)
つまり,宇宙なら絶対に存在する電気と磁力を宇宙人に用意してもらえれば,右に物体が動くという現象を宇宙人が体験することができ,右を説明することができるのです。
(ただし,S極とN極という名前は,地球人が勝手に決めたもの。磁石のどっち側がS極かN極かは地球人にしか分からない。ですので,磁石のS極とN極の決め方も宇宙人に伝えないといけないのですが,それは少し難しいので,また興味がある人は調べてみてください。電流の向きについても同じくです。)
話をまとめましょう。もし君がいつか宇宙人に「右」を説明するときは,磁石のS極とN極,電流の向きを定義した上で次のように説明しよう!
「右とは,磁力におけるS極を「上」,N極を「下」としたときに,この2つの間で発生している磁力の線に対して直角に交わる導線を用意して,そこに電流を手前から奥へと流した時に導線が動く方向だよ!!」うん,長い!!
ちなみにみなさんは,自分なりの答えが出せましたか?上記の解答は,あくまでこれまでの科学者たちが導いたもの。決して答えは1つではありません。
ただ答えを知ることも大切ですが,未知なる疑問に対して素直に挑戦し,しっかり思考することもとっても大切ですよ。その思考が,世界を進歩させてきたのです。
ちなみに,カンガルーのほとんどは左利きらしいですよ!