学校日記

『東山を西に見て』

公開日
2010/05/19
更新日
2010/05/19

校長室から

「修学旅行の力」
 校長として参加する初めての修学旅行から帰りました。細かなことは色々ありますが、全体としてみると十分満足できる“いい修学旅行”でした。修学旅行が終わると毎回思います。中学校生活最大ともいえるこの行事には、子どもの集団を変化させる大きな力があります。言うならば、「修学旅行の力」です。今回もそれを感じました。出発式のワクワク感、飛行機離着陸時の歓声、食事のときの様子、観光地でのはしゃぎよう、どれも中学生らしい純粋なものでした。
 とりわけ強く思い出に残った場面は、1日目夜のレクリェーションと伊江島のファームステイ先のおっちゃん・おばちゃんとの別れのシーンです。
 出発前から何度も事前学習の集会を見てきましたが、子どもたちがあれほどまでに一つになれた場面はありませんでした。係りの子を中心に、子どもたちが、二度とないだろうレクリェーションのその瞬間を精一杯楽しもうとしています。そういう雰囲気が会場に満ちているので何をしても面白いのです。漫才、早押しゲーム大会、ジェスチャーゲームでの大活躍など、普段の学校生活では決して見ることのない子どもたちの生の姿に触れることができました。私はそんな様子を見ながら、この子たちの今後が素晴らしいものになっていくだろうことを予感していたのでした。
 最も期待していた伊江島のおっちゃんやおばちゃんとの別れのシーン。正直なところ、過去を知っている先生の言葉も半信半疑だったのですが、完全にしてやられました。やんちゃなAがおっちゃんに「ありがとうございました」と照れ臭そうに頭を下げて言っています。旅行中、カメラを向けてもニヒルを決めてなかなか撮影に応じない彼が、おっちゃんや仲間たちと共に何枚も写真を撮り合っています。また、こちらもやんちゃな女子生徒B。おばちゃんに肩を抱えられながら集合場所にやってきました。後から聞いたところ、眠くてなかなか起きられず、遅刻を心配するおばちゃんを相当困らせたそうです。しかし、そこに現れた姿は、“おばちゃんに大いに甘える可愛らしい娘”のそれでした。
 おそらくAもBもかなりの迷惑をかけたのではないかと推察します。それを全面的に受け入れ、とてつもなく大きな愛情でもって包んでくださったに違いありません。1日限りの関係ではない私たちには、到底そのまま真似ることは出来ないけれど、島の人たちの度量の大きさと深さは、大いに見習わなければなりません。
 私のカメラには200枚以上の写真が収められています。どれも笑顔で溢れています。この表情を失わせてはならないと思っています。これが本当のうちの子どもたちの姿だからです。
 修学旅行は子どもたちの本来の姿を私たちに見せてくれました。伊江島の人たちの大きな心と深い愛情を見習いつつ、レクリェーションの時の予感を膨らませていきたいです。修学旅行の力は、私たち教職員の方に強く働きかけています。