学校日記

『東山を西に見て』

公開日
2010/04/28
更新日
2010/04/28

校長室から

「心の土を耕す」
 28日(水)総合的な学習の時間を使って野菜の苗付けを行いました。本校では16年間、菜園活動を通して土に触れ、自然を体感する中で環境について考える取組を実践しています。4月9日の「土起こし」に続いて本日の「苗付け」を迎えたわけですが、1〜3年生まで実に楽しそうに活動します。先生の指示を聞いて、心をこめて苗を植え付ける様子を見ていると、殺伐とした今の社会の中で忘れかけていた大切なものを思い出すような気持ちになります。活動中の子どもにカメラを向けると、本当に“いい笑顔”でポーズを決めます。ここだけを見ても、この活動が、確実に子どもの心を耕しているのではないかと思えます。
 教師塾や教職大学院で、「心の土を耕す」ということを繰り返し話してきました。
 子どもはみな心に植木鉢をもっている。その土が耕されずパンパンのままだと、いくら水を撒いてもその水は土の上に溜まるだけ。一方、しっかりと耕されていると“すーっ”と浸み込み、根から確実に吸い上げられる。各教科の先生が数学や国語や英語の水を撒いた時、それがどんどん浸み込むような土にしておかなければならない。心の土を耕す時間が道徳や学級・学年活動や行事、部活動や総合的な学習の時間なのだ。
「本物の土を耕すことで、心の土を耕すことができるのだ」と、子どもたちが活動する姿を見ていて、そう思える今日の学習でした。
 また、6時間目には来月の憲法記念日に向けて憲法についての学習をしました。私が放送によって10分ほど講話をし、それを受けて各担任の先生がその内容を更に深めるというものです。憲法制定の背景、憲法の性格、そして三大原則について詳しく話したつもりです。なかでも基本的人権の尊重については、特に時間をかけました。
 一人ひとりが自覚をもって努力していかないと、全ての人の基本的人権を守ることは難しいこと。基本的人権の尊重は、それが尊重されてこなかったという事実から生まれているということ。人は誰にも幸せになる権利があり、その権利を他人によって侵されることがあってはならないこと。以上を特に強調しました。
 放送終了後、各教室を参観に行きました。担任の先生方がそれぞれの個性を生かして、私のした話を深めて子どもたちに届けておられます。この時間にもきっと子どもたちは、心の土を存分に耕していたことでしょう。
 正直なところ、今日の2つの学習が、生徒全員の心に届いていたかどうかについては自信がありません。今後も教職員が一丸となって、さまざまな場面といろいろな方法で、これら何人かの子どもたちの心の土をも耕す活動を続けていきたいと思います。