学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2012/10/30
更新日
2012/10/30

校長室から

「成長を感じるとき」
 「陽(下の息子の名は陽太)がお風呂へ行きたいって言うてるし、後で連れて行ってやって!」28日は雨で練習試合が中止になり、息子は早く帰宅してきました。彼が2時間ほど睡眠をとった後の出発です。この瞬間、頭の中でその後の私の予定をすべて変更しました。陽太と一緒に銭湯へ行くのは何年振りでしょう。ささやかな楽しみにワクワクする気持ちを確かに感じていました。これまでも何度も誘ったことがありましが、その度に短い言葉で「ええわ!」。おそらく、ヘトヘトになって家に帰りつき、もう一度どこかへ行くなんて気がしないのだろうとこちらもそれ以上は言葉をつなぎませんでした。
 約束の時刻を少し過ぎた頃、息子がノッソ、ノッソと階段を降りてきました。私の方は用意万端整えて待っていましたが、もちろんそんな素振りは見せません。「私も行く!」妻が言い、思いがけず3人での銭湯通いとなりました。
 息子と並んで湯船につかります。他愛もない内容ですが会話がはずみます。そのうちやっぱり野球の話になります。こういうスイングをしたらボールが飛ぶ。こういうキャッチングをする。配球はどうだとか、一生懸命話し始めました。「へえー、そうか」「なるほどなあ」そんな言葉で聞き役に徹します。「うちの下の息子です。」顔馴染みの方に紹介します。「こんにちは!」すぐに横の息子が挨拶をします。そんな当たり前のことが妙に嬉しく誇らしげであったりもしました。二人並んで体を洗います。その間もしゃべりっぱなしです。家でこんなに会話をすることはありません。「おい、むこう向けや!」息子の背中を流します。『いつの間にか大きくなったものだ』大きな逆三角形の背中をタオルでゴシゴシやりながら思います。瞬間、掌にのせて湯船につけた日のことを思い出します。次は、私が洗ってもらう番です。以前は、このとき息子は立ってやってくれていたことも思い出します。
「お母さん、そろそろ、あがろうか。」「はーい!」壁越しのこういう会話も地域の銭湯ならでわです。先日、ここで大学生にマナーについて注意したのですが、この会話は下町情緒に溢れているのでマナー違反ではないと、自分勝手に決めました。息子は、脱衣場へ出る前にちゃんと身体を拭っています。そのことに触れると、「小さい時からお父さんにうるさく言われてきたさかいに、合宿の時でも自然にできる。」と言いました。家庭で教育してきた成果といえば大袈裟ですが、親として小さな満足感をもったりもしました。
 学校でも、チョットした場面に子どもの成長を感じる瞬間があります。
 廊下ですれ違う際に、私を先に通してくれるなどの配慮ができたり、何気ない会話の中にも発見します。「いつも頑張ってるね。」や「身長が伸びたね。」に対して「ありがとうございます。」と答えることなどがそれです。それに気づいたら素早く「おっ、成長したね」などと口に出します。少なくとも私はそう心がけています。多分生徒も悪い気はしていないと思います。生徒との間の信頼関係を築いていくのは、意外にこうした何気ない会話だったりすると思います。