学校日記

『東山を西に見て』

公開日
2010/10/20
更新日
2010/10/20

校長室から

「背景を知る」
 「家庭・地域と学校が一体となって子どもを育てる」京都市の教育を語るとき、今は当たり前のフレーズになってしまいましたが、花山中学校に来てこれを実感することがよくあります。地域の方に協力してもらって2年生の選択授業を行っていることは以前にも紹介しました。体育祭では、たくさんの地域の方で来賓席は常に一杯の状況でした。一方、子どもたちも地域の行事には積極的に参加します。両小学校で行われた「夏祭り」、今月初めに実施された「区民運動会」、そして17日に山科全域で大々的に実施された各神社の大祭。参加する子どもたちの多さに驚かされます。自分のことを思い出すと、小学生の頃は楽しみにして参加したものの、中学生になるとやや興ざめして足が遠のいたように思います。
 六所神社の前夜祭には、氏子会の皆様がたくさんの屋台を出して境内周辺は実に賑やかでした。中学生の姿もたくさん見えました。女の子は少しおしゃれをして来ていて、見慣れた制服姿とは違って可愛らしく思えました。月曜の朝、そのことをある3年生の女子に言ったところ、「だって祭りやモン、気合い入れな!」と言いました。(笑)
「ここの神輿は全行程担ぐんですよ。それが自慢です。神社の境内から出る時が勇壮ですから、是非見にお出で下さい。」地域の方からそう言われ翌朝出向きました。予定時刻の30分前に到着したのですが、すでに多くの人がおられました。境内に入ると、裃をつけた役員の方々や法被姿の担ぎ手の皆様があちらこちらで打ち合わせをしておられ、巡幸前の神輿の周りには独特の緊張感が感じられました。子ども神輿を担ぐという何人かの中学生が駆け寄ってきました。「君らぐらい大きなったら、大人神輿の方がええんちゃうか。」3年生の男子に尋ねました。「中学生まではアカンねん。来年になったら担がせてもらえるし、楽しみにしてる!」前の晩、屋台で買った食べ物をほお張っていた子どもらしい姿とは異なり、地域の大人の仲間入りを楽しみにしている逞しさを感じました。
 神輿が六所神社の境内を出ていくのを見届け、急いで場所を変えました。16日付の京都新聞で紹介された通り、岩屋神社の神輿が休憩する場所で、本校の子どもたちを中心としたメンバーが太鼓演奏を奉納するからです。全身に緊張感を漂わせ、この日に向けて練習してきた太鼓の演奏をします。小学生4人を加えた14人のメンバーが多くの観客の前で力強く太鼓を打ちます。どちらかと言えばおとなしく、普段は目立たない彼らの躍動する姿は、学校生活の様子を知っている者にとっては感動的に映りました。
 子どもたちが家庭や地域の人たちと関わる様子に目を向けることの重要性を改めて強く感じました。「子どもの背景にまで入り込んだ教育」そんなフレーズも思い出します。「背景」とは、言わずもがな家庭や地域です。子どもたちはそこで様々な経験をし、確かに成長を遂げます。私たちはそのことを知った上で、学校での取組を工夫していく必要があると思います。