学校日記

必要

公開日
2009/12/18
更新日
2009/12/18

校長室から

 3年の学級通信を見ていたら,「have toなこと!?」と題してあった。わたしは国語だが,浅い英語の知識を振り絞って,書いてみようと思う。英語は苦手なので,和製英語で申し訳ないが,必要という言葉の「need」と「want」についてである。
 「ニーズ(日本語でニードとは言わないので)」は,空間的に見ると,外部の状況を判断して割り出した必要性。時間的に見ると,過去から現在にかけて人間が経験したことや得たことを基準にして割り出した必要性。
 「ウォント」は,自分の内部から出てくる必要性。現在と未来に時間軸をとった上での必要性。つまり,欲望,自分のなかの欠乏を内包した必要性ということになる。
 だから,「ニーズ」は,人間の理性の上に立った判断から生まれた必要に対して,「ウォント」は,今の自分の中から生まれてくる,何かいたたまれないような,何とかしたく思うような必要ということができよう。
 「ニーズ」という点かいえば,今の自分の成績がこんなのだから,あそこの高校にしようかというふうに,いろいろな情報から「ニーズ」を割り出して進路を決めるときに使うが,さて,そうしたら,「ウォント」は,今必要ないかといえば,そうではない。高校を決めるとき,ある種の「ニーズ」によるところの判断は大切かもしれないが,ある面では,「ウォント」にきりかわらないかぎり,どこかで挫折するのではないだろうかと危惧する。というのは,やはり,ぼくは将来,こんな職業に就きたいんだ,わたしは将来,こんな勉強をしたいんだ,といった「ウォント」をもった意志力がなければ,自分の人生を生き抜いていくことはできないからだである。
 自分の内なる欲望こそ,飛躍の原動力であり,そこには「ニーズ」ではなく,「ウォント」がとても必要になってくると思うからである。わたしの気持からいえば,「ニーズ」に必要性を感じながらも,いつまでも「ウォント」の必要性を持ち続けて欲しいというのが,偽らざる願いである。それは,目の前の進路だけではないからである。