校長室から
- 公開日
- 2010/09/30
- 更新日
- 2010/09/30
校長室から
澄みわたる青い秋空のもと,松陽小学校も前期を終えようとしています。
4月に校長として,あっという間に6か月が過ぎました。その間,松陽という世界で色々な出会いがありました。子ども達・保護者の方々・地域の方々・そして教職員。一生の中での大切な出会いです。
これまで,学校だよりや学校ホームページ上で私の心に映る松陽小学校や地域の姿,そして私の願いをお伝えしてきました。松陽小学校の子ども達は,子どもらしく素朴な面があります。これからも,私の心に映る風景をお伝えしたいと思います。
「イチローからのメッセージ!?」
24日の早朝,「イチローが10年連続200安打達成」のニュースが日本中を廻りました。彼の姿に現地のファンの歓喜の姿も映像に映し出されていました。みなさんも,イチローの姿にいろいろの思いを持たれたことでしょう。このニュースを見ながら3つのことを考えました。
まず,イチローが10年連続メジャーリーガーとしてプレーし続けたことです。
ハングリー精神でアメリカンドリームの実現を目指す多くの相手から,今のポジションを10年間も維持し続けることは想像を絶する苦労があったことでしょう。多くの競争を乗り越えたからこそ,メジャーリーガーの一員としていられるのです。メジャーリーガーとしていること自体が夢のような出来事なのです。さらに,レギュラーとして認められているのです。それはイチローしか持てないバッティングの高い技術力が可能にしています。
次に,大きな怪我をしなかったことです。大記録を達成した直後も,彼は普段と同じように入念にボディケアをしたと報じられていました。大きな夢を持ちメジャーリーグに挑戦し続ける日本選手が増えてきましたが,怪我による戦列からの離脱。そしてスランプにより志半ばにして帰国しています。その事実からも,イチローのプロとしての健康管理の意識の高さを感じます。目に見えないところで,メンタルとフィジカルのケアを毎日し続けてきたことが可能にしています。
最後は,イチローを10年間見守り続けてきた現地のラジオ担当者の言葉です。「イチローはメジャーリーグに来てからも,メジャーリーガーになろうとはしなかったことがすばらしい。」と語っていました。メジャーリーグには,多くの国から選手が集まっています。国籍も文化も違う人間が集まり,一つのボールをめがけてスポーツの世界の死闘を展開しています。その多くは,メジャーリーグに順応するため自分自身を変えていくことがあります。イチローは,日本でプレーしてきたことを土台にそれをより昇華し,結果としてメジャーリーグで記録を出しているということのようです。イチローは,自分らしさを追い求め続けている。その姿からは,自尊感情の高さを感じます。
優れた技術力。厳しい自己管理能力。高い自尊感情。イチローという人物は,メジャーリーグという世界で,人間が自立して生きるための条件を表現してくれているようです。しかし,それは教育の世界にもあてはまりそうです。松陽小の子ども達が,社会に船出するとき,今以上に社会の姿は変わっていることでしょう。子どもひとりひとりが,自分の人生に,自分の手で,自分の名前を刻みこめることができるような生き方をしてほしいと願います。
スポーツの世界の最前線で生きるイチローの姿から感じる,「優れた技術力。厳しい自己管理能力。高い自尊感情。」は,けっして現代的なものではなく,かって日本が大切にしてきたものではないかと私は感じるのですが,みなさんはいかがでしょうか。
「みさきの家 〜友だちを受け入れる仲間〜」
9月27日(月)から29日(水)の2泊3日で,4年生が三重県志摩市にある京都市野外活動センター「奥志摩みさきの家」に行きました。
奇跡とも思える気象状況の回復で,秋空のもと友達と支え合いながら野外活動を経験しました。
2泊3日の時間は,私にとっても子どもたちと接する有意義な時間でした。英虞湾を遊覧船に乗船し,みさきの家の「なかよし港」に到着。真珠の養殖地を見ながら潮風に当たることは,松陽小学校の子ども達にとり貴重な体験です。宮崎浜の磯観察では,台風が去った後の影響で少し波が高く感じました。ヤドカリや貝,そして魚を見つけ大はしゃぎ。一つの炎を中心にゲームで楽しく過ごしたキャンプファイヤーで第一日目は終了。
6時の起床とともに2日目がスタート。朝の集いでは,梅津北小学校の友達と学校紹介をして友情を深めました。地図を片手に,グループの仲間と協力してクイズを解きながら広大な敷地内を散策した浦山ラリー。夕飯は,「すき焼き風煮」にチャレンジ。肉や野菜を包丁で切る。火をおこす。初めての経験ばかり。その苦労の中で色々なことを学んでいきました。子ども達が楽しみにしていたのは,「きもだめし」。私が話したこわい話が怖すぎて,何人もの女の子が泣き叫び,中には,きもだめしに参加できない子もいました。少し反省しております。
3日目は,自分たちが生活した場所を「来た時よりも美しく」を目標に大掃除をしました。どの子も真剣に掃除しました。
この2泊3日を通しての一番の収穫は,子ども達が仲間を受け入れる集団になりつつあるということです。松陽の子ども達は,いろいろな状況の子どもたちがいます。その違いを非難するのではなく,一つの個性として受け止め受け入れる豊かさを感じます。担任が子ども達と共に,毎日大切にしてきた集団づくりの姿がそこにはありました。
これからは,4年生の子ども達が,松陽小学校の中学年のリーダーとして,その良さを学校全体に波及してくれることを強く願います。子ども達はやはり素敵です。教育に携わる者としての喜びの原点です。