松陽の風景
- 公開日
- 2010/05/31
- 更新日
- 2010/05/31
校長室から
〜意欲〜
ゴールデンウィークが終わったと思ったら,あっという間に6月(水無月)となりました。
子ども達も新しい担任の先生や新しい仲間とも慣れ,集団としての落ち着きを見せ始めています。
私の楽しみの一つは,授業の様子をウォッチングすることです。それぞれの先生が,子ども達とつくりあげる授業は一つのドラマです。先日4年生のある教室を訪問しました。私が来ることを事前に知らされていた子ども達は,私の到来を今か今かと待っていたようです。たまたま電話がかかってきたため予定より10分遅れてしまいました。子ども達には申し訳なかったです。教室では,国語の物語文「白いぼうし」(あまんきみこ作)の授業中。主人公の松井さんはタクシーの運転手さん。その人柄がとても魅力的に書かれています。子ども達はこの物語が大好きです。音読の場面では,自分が読みたいと,ツバメの親がえさを巣に持ち帰ったときの雛のように主張します。「先生,読みたいです!」という気持ちが伝わります。授業は佳境へ。
松井さんは,どんな人なのかという人柄を考える場面。子ども達は,文章の言葉を根拠に考え,自分の言葉で次々と発表しました。
この授業を見ていて「意欲」というものがどこから生まれるのかと考えました。一言で言えば「楽しい」という気持ちからでしょう。「楽しい」という気持ちになるためには,「不思議だよ」「どうしてそうなるの」「やってみたい」「考えてみたい」「分かりたい」と一人ひとりの子どもの内面から湧き出るような,出会いを作ることが必要なのでしょう。子ども達からどれだけ意欲を引き出せるのか。松陽教育の一つの目標です。
〜話しかける〜
1年生の子ども達が,朝顔の種をまき2週間が過ぎました。毎朝,自分のプラスチック製の鉢に水をやり一喜一憂です。双葉が出た鉢。本葉が出た鉢。まだ何も出ていない鉢。朝顔も人間の子ども達と同じように,成長には個人差があるようです。
ある日,鉢を見て心配している女の子がいました。その子の鉢には,芽が出ていません。そこで「土の中の朝顔の種に向かってお話してごらん。早く芽を出してくださいとお話したらいいよ。きっと種は,その声を聞いているよ。」と話しました。
子ども達が誕生する前,お母さんのおなかにいたわが子にきっと色々と話しかけられたことでしょう。その言葉を胎児は聞いて,心を落ち着かせると言います。以前テレビ番組の中で知ったのですが,外国の研究によると,植物も人間の言葉に反応するらしいのです。
話しかけるという行為は,相手の存在を認め,その相手に伝えたいメッセージがあるということです。私にとってあなたは大切な存在です。大切なあなたにぜひ伝えたいことがあるのです。それはね…。話しかけることの意味はとても深いようです。
この文章を書きながら,あの子の鉢に早く朝顔の芽が出て欲しいと願う私です。