高雄の伝統を大切に
- 公開日
- 2012/09/10
- 更新日
- 2012/09/10
校長室から
「はしごやくらかけはいらーんかいな」と畑の姥が高雄の木工工芸品を売りに歩いて京都市内へまだ出ていたのがもう50年も昔の話と聞きましたが,自治連合会の集まりのときに,今も伝統工芸の木工を受け継いでいる人がいるとお聞きし,訪問いたしました。162号線沿いの橋本木工所のご主人覚さん,9代目になるそうです。江戸時代からの老舗の木工所です。
家具も大量生産の時代になり,どんどん消費され,壊れては新しい製品と取り換える時代ですが,作業場の片隅の床几を見せていただき「これで30年使っています」と,ポンと表面をはたいて見せてもらいました。表面は30年の歴史を物語っていますが,芯がしゃきっとした感じでまだまだ使える品でした。テレビが始まったころから,近所同士で夕涼みをする機会が減り,それとともに床几やくらかけの需要が減ってきました。
橋本さんからお話を聞き,目の前の床几やくらかけを見せていただき,私たちが大切にしてきた伝統というものは,文化として物の使い方,扱い方にも表れてくると強く感じました。
はっと思ったのは床几もくらかけも大変シンプルな作りです。ところがそこが難しいところです。シンプルだから頑丈そうに見えないのに30年も使われている。そこに伝統の技があるのでしょう。