学校日記

ごはんがすすむ

公開日
2019/03/06
更新日
2019/03/06

校長室から

今月は給食週間にちなんで,和食について考えたいと思います。
これまで少し不思議に思っていたことなのですが,よく聞く日本語に,「ごはんがすすむ」という言葉があります。この言葉からわかるように,日本では主役のポジションはあくまでも「ご飯」であり,おかずはサブ「副食」ということになります。和食では,「おかず」により,主食である「ご飯」がすすむことが,おいしい料理の評価であり,「ごはん」がすすむために「おかず」が存在するというのが基本的な考え方なのだと思います。
一方,外国には,「メインディッシュ」という言葉があるように,料理の主役は,お皿「ディッシュ」にもられた「おかず」であるように感じます。私見になりますが,「今日のメインディッシュ,パンがすすむわ」なんてことを聞いたことがありませんし,「パンを何個もおかわりをするぐらいおいしかった」という褒め言葉も聞いたことがありません。しかしながら,外国でも主食は「おかず」ではなく,「小麦(パン・ナン)」,「トウモロコシ(トルティーヤ)」,「いも(ゆでたじゃがいも)」等です。これらの主食を食べる国の中で,「ごはんがすすむ」と同じような言い方や「おかず」の褒め方があるのでしょうか。聞いたり,調べたりしたのですが,わかりませんでした。不思議は不思議のままがいいのかもしれません。
食の違いは,その国の成り立ちの違いや文化の違いであり,だからこそ「食文化」という言葉があるのだと思います。もう少し詳しく日本に目を向けると,日本の地は南北に長く,四季が明確であり,多様で豊かな自然があり,そこで生まれた食文化もまた,これに寄り添うように育まれてきました。このような,「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を,「和食:日本人の伝統的な食文化」と題して,ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「和食」の4つの特徴として,「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」「健康的な食生活を支える栄養バランス」「自然の美しさや四季の移ろいの表現」「正月などの年中行事との密接な関わり」があげられ,その根幹は,「自然の尊重」という日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣習」がユネスコ無形文化遺産にふさわしいものであると認められたのです。私たちにとって「和食」は,「ご飯がすすむ」と同じように,どれも当たり前のようにとらえていたのですが,世界に誇るべき食文化であり,これからも次代につないでいかなければならないものです。
京都市では,小学校給食でも「和食」の良さを伝えていく取組を進めていくこととし,月に1回程度,和食推進の日として,「和(なごみ)献立」を提供しています。
校 長  三浦 清孝