秋といえばこの香り
- 公開日
- 2012/10/10
- 更新日
- 2012/10/10
中川校の自然
10月に入ったころから,中川でも金木犀が花を咲かせるようになりました。誰しもがその香りに気付き,「あ〜っ,秋になったなぁ〜。」と感じられることでしょう。秋は,彼岸花,金木犀,菊花,紅葉と秋がどんどん深まり,冬へと入っていくそんな移ろいの姿ですね。
さて,金木犀は,渡来種で中国から入ってきています。ただ,雄株のみですので,増やすには挿し木や取り木という方法になります。下の写真は,金木犀の花です。下右上が雄しべの写真で2つ付いていることが分かります。下右下は雌しべです。ピントがもう一つですが,中央の1つがそうです。未成熟ですので受粉能力すらないことが分かってきます。
このキンモクセイという香りはかなり強い香りですので,誰でも気付くことから,昔は大いに用いられていました。その場所とはトイレです。汲み取り式トイレを経験した世代には,この香りとトイレが結びつくことと思います。その通りで,強烈な糞尿の臭いに対抗できるのがこの香りの芳香剤だったのです。臭いは臭いでごまかすという方法だったのです。しかし,水洗トイレ等の普及により,強力な臭いが必要なくなると,キンモクセイの芳香剤は行き場を失います。他の場所で使おうにも,この香り=トイレのイメージが強く,敬遠されがちだったのです。さらに,消臭剤の普及とともに,臭いを取り去りつつほのかな香りを立てる方法に変わってきましたので,この強力な香りは,逆に,鼻につくようになってしまったのです。こうしてキンモクセイの人工の香りは役目を終えて姿を消していきました。
しかし,自然界においては,キンモクセイの香りが通る人々を甘く優しく包み込むので,ホッとリラックスさせてくれます。そこに,「秋はキンモクセイ」とみなさんが愛するゆえんがあるのでしょうね。