学校日記

府レッドデータブック 要注目種

公開日
2012/09/26
更新日
2012/09/26

中川校の自然

 写真の虫は,一見すれば,マツムシのような…,カンタンのような…,でもどこかが違う…とお感じになられる方もおられるかと思います。この虫は,「マツムシモドキ」と名付けられています。さも,分かっているように話していますが,私も苦労したのです。上述の思いは,実は私の思いです。
 出勤時,上靴に履き替えているとポタリと落ちてきたのです。思わず,おっ,カンタンか!と捕まえました。残念ながら,右足がないことと触角がちぎれて短くなっています。触角は5cmほどあるそうです。体長は12mm〜18mmですから体長の3倍ほどの長さとなりますね。
 形態としてはアオマツムシに似ているけれど全く色が違う…,産卵管がないからオスだろうけど…,翅が鳴く虫のオスというよりメスの翅に似ている…,と大いに悩まされました。あきらめかけたとき,偶然,ホームページに「マツムシモドキ」という名前がヒットしたのです。早速,マツムシモドキの画像検索し,確認することができました。
 この虫は,京都府をはじめいくつかの県のレッドデータブックに要注目種として取り上げられています。言い換えれば,目にすることが余りないということです。たくさん生息しているのか希少種なのか不明だということです。その理由は何でしょう。この虫の生活場所にあります。低山地の樹林上で生活をしていますので,地上には滅多に下りてこないのです。これでは,多いか少ないか分かりませんし,目にすることもないから,図鑑類にも載りにくいということになります。
 一部欠落していますが,私は偶然にも,貴重な虫と出くわしたということになります。そう思うと単純にうれしくなるとともに,ここで見つかるぐらいだから日本中にたくさんいるに違いないと思わせられます。兎に角,どんな生活をしているのかの情報がほとんどなく,不明な点が多いようです。はっきりしていることは,翅の構造から,オスは翅を使って鳴かないということです。コオロギ科マツムシ亜科に属しているのに…。
 名残を惜しみながら,落ちてきた付近の樹に戻してやりました。右後脚がないから長生きはできないだろうけれど,レッドデータブックから消えることを願って。