学校日記

リコリス・アルビフローラ

公開日
2012/09/25
更新日
2012/09/25

中川校の自然

 標題の植物は,和名で白花彼岸花,もしくは,白花曼珠沙華と呼ばれているでしょうか。本校では,去年よりやや遅く,先週くらいから咲き出しました。本校には,なぜか,このシロバナヒガンバナしかなく,ヒガンバナ(赤花)は一つもありません。どなたかが,アルビフローラの球根をあちこちに植えたのでしょうね。
 そもそも,この白花は,ヒガンバナとショウキズイセンの交雑種といわれています。普通に考えると「えっ?!」と思うところです。ヒガンバナは種ができないとされているからです。確かにそうですが,中には,二倍体変種があってこちらのヒガンバナの方は種ができるそうです。この赤と黄の2種の交雑から白っぽいもの,薄いピンクの混ざる白花,薄い黄色の混ざる白花ができるそうですが,赤と黄が混ざって白というのも不思議に感じませんか。これも,こうだろうという理由があるようですよ。
 さて,ヒガンバナの話に変わりまして,田の畦やお墓周りなどでよく見かけますが,先ほども言いましたように,種で増えず球根を分球して増やします。ということは,田やお墓に多いのは,人の手で植えたということになります。ヒガンバナは有毒物質リコリンなどを含んでいますので,普通なら遠ざけるはずです。なのに,集落の近くで増やすということはどういうことでしょう。実は,飢饉などのときの非常用食物と考えていたようです。そこでまた,「えっ?!」と思われるでしょう。その通りで,嘔吐を誘発する作用があり,多量摂取で死に至ります。そんなものを食するの?本当なのです。このリコリンは,水に溶けやすい性質を持っています。ですから,数日間流水に浸けておくと,有毒成分が,薄まるのです。有毒成分の量が減りますから,多量に食べても嘔吐や致死量にまで至らないということになります。ただし,江戸期以降に食した記録がないことやそれ以前では,毒抜きが不十分で死に至った例もあるとか。