ウァッ,ハチだ! ブブーッ!残念でした
- 公開日
- 2012/07/13
- 更新日
- 2012/07/13
中川校の自然
上の写真をご覧ください。アシナガバチです。ブブーッ!実は違います。「シロスジナガハナアブ」です。ぱっと見,アシナガバチかと思いますよね。職員室でもハチだと小さな騒ぎが起こりました。このアブは,虫好きの教頭先生に掴まってしまい,写真標本になってしまいました。
では,ハチでない証拠をいくつか紹介しておきましょう。下の写真左の顔を見てください。ハチとは似てもにつかない顔をしています。目(複眼)の位置と大きさから,まさに,アブの顔です。そして,ボーッと見るとハエのようにも見えてきませんか。アブの仲間の祖先をたどるとハエの仲間とつながります。顔が似ていて当然なのですね。共にハエ目(双翅目)の仲間です。
つぎに,双翅目(そうしもく)の言葉通り,見た目,2枚の翅(はね)です。この点でもハチとは違います。ここで,下の写真右の黄色の丸内を見てください。小さな白っぽいものが見えますね。これが,後ろ翅なのですが,変化(退化)してしまったのです。なぜ変化したのかは分かりません。ハエもカ,ガガンボ,ユスリカなども2枚翅です。
最後に,胸と腹のつながり具合です。アシナガバチは,胸と腹が細い糸状になってつながっていますが,赤丸内を見てください。透明な膜みたいなものが筒状になってつながっています。ハナアブの仲間などは,胸部と腹部に明確なくびれがありません。そこで,アシナガバチに見せるために,透明にし,黒い模様で胸と糸状につながっているかのようにしているのです。上の写真を見直すとなるほどとうなづけるのではないでしょうか。ところで,この透明な部分が,名前のシロスジ(白条)を表しています。
長々となりましたが,いかがでしょうか。自分の身を敵から守るために毒のあるアシナガバチに似せたのです。このような身の守り方をベイツ型擬態といいます。しかし,不思議に思われませんか。どうしてアシナガバチが敵におそわれないと分かったのでしょう。また,どのようにして自分の体をアシナガバチそっくりに変えていったのでしょう。自然って分からないことだらけです。とてもおもしろいですね。