京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/01
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「民主主義の日」
 1月20日(日本時間21日未明)首都ワシントンDCで,第46代アメリカ合衆国大統領の就任式が行われました。その模様は翌朝のニュースで見たのですが,朝食をとる手が止まるほどジョー・バイデン新大統領のスピーチに引き込まれる格好になりました。スピーチと共に流される字幕を目で追うと「アメリカの日」「民主主義の日」「歴史と希望の日」という言葉が現れ,それに強烈なインパクトを受けました。また,「私は,私を支持しなかった人のためにも一生懸命闘います。全てのアメリカ国民の為の大統領になることを誓います。」という言葉にも心を奪われ,後にインターネットで全文を検索することになりました。
 新大統領のスピーチを見て,特に興味深かった部分の和訳を紹介します。
「1863年,エイブラハム・リンカーンは奴隷解放宣言に署名しました。大統領は,紙にペンを置いたときこう言いました。「もし私が歴史に名を残すことがあれば,それはこの行為によるものだろう。私は全霊を注ぐ。」私も全霊を注ぎます。今日,1月のこの日に私の魂をこれにかけます。アメリカを団結させ,国民を団結させ,国を団結させます。…略…私を支持してくださらなかった方々もどうか私の声を聞いてください。。…略…もちろん,意見の違いはあっても構いません。それが民主主義です。平和的に異議を唱えること,それがこの国の一番の強さなのかもしれません。意見が違うからといって国が分断されることはありません。」
 前大統領の政治を強く意識した内容であることは確かですが,ここに全世界の人間が改めて認識し直さなければならない内容があると思うのです。意見の違いがあっても,学校や会社,役所などの組織が分断されることはないということです。意見を闘わせても,共通の目的に向けて共に取り組んだ時,そこには団結が生まれるのです。
 昨日,本校の先生の授業がビデオ撮りされました。今後,本市の特に若手教師が研修に用いるためです。「一人学び」→「グループ学び」→「全体学び」と話合い活動を中心に生徒全員が熱心に取り組む様子が撮影されました。本校の生徒や教職員にとっては既に珍しい授業形態と進行ではありませんが,他校の先生方にはそれがセンセーショナルに映るのかもしれません。3年間,研究の方針に沿ってこの授業改革を行ってきましたが,最初から全員が諸手を挙げて賛成した訳ではありませんでした。しかし,意見交換を繰り返しながらも“生徒の力を引き出し伸ばす”という目的のために取り組んできた結果,組織は団結し“チーム二条”が出来上がったと自負しています。
 世界の社会には様々な立場の人々が暮らしています。人種や民族,国や国籍,思想や宗教,文化や習慣,男女,障害のあるなし,貧富など,そこに差が生まれ対立が生まれることもあります。これらも同様です。互いの違いを認め合い,共に幸せに生きることは十分に可能なことだと信じます。いえ,そうでなければならないのです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「忘れてはいけない」
 1995(平成7)年1月17日,午前5時46分。兵庫県南部を震源地としたマグニチュード7.3の大規模地震が発生しました。6.434人もの人が犠牲になり,後に「阪神淡路大震災」と名付けられた大災害です。あの日から今日で26年が経ちました。 今年度は,新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収束の気配をみせない中,様々な行事が中止あるいは縮小されているようですが,この日のことを忘れてはいけません。
 『もう26年も経ったのか』正直な感想です。本校にも,まだ生まれていなかった先生がいます。金曜日(15日)には避難訓練を行いましたが,その日は職員室でも自然と当時の話になりました。会話に参加していた者は既に教師として働いていましたが,当時の勤務校は皆バラバラです。しかし,その時に感じたり生徒に対して話したりしたことは共通していました。ほんとうに興味深い話ですね。
 去年の避難訓練の際も話しましたが,当時は上の息子が2歳,下の息子は妻のお腹の中に居ました。大きな揺れを感じて飛び起き,妻と子どもたちが寝ている隣の部屋へ行くと,妻は四つん這いになって上の息子を守っていました。まだ20代後半で6歳下の妻を始めて“頼もしい”,“逞しい”と感じた出来事でした。その時,教頭先生の奥様はもっと若く,初めてのお子さんを出産されたばかりだったそうですが,同じようにされていたと聞きました。こういう緊急事態にはそのようにするのだとマタニティー教室で教わっていたのでしょうか。いえ,きっと母親の我が子を守ろうとする本能なのではないかと思います。
 緊急事態宣言が発出されたことで,避難訓練そのものを中止,或いは延期しようかという意見もありました。しかし,コロナウイルスによる感染が起こっていようと,そんなこととは関りなく地震をはじめとした災害は起こりえます。だから決行することにいたしました。その考えに反対する教職員は一人もいませんでした。また,訓練の様子を第3者の方に観て頂き,ご意見をもらう必要があると思って消防署の方には一人に限定して来てもらうことにしました。講評では,期せずして先に書いた通りのコメントを頂きました。「コロナウイルスの感染が収束せず大変な時ですが,だからと言って地震が起こらないということはありません。皆さんが真剣に訓練に参加をしている様子を観て感心すると共に安心いたしました。」
 地震の後に広がる火災,倒れた阪神高速道路,次第に明らかになっていく神戸市をはじめとする街の惨状,初めて知った液状化現象,TV画面の右上でドンドン増え続ける犠牲者の人数…,せめてこの日には思い出し,学校や家庭で子どもたちに伝えていかなければなりません。滋賀県から左京区に至る「花折断層」は,いずれ近いうちに動くと予想されています。その地震の規模はM7.5,上京区の震度は7になるだろうとも言われています。その時に,阪神淡路大震災の教訓を活かすためにもです。

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「晴れの日」
 今年度最高の寒波が日本列島を襲っています。京都市も最低気温が−3度以下になり,庭の手水鉢の水も見事に凍り付きました。3学期が始まって1週間が過ぎて3連休を迎えています。その3日目が「成人の日」です。
 さて,グーグルで“晴れの日”と検索を掛けてみると,そのトップに「多くの人から注目されて光栄に感じる日。待ちに待った,その人の人生において記念すべき日。人生でただ一度になるだろうめでたい日」と書いてありました。
 成人を迎える人たちにとって,将に成人の日は「晴れの日」です。毎年,晴れ着に身を包んだ新成人たちが街にあふれ,何とも言えない華やかさと賑やかさを感じる日です。しかし,新型コロナウイルスは「成人の日」さえ変えてしまいました。京都市が主催する成人式は開催されるようですが,おそらくその内容は縮小されるのではないかと思います。参加者も感染拡大防止に留意する必要があるでしょう。
 例年この日の夜には楽しみがあります。どの学校の卒業生も初めての同窓会を企画するからです。校長として初めて赴任した花山中学校の卒業生たちは学年の先生方と一緒に私まで呼んでくれていました。5年の年月を経てすっかり大人になった卒業生に会うのが嬉しく,今年も楽しみにしていましたがどうも同窓会は出来なさそうです。
 京都市情報館のトップに今年度の成人式のことがアップされています。
 京都市では,参加者の方が,この日のために感染予防や参加準備を進めてこられているなかで,感染拡大の状況を踏まえて,主催者として実施や延期等様々な意見のあるなかで十分に検討を行い,新成人の自覚と責任感を信頼し,一層の緊張感をもって,徹底した感染症対策を行うことで,予定どおり開催することを決めました。
 また,感染防止についても「少人数でも式典前後での飲食を控えること,式典終了後は速やかに帰途についていただく…」と言及しています。新成人の若者たちもその内容を理解し,協力してくれることと思っています。
 5年の月日は大きいです。ほとんどの卒業生は大学生になっていますが,中には社会人としてバリバリ働いていたり,親になって子どもを育てている人が居たりもします。どの卒業生も立派に成長し,自らが選択したそれぞれの道を歩んでいる姿を見ると,教師になってよかったなと思ったりもさせてもらえます。
 今年度は,向島中学校の卒業生たちからビデオメッセージを依頼されました。先生方からのメッセージをユーチューブを使ってみんなで共有するのだそうです。便利な時代になったものですね。卒業生たちに会えないことは残念ですが,彼らが未来に向かって歩み続ける姿を応援する気持ちは例年と変わりありません。
「みんなぁー,げんきかぁー! ええか,頑張って生きていくんやでっ!」

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「3学期を迎える生徒たちへ」
 11日間の冬休みが終わりました。もちろん,3年生には休養どころではないことは十分承知していますが,生徒たちや教職員は十分なエネルギー補給ができたでしょうか。私はといえば,1月3日には家事中心の生活に飽き,『早く学校が始まってほしいな!』と感じ始めていました。家族からは『悲しい性やな!』と笑われていたのですが…。
 さて,始業式で生徒に向けて話した内容をここに書き留めておきたいと思います。学年別に現状と展望とを話しました。要旨を綴ります。
 まずは、1年生です。一生懸命に頑張ることの面白さと楽しさ,一生懸命がカッコいいということ,そして,小学校とは違う自分たちで作る中学校の授業や行事の楽しさを知ってくれました。学年の人数は少ないですが,リーダーとなって頑張る人の数が多く,その人たちが学年の良いムードを作り出し,先生方との信頼関係の中で全体として“やる気”に満ちた積極的な学年になっているように思います。今後も,何ごとにも本気で向き合い,しんどいことも楽しめる学年に育ってほしいと思います。
 次に2年生です。何とも言えないよい雰囲気が学年全体にあります。そりゃあ,そうでない場面もあるでしょうが,嫌な空気をかき消すような新鮮で柔らかい空気を作り出す力がこの学年にはあるように思います。是非「京都一の学年」に育ってほしいです。本気で目指してほしいと願っていますし,実現するのではないかとも思っています。3学期には,修学旅行や3年生を送る会に向けた取組が本格的に始まります。コロナの影響でその内容は変化するかもしれませんが,君たちにはそんなことも関係ないように思えます。与えられた環境で最大限の楽しみや喜びを生み出し,それを享受できる学年だからです。更なる成長を大いに期待します。
 最後に3年生。コロナの影響を最も強く受けた学年ですが,それでも負けない君たちから,私たち教職員の方がエネルギーをもらったくらいです。
 学習も行事も,忙しい中しっかりと頑張ってきました。特に,修学旅行の取組は秀逸でした。時間がない中であれだけの取組ができたことは,君たちだけでなく私たち教職員の自信にもなりました。また、部活動もしっかりとやり遂げました。今年は引退の時期が変則でしたね。新たな形にも見事に対応してきた皆さんの柔軟さが最も強く観られたのが部活動だったかもしれません。あと3か月,素敵な思い出をたくさん作りましょう。教職員もお手伝いをしますが,よい思い出を作るのはあなたたち自身だということを忘れないでください。ここまで頑張れた君たちならきっとできると信じています。そして,3月15日,感動的な卒業式を迎えましょう。
 登校日だけだと3学期は50日ほどしかありません。おそらく“あっ”という間に過ぎてしまうのでしょう。何事にも挑戦する気持ちをもち,立ち向かうことでより充実した日々が送れるはずです。さあ皆さん,今年度のラストスパートです。

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「2学期が終わります」
 長い2学期が今日で終了します。生徒,教職員のみなさん,本当にお疲れさまでした。本校でも一人の生徒が新型コロナウイルスに感染してしまいました。コロナの危機が身近に迫っていることを痛感しています。また,現在も学校に来れていない人たちのことを思うと心苦しい限りです。こう書くと,感染した人が悪いようですが決してそうではありません。今の状況をみると,誰にでも感染のリスクがありその人に全く責任がないということは当然です。現在,その生徒は自宅で療養していますが,幸いひどい症状は出ていないということです。3学期になれば登校してきますが,その生徒が普通に学校生活を送れるよう,全校生徒や保護者の皆様方のご理解とご協力をお願いします。
 さて,この件に関して2つのことを書き留めておきたいと思います。
 一つめは,感染した人に対する誹謗や中傷の声が私のところまで一切届いてこないことです。このことから,二条中学校の生徒と保護者・地域の皆さまの人権意識の高さと仲間や地域の子どもを大切に思う気持ち,人間としての気高さを感じています。
 もう一つは,臨時休校を行った翌朝のことです。当日,私は校門に立つ際,色々なことを考えました。『「校長先生,感染したのは一体誰なんですか?」と訊かれるかもしれないな』と思いましたし,『迷惑そうな雰囲気で登校してくる生徒が居るかもしれないな』とも思いました。そのような中,先ず驚いたのは,保護者の方がお一人,私よりも先に校門に立って「おはよう!」の声を掛けて登校してくる生徒を迎えておられた姿です。「学校が大変だろうと思い,少しでも励ませたらと思って来ました。」その方はそう話されました。「ありがとうございます!」一言お礼を述べるのが精一杯でしたが,心の底から湧き上がってくる喜びと感動でそれ以上言葉が出なかったというのが事実です。また,登校してくる生徒たちは,普段と全く変わらない様子でした。私の「おはよう!」の声かけに,いつもの通り「おはようございます!」と笑顔で返してくれました。中には,私が声を掛ける前に大きな元気な声で「おはようございます!」と挨拶をしてくれる生徒たちもいました。「君たちの普段と変わらない様子がメッチャ嬉しいわ!」何度かそんな言葉を発したほどです。生徒たちが何も感じていないはずがありません。色々なことを思ったうえで普通に振舞うのがよいと判断しての行動だと理解しています。そのお陰で多くの者の気持ちが楽になりました。
 まだまだ感染の心配がなくなった訳ではありません。特に,3年生はこれから入試本番に向けて頑張らなければならない時期を迎えます。みなさん,これまで以上に感染防止対策をしっかりと行っていきましょう。
 2学期は本当に忙しかったですね。明日から11日間の冬休みに入ります。長くはありませんがまとまったお休みです。是非とも普段できないことに取り組んでください。新しい年,十分にエネルギーを補給した皆さんに会えるのを楽しみにしています。

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「自慢の生徒と教職員」
 本日はお忙しい中ありがとうございました。澤田先生の元気なお姿,生徒さんのいきいきとした発表を見れて,元気をもらって帰りました。澤田先生が今年が最後なんて信じられません!二条中には70周年の時にも行かせていただきましたが,今日も前回同様,ホントあったかい雰囲気が,どの先生方からも,生徒さんからも伝わってきました。なんか「アウェイ」な感じがしませんでした。春日丘の先生もおっしゃってましたね。
 普段,通ってない者がそう感じるってことは,生徒さんにとっても居心地がいいって事じゃないかな,と思いました。澤田先生が「二条中の先生方は,僕が作った設計図にこたえてくれる」と仰っていたのが,なるほど!と思いました。二条中の先生方が,またいろんな学校でリーダーとなって活躍されるんだろうなぁ,と思いました。(発表されてた女性の先生とか。。)楽しみですね!
 みんなの前で自分の意見を発表でき,それを聞ける,受け入れられる二条中の生徒さんはステキですね。こういった心に基盤のある生徒さんは,高校や大学へ行っても,社会に出てからも,きっとそれぞれに自分の良さを発揮し,活躍をされる事と思います。楽しみですね!長々と失礼しました。 
                           では,また!!
 「学習発表会&研究報告会」の翌朝に届いたメール文をそのまま掲載しました。この人とは,教育委員会に勤務していた頃に一緒でした。当時はまだ若い係員でしたが今は女性の係長さんになっておられます。私が観てほしいところ,感じてほしいところに気づいてくれていて,本当に嬉しいです。
 手前味噌ですが,このような感想をもってくださった方は少なくないのではないかと思っています。多くの学校の研究発表会では,これほど生徒が活躍する姿を見ることはできません。ましてや,研究報告を受けて生徒が感想や意見を述べるなんてほとんどないことです。そんな生徒を誇りに思いますし,生徒をそのように育ててくれている教職員を頼もしくも感じます。当日,会場で生徒の活躍する様子を嬉しく観ましたが,同時にそれを優しく嬉しそうに見守る教職員の姿を何とも言えない幸福な気持ちで観ていました。
 研究発表会は学校の総合力が問われます。生徒と一緒に何か(例えば二条中人権宣言)を作り上げる者や来校者の前で話をする者が目立ちはしますが,メカニックの面で活躍する者,会場図や教員配置を考え整備をする者,本校でいえば難聴学級の生徒に対する情報保障に関わる者など,全部が上手く機能しなければ成功はしません。だからこそ,研究発表会で学校組織づくりができるのです。二条中学校の研究発表会は校長として自慢できるくらい質の高いものだと自負しています。また,それを支えてくれている教職員と彼らを信頼して指導に従っている生徒たちは私の自慢です。

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「発表会の意味」
 今週末に「研究授業」そして,来週には「学習発表会」と「研究報告会」を控え,昼休みと放課後の学校が忙しく動いています。直接生徒に関わる教職員には大変忙しい思いをさせて申し訳ない気持ちでいる一方,生徒から少し離れたところにいる自分を寂しく感じてもいるところです。
 先日,午後10時になろうとしている職員室で若い教師が二人で報告集の内容について協議していました。そういえば,研究活動に一生懸命だった頃,こういう時間帯に議論し合ったことが楽しかったのを思い出します。
 さて,「研究授業」についてです。「普段通りの授業をすればよい」と聞くことがありますが,私はこの考え方には反対です。研究授業なのですから,この時にしか取り組めないようなことに挑戦すべきです。そして,参観者に何らかの提案をしたり,参考にしてもらったりできる授業でなければなりません。明日の4本の研究授業が参観者を唸らせる内容になっていることを願っています。
 「学習発表会」についてですが,これは重大な取組であると考えています。というのも,多くの学校の総合的な学習の時間は,調べ,まとめたところで終わってしまっている現状があるからです。自分(たち)まとめた内容を発表(表現)する場が是非とも必要です。対象は同学年の生徒は勿論のこと,保護者や地域の皆様,そして後輩であることが望ましいと考えます。発表を聞いた人から評価を得ることが生徒を成長させます。「素晴らしい!」「すごいね」「よくここまでやったね!」などと言ってもらえたら,生徒の自尊感情が一気に高まるのです。本校の発表会の場合には,他府県からの来校者や外国人の先生から評価をもらうことも多いですが,これがまた生徒の自尊感情を上げ成長を促進します。
 本校の「研究報告会」はその場に生徒が居ることに一番の特徴があります。生徒の課題とそれを克服するための取組,取組の過程を教職員と生徒とが共有することを目的として実践しています。学校の研究に対して「生徒を実験に使うな!」と批判する教師や保護者がかつては居ました。課題と取組とを共有することでこの批判は受けなくなりますし,何よりも,教職員だけでなく,生徒も一緒に目的をもって教育活動に取り組めることは非常に大きな利点です。
 学習発表会に向けて生徒たちが作成したCM動画の中で生徒が「学習発表会がない中学校生活は面白くない」と言っていましたが,自分たちの現状を知り,進むべき未来を見据えるという意味からもそう感じているのだと思います。
 生徒と共につくり上げてきた学習を生徒の更なる成長のために発表する場面,それが学習発表会であり本校の研究報告会です。準備は大変忙しいですが,それだけの価値がある取組だと思っています。教育関係者の皆様,保護者・地域の皆様,今年も二条中学校の学習発表会と研究報告会を楽しみにお越しください。

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「“二条丸”本格始動」
 自宅の庭の山茶花が咲き始めました。今年も本格的な冬の訪れとなったということです。それにしても,椿や山茶花など,冬に咲く花を本当に「逞しい」と感じます。多くの樹木がその葉を落とすこの時期に美しく咲き始めるのです。この先には雪を被ることさえあり,その時には雪の白と花の赤とのコントラストが誠に美しいです。厳しい自然の中で逞しく生き続ける植物の美しさを感じます。
 さて,「冬テスト」が終わり,本格的に学習発表会の準備に向かう時期となりました。もちろん,学習と研究は春から続けてきているのですが,発表に向けてそれらをまとめなければなりません。研究部,とりわけ研究推進委員会に所属する教職員には,それでなくても忙しい学期末に特にたいへんな思いをさせて申し訳ないと思っています。しかし,それ以上に,生徒の活躍と成長を願って一生懸命に取り組んでくれている姿を校長として嬉しく誇らしく感じています。
 「何のために研究をするのか!?」時々そう問われます。もちろん,生徒に力をつけるため,生徒の力を伸ばすためです。目の前の生徒を見つめ,その課題を明らかにし,課題解決のための取組を考え,時間をかけて粘り強く全教職員で取り組むのです。全教職員で取り組むことで,加速度的に成果が表れます。生徒の成長が教職員の喜びと満足感となって返ってくるのです。
 実は,もう一つ目的があります。こちらはヒドゥン・パーパス(隠された目的)とでも言ったらよいのでしょうか,表には出てこないものです。教職員はそれぞれに個性や能力が異なります。得意とする分野も目指す教育観も異なっていて当然です。しかし,各々が自分勝手に信じる教育観で実践を行っていては,“学校という乗り物(船としましょう)”は上手く進みません。船長が目指す方向と各々の役割を明確にし,乗組員全員が協力して取り組むことで,より速くより快適に航行することができると考えます。大きな船になればなるほど,部署ごとの役割はより大切になってきます。海図を頼りに舵を握る者たち,エンジン部分を担う者たち,乗組員の健康と安全を見守る者も必要です。それらを連携し統括する役割は特に重要です。乗組員が互いの役割を認め合い,その働きを尊敬し合うことで,彼らは団結していきます。
 今年度は,新型コロナウイルスの関係で,研究が思うように進められませんでした。昨年度末に受けた「文部科学省の指定」という冠がなくなったことも少なからずショックでした。その状況下,研究そのものを止めるという選択肢もありました。しかし,本校の教職員はそうはしませんでした。コロナ禍にあろうと,生徒が登校する以上教育は続けなければなりません。そうであるならば,教職員全員で目的を明確にして進むのが本来の姿勢であると判断した結果です。
 私の誇りとする生徒と教職員との共同制作による学習発表会・研究発表会に向けて,本格的に“二条丸”が動き始めます。

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「授業づくりと喜びと大切さ」
〇 自分自身を振り返ることが全然なかったので,今日のような道徳の授業が受けられてとてもよかったです。帰って子どもにも話をしたいです。「聴」心に響きました。ありがとうございました。
〇 親子の関係,父と私,私と娘のことについて改めて考えることができた。これが正解というものはないが,少しでも相手の立場にたって物事を考えることが大切だと思った。父が認知症を患っているが,少しでもやさしく接するようにしたい。
 10日(火)に行った保護者道徳の感想から拾いました。保護者対象の道徳は久しぶりに取り組みました。元々は,校長として最初に赴任した学校で講演を頼まれ際,「一方的に話すよりも,授業形式にして保護者の方の意見を繋ぎながら進行する方が,参加者の方は満足されると思います。」ということで始めました。今回もその手ごたえを感じています。それにしても授業づくりは楽しいです。
 いつもうまくいくとは限りませんが,手ごたえを感じることができた場合は楽しさは倍増します。『準備に時間をかけてよかった!』と思いますし,『また,次も頑張ろう!』という気持ちにもなります。
 思えば,私たち50代の教師にとって,授業づくりの工夫は絶対条件でした。というのも,私たちが教師になった頃は全国的に中学校が“荒れ”の状況にありました。荒れる中学生を前にして,彼らを引き付けることのできる授業をつくることを工夫しました。生徒にとって「面白くない授業」「分からない授業」は必ずと言ってよいほど荒れました。教師の話に耳を傾け,黙ってノートをとることのできない生徒が教室の中に数人いるという現実の前で,『自分の授業を荒れさせない』,『教室から生徒を出させない』その思いで教材研究をしたことを思い出します。ネタを考え,指導方法を工夫しました。今でこそ「生徒が活躍する授業」と言いますが,当時の私たちにとっては,そうしなければ50分間の授業が成立しないため,生徒を話し合わせたり調べさせたり発表させたりして,生徒を動かす工夫は必然だったと思っています。アクティブ・ラーニングとか「主体的・対話的で深い学び」とか言われて数年になりますが,幸か不幸か,荒れる中学生を前にして取り組まざるを得なかった教育上の様々な考え方や手法が,今まさに話題性をもって論じられていることはとても興味深いです。
 授業づくりは教師が最も大切にしなければならないことです。授業が上手い先生は,必ず生徒指導も上手です。生徒の心を上手く掴む先生は,授業の中で生徒指導をします。学力をつけること,或いは伸ばすことと,生徒指導とは決して別物ではなく,同時に行われるべきであって,十分に出来ることだと思っています。
 保護者道徳は,授業づくりの喜びと大切さを思い出させてくれました。

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「変わらないこと」
 小学生だった頃,高校野球の選手を見て『随分と大きな人たち』と思っていました。大学生になって,高校野球の選手たちが年下になったことに気づき驚きました。社会人になり,いつの間にか大相撲の力士やプロ野球の選手たちも年下になったことに唖然とし,そして今やプロ野球の監督までがほとんど年下です。
 60歳を目前に控え,教育も随分と変化しつつあります。新型コロナウイルスは教育の在り方も変えました。先月,タブレット端末が学校にたくさん運び込まれました。来るべきリモート授業に備えるほか,普段の授業でも使ってよいということです。今後,これらの機器の有効活用ができない教師はどうすればよいのでしょう。
 今年も息子が通っていた高校のキャリアガイダンス講座に1時間の授業をしに行ってきました。もう10年以上続けています。私が受け持つ講座は,教師を目指している,或いは教師に興味をもっている生徒が選択しています。因みに,私の他の講師には医師や弁護士,ITやコンサルティング会社の経営者などがおられます。私の講座を選択する生徒は毎年少しずつ減っているのが実情です。教師という職業が“ブラック”だといわれるようになったのはいつ頃からでしょうか。そこで,授業の導入では次のような話をします。「教師という仕事は“楽”ではないけれども,“楽”しい。」
 部活動の指導などで休日もちゃんと取ることができない,家庭訪問や生徒指導で帰宅時刻が遅いなど,ネガティブな情報が多く伝わっているようですが,具体的な例を挙げながら,生徒の成長を見守りそれを助ける教師は,尊くやり甲斐のある職業であると熱を込めて話します。昨日,受講生からの感想が送られてきました。読むと,元々教師に興味をもってその講座を選択している子たちなので,私の話の内容は生徒たちの心にしっかりと届いたようです。幾つか質問も寄せられていたので,私なりの答えを書いてメールで返信しました。一つ紹介します。
Q:「怒ったら怖いけれど私達の事を考えてくれる」と思われる先生になるには?」
A:徹底的に生徒のために頑張る先生でいるしかないと思います。1回や2回の指導や取 組で分かってもらえるものではありません。“怒ったとき”で判断されるのでもなく, 普段の授業や指導の仕方,生徒との付き合い方など,その人の教師としての生き方全体 から徐々に分かってもらえることです。時間が掛かるけれども,それ以外の特効薬はないと思います。
 時代が変わろうとも変わらないものがあります。教師を目指す若者の気持ちもそうですが,教育の根本である「人との接し方」もその一つです。新しい教師が実力を付けていくには生徒に向き合い,共にもがき,時に苦しみながら経験を積む以外にはないのです。いつまでも生徒と共に生活する教師で居たいと思っていますし,若い人にも是非そうであってほしいと願っています。

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京都市立二条中学校
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