京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「ようやく夏休み」
 京都市内の中学校で新型コロナウイルスの感染者が出ました。『いずれはその日が来るのかもしれない』とは思っていましたが,いざ現実になってみると複雑な心境です。これを“対岸の火事”とみることなく気持ちを引き締めて参ります。また,感染した生徒が一日も早く回復することと,回復した暁には安心して登校できる環境を整備してあげてほしいと願っています。
 さて,長い長い1学期が終わります。敢えて“長い長い”と書きました。実際には4・5月は休校で,生徒と過ごしたのは6・7月の2か月間です。しかし,休校の2か月間は,生徒もそうだったでしょうが,教職員にとっては身体よりも心にかかる負担が思いのほか大きかったです。刻々と変化する社会状況の中で学校もまたそれに振り回されました。時には「朝令暮改」というようなこともあって,腹が立ったり悔しい思いをしたりもしました。近所のおばさんに「学校が休みになって楽でいいね。」などと言われると“ムカッ”としたり,「コロナで学校も大変やね。」と言われると「そうでもないですよ」と言いつつ,心の中で“ありがとう!”と言ったりしていました。
 学校が再開されて2か月間,夏休みを迎える今の時期になって感じることを思いつくままに挙げていきたいと思います。
 まず,ようやく生徒との関係が普通になってきたと思っています。しかし,全員がマスクをつけているので表情が分かりにくくて困っているのと,特に1年生に関しては例年に比べて名前を覚えるのが遅くなっています。ごめんなさい!
 次に,部活動に関してです。春季大会に続いて夏季大会までも中止になって運動系の部員や吹奏楽部員の嘆きと悔しさはいかばかりでしょうか。生徒の応援に走り回ることや生徒の輝く姿を見ることができず,誠に残念な思いでいます。去年や一昨年なら,男バスや野球部の応援に宮津や舞鶴まで行ったなあと改めて思い出しています。また,今年度は教師としての最終年度なので,府大会,近畿大会,そして全国大会と,昨年度の全国大会を実施した際のお礼も兼ねてすべての大会に顔を出すつもりでいましたが,これらの大会も全部中止になって,それも実現できませんでした。
 また,修学旅行や体育大会,休日参観などの1学期に行うはずであった諸行事を秋に延期したことで,秋のスケジュールが過密になって,『ホントに全部滞りなくできるのだろうか!?』という不安を感じたりもしています。
 色々な思いをもって例年よりも10日間ほど短い夏休みに入ります。
 生徒や教職員には是非ともゆっくりと心身を休めてほしいと思います。私も,そうさせてもらいます。学校のことを全て忘れるなんてことはまずできませんが,それでも,出来る限りそうして来るべき2学期に備えるつもりです。生徒・教職員の皆さん,保護者・地域の皆さん,どうぞ素敵な夏休みをお過ごしください。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「雄姿をみせてくれ!」
 例年なら,今頃は朝からバイクで京都市中を走り回っています。それこそ分刻みで試合の応援に行くのです。メッチャクチャ忙しいけれども何とも言えず楽しい数日間です。ところが,今年度は春季大会に続いて夏季大会まで中止になってしまいました。全国大会へと続く吹奏楽コンクールも同様です。これらを目標にして活動してきた部員たちの嘆きと悔しさはいかばかりでしょうか。
 これまで何度か本校を訪れたこともあるオーストラリア人の友人キース氏は,コロナウイルスの話をすると決まって“クレイジー”という単語を使います。彼は6月に四国へお遍路の旅に出る予定でした。楽しみにしてくれていた「浴衣パーティー」や「二条城北小学校での夏祭」「ゴルフコンペ」なども悉く中止になりました。また,年に一度の帰国も叶わなかったと,両親の心配をしながらここでも“クレイジー”を連発しながら嘆いていました。
 中体連を含め,現場で中学生に寄り添ってきた者たちは,何とか引退のけじめになるような代替試合や代替コンサートができないものかと模索してきました。コロナ感染拡大が終息しない中で,中体連の主催という形では秋以降に3年生が出場できる試合(公式戦)を計画してもよいことになりました。しかし,進路を控える3年生の多くを秋まで部活動で引っ張ることに対する心配もあって,競技によっては今の時期に代替の(練習)試合を計画しています。また,部によっては,秋の公式戦には出場せず,練習試合を行ってそれを引退試合に替えるという決断をしたりもしました。もちろん,選手たちとじっくり話をし,保護者の意見も聞いた上での決定です。試合では,もちろん選手は公式戦のユニフォームを身につけます。
 今日は女子バスケットボール部とテニス部のそんな試合が行われるので楽しみに応援に行くつもりです。女子バスケットボール部は人数不足から廃部の危機もありました。昨年度,入部してきた3人の1年生をメンバーに加えて新人戦を戦い,予選リーグを1位で通過するなど,予想以上の健闘を見せました。その後も,まじめにそして熱心に練習を積み重ねてきたのに今年度になってのコロナ禍です。6月には多くの新入部員が入って,部に勢いも出てきました。しんどい状況を乗り越えてきた3年生には,是非よい思いで引退をしてほしいと願っています。一方テニス部ですが,3年生には一つ上の先輩がいません。入部の年に顧問の先生が新しくなり,熱心に指導されてきました。対外試合も沢山経験してきました。昨秋の新人大会では今春のシードを獲得するペアも出て,他校から注目される部になったといってもよいかと思います。団体戦か個人戦のどちらかででも,是非上位入賞を果たしてほしいと願っています。
 選手の皆さんがキラキラと輝き,大いに躍動する雄姿を目に焼き付けておきたいと思います。『思い切りやった!』そう思って引退してくれることを願っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「目標に向かう計画と流れ」
 いつの間にか,朝からセミがかまびすしく鳴いています。雨が激しく降る日が多かったので気づきませんでしたが,7月中旬といえばもう真夏です。
 今年度は,新型コロナウイルスの関係で学校の一年間のサイクルが大きく乱されてしまいました。加えて7月の大雨続きの低温によって例年とは随分異なる気候です。実は当初の予定では今日が終業式で,本来なら明日から夏休みを迎える時期なのに,既にそんな意識まで失ってしまっています。
 さて一昨日,立命館大学4回生の岩本心さんを迎えて3年生が話を聴きました。彼女は,「世界で最も貧しい大統領」といわれたウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ氏に一人で会いに行ってインタビューをした経験を話してくれました。元々,「世界の平和」や「そのための人類の協力」に興味をもっていた彼女は,大統領当時のムヒカ氏の「貧富の差がなく,生まれた時には皆が同じ権利をもてる世の中にしたい」という演説を聞いて感動。是非本人に会いたいと一人旅を決断します。ウルグアイに行ったこともなければ,スペイン語もままならない状態です。何の“つて”もないまま現地へと向かい,出会う人々の協力を得ながらムヒカ氏の自宅に辿り着きます。若い女性の一人旅です。無謀とも思える行動ですが,その決断力と行動力には本当に驚かされました。
 毎年3年は,総合的な学習の時間のテーマを「平和学習」として取り組んでいます。一昨日の講演会もその一環として設定されました。
 これまでの3年は,沖縄への修学旅行に照準を合わせて,先ずはその事前学習,次に実際に現地を訪れてガマ体験や語り部さんの話を聴く,更に学習してきたことを文化祭で平和劇にして表現する,そして,学習発表会で自分たちが学んだ内容をまとめて発信する,という方法で学びを継続して深めてきました。
 一方,今年度の3年生は「世界の平和」に目を向け,そのためには人類の協力が不可欠であることを知ります。そして,貧困の問題に焦点を当て,豊かな国の人々が貧しい国の人々に対して何ができるのかを考えたり,そもそも「本当の豊かさ」とはどういうものなのかを考えたりしているようです。
 生徒の反応を見ると,岩本さんの夢や決断力,行動力の方に目が向きがちだったようでしたが,「本当の豊かさ」についてもしっかりと考えられたと思います。
 2年では,先日行った学年道徳の教材『一冊のノート』を代表生徒たちがシナリオにしました。一昨日,それを読ませてもらいましたがなかなかの出来栄えです。文化祭当日の劇が観えてきたように思います。1年もまた,一昨日,グループに分かれて二条城の散策に行きました。どの学年も着々と学習を進行しつつあります。
 今後の各学年の総合的な学習の時間が,それぞれの目標に向けてどのように計画され流されていくのか,とても楽しみにしています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「言葉が要らないときもある」
 九州の各地,特に熊本県で豪雨による被害が大きくなっています。先日来,幾度も球磨川が氾濫する様子がTVで放映されています。一旦大きな河川が氾濫し始めると,アッという間に家々が水に浸かり,自動車が流されるまでになるのかと,改めて自然の力の大きさと恐ろしさを感じています。また,今回の災害でも多くの人命が奪われました。亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに,現地の一日も早い復興を願うばかりです。
 さて,毎月小冊子が学校に届きます。読者からの投稿が多く掲載され,道徳の教材として使える作品も少なくないので,時間のある時には目を通しています。今月号に掲載されている沖縄県の中学生の作品を紹介します。
「アイスクリーム,食べに行こうか」
            津嘉山理人(沖縄尚学高等学校附属中学校1年)
「ヨッシャ―,優勝」      
 サッカーの大きな大会で僕のチームが県大会で1位になった。念願の九州大会だ。飛行機や宿泊先のことを考えると,興奮したものだ。しかし,その夢はある日,一気に崩されることになった。 九州大会派遣のメンバー発表の時,県大会ではずっとメンバー入りだった僕が外された。名前を呼ばれなかった。間違えていると思って聞き返したが,僕の名前は最後まで呼ばれることはなかった。予想だにしてなくて,不意打ちで起きた地獄だった。
 練習がおわり,母が迎えに来てくれた。車に乗った瞬間涙が流れてきた。
「メンバーに選ばれなかった」母にそう伝えると,いつもはしつこいくらいに質問攻めの母が何も聞かなかった。「アイスクリーム,食べにいこうか」夕食前にデザートを禁止にしている母がアイスクリームに誘ったのだ。僕は席につくなり,ずっとうつむいていた。アイスクリームを食べた母が,「おいしいね」といった。僕は,「こんなときに何だよ」と思い,顔を上げ,母を見ると,今にもこぼれそうなくらい目に涙をためている母がいた。しばらく沈黙が続いて母が話し始めた。「どんなに頑張っても,思い通りにならないことってあるんだよ。でもね,何度くじけても何度でも頑張れる力が,とっても大切。そういう人間になってほしいな」と。僕は,「うん」と,だけ答え,残っているアイスクリームを口いっぱいに頬張り,食べた。
 自分のことのように涙を流す母に感謝した。そして,母の偉大さを感じた。僕はこの経験を胸に,努力し続ける人になると強く思った。
 子どもが傷ついたとき,慰めとようとしてやたらと多く言葉を掛ける教師や親がいます。その点,この文章に出てくるお母さんの対応は素晴らしいと感じました。言葉は少なくとも,お母さんの気持ちは十分に息子に伝わっています。教育や子育ての場面でこの様な状況は少なくありません。大いに参考にしたいものです。
※〜「PHP」2020年8月号より〜


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