京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「満足と充実の笑顔」
 前の学校が終わり、舞台が暗転します。本校の部員がそれぞれの楽器をもって入場してきました。緊張しつつも“やる気”を感じさせる表情と動きです。顧問の先生が中央で指示を出しながら見守ります。『ええぞ!表情が柔らかい。』顧問の先生(指揮者)の緊張感が部員(演奏者)に伝わってしまうことが多いので演奏前のリラックスは大事です。
 楽器を並べ終え舞台に照明が入りました。指揮台の横で先生が客席に頭を下げます。拍手が起こります。指揮台に上がると拍手が鳴りやみ、静寂の中でホールが一瞬にして独特の緊張感に包まれます。先生がアイコンタクトで子どもたちに語りかけます。『いつも通りにね。頑張ろうね。リラックスだよ。さあ、行くよ!』子どもたちも無言で答えます。『先生、分かってるって。いつでもどうぞ。』先生と子どもたちとの頷き合いからそんな会話が聞こえてくるようでした。先生(指揮者)と生徒(演奏者)との信頼関係が十分に見られ、この場面だけで満足な気分になりました。
 課題曲が奏でられます。これまで何度も聴いてきた曲です。盛り上がる場面も,次にどの楽器が見せ場をつくるかも知っています。何とも言えない緊張が続きます。どうやら大きな失敗なく終了しました。
 続いて自由曲です。クラリネットのソロから始まります。クラリネットに鉄琴が寄り添います。この場面でソロを担当した人たちはもの凄いプレッシャーと闘ったことでしょう。見事に聴かせてくれました。次々と楽器が重なり合って入ってきます。美しい大きなハーモニーが広がっていきました。この曲にもそれぞれの楽器の見せ場がありました。各パートが確実に責任を果たしていきます。それに伴って演奏者たちが乗ってきたように感じました。身体や頭を揺らしてリズムをとります。そんな生徒が増えていきます。見ているこちらまで身体でリズムをとりました。気づけば、多くの観客が惹きつけられました。上出来です。細かなことを言えば何なりあったでしょうが、全体としてよく響いた美しく素晴らしい演奏でした。
 子どもたちがホールから出てきました。みな晴れ晴れとした表情です。これまでのこの場面では泣いている生徒が少なくなかったです。極度の緊張感からの解放と『やりきった』安堵感・満足感からの涙です。緊張感を大いに楽しみ、それを充実感へと変えられたとき、もう涙は出ないのだということを知りました。素晴らしい笑顔が弾けていました。“いいもの”を見させてもらったと思います。
 遅れて先生も出てきました。満足そうです。子どもたちの笑顔の中に溶け合っています。この瞬間のために何時間の練習を重ねてきたことか。「お疲れさま。いい演奏やった。結果発表が楽しみや!」そう言って握手を交わしました。その微妙に力の抜けた手に、この瞬間を迎えることができた安堵感と充実感とを感じました。

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