京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/11
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「いま改めて」
 約2か月に一度散髪に行きます。私の通う床屋は,30年以上前の教え子のお父様が営んでおられます。「先生,一回うちの店に来てよ!」そう言われて初めて行きました。仕事が丁寧で,細部にまでこだわってされます。そこが気に入って,私の頭は以来ずっとその店でしてもらっています。
 私を店に誘ってくれた「お姉ちゃん」は,私の担当していた学年の2つ下の学年に在籍していました。運動能力が高く,何でも器用にこなす生徒で,あらゆる場面でそれはそれは活発な子でした。今は40歳を超えて,彼女の娘がこの4月に中学生になるそうです。彼女の妹は,テニス部に入っていたのでより深く関わりました。私が最も部活動に力を入れていた時期の生徒で,その学年の部員は6人と少なかったけれども,その6人で春・夏と連続で団体戦ベスト8に入賞した自慢のメンバーの一人でもあります。研究発表の日には,これらのテニス部の生徒を玄関の辺りに居らせ,来校される皆様に元気よく可愛らしい挨拶をさせていたことは楽しく懐かしい思い出です。
 私の二人の息子も高校生になるまでその店でお世話になりました。床屋の椅子のひじ掛けの部分に更に小さないすの両側を渡し,その上にチョコンと乗って頭を刈ってもらっている姿を懐かしく思い出します。その子たちは,よく部活動にも連れていきました。部員が女の子たちなので,二人の面倒もよく見てくれました。私の指導中は,息子たちの遊び相手も順番に決めてやってくれていました。
 妹の方は現在,お父さんの仕事を手伝ってこの店で理容師として働いています。シャンプーと顔剃りとブリーチを入れる作業をこの子にしてもらっているのですが,初めての日,彼女が「先生の顔を剃るのは,メッチャ緊張します。」と言って,共に笑い合ったことも今思い出しました。
 先日の日曜日,家族で出かけた帰りに床屋に送ってもらいました。上の息子と妻も一緒です。二人はご主人と下の娘と久しぶりの再会です。特に息子は私よりも身長が高いので,二人ともビックリされていました。娘の方が「あの頃の先生に会ったような気分です。」と言った言葉が今も心に残っています。
 散髪を終えて帰る際,その日は店の外まで2人が出て来られました。
「先生,少し早いですが,長い間のお勤め,ご苦労様でした。」2人が深々と頭を下げてそう言われました。私が今年定年を迎えることをご存じです。次に店に来るのは4月になるだろうということを予想しての行動だとも思います。一気に胸が熱くなりました。人から自分の状況を認識させられることってあるんだと思いました。定年を迎えているということはもちろん承知していますが,その実感はまだありませんでした。こうして認識し,徐々に受け入れていくんだろうと思います。
 あとひと月,私にできることを見据え,二条中のために精一杯努めます。生徒,教職員のみんな,保護者,地域の皆様,改めて宜しくお願いします。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「授業をつくる」
 昨日,久しぶりに授業をしました。2年生を対象にした道徳の授業です。もう何度も使ってきた教材で,開発した当時は新鮮で主人公のことを知らない生徒はいないような状態でしたが,今となってはそんな感覚はほぼなくなってしまいました。それでも,この教材にはまだまだ生徒の心を揺さぶり発言を促すような力があります。多くの生徒が思いを語ってくれました。
 「授業は生徒がつくる」「授業の主人公は生徒」これは当たり前のことで,全国の学校でそう言われています。しかし実際には,“話しているのは教師ばっかり”という授業が少なくないのが現実です。二条中学校に赴任して,生徒たちの行儀のよさにまず驚きました。そして,前で話す代表生徒の態度の素晴らしさや表現力の豊かさ,その内容の確かさに感心もしました。一方で,予め用意していた言葉で表現しているのを『もったいないな』と感じました。この子たちに授業の中で自分の想いを「自分の言葉と表現方法で語ること」の喜びを教えたいと感じたのはその時です。
 全校集会では,私が一方的に話をして終わらせるのではなく,その後に子どもを指名し,感想や決意を述べさせました。生徒たちは緊張感と興味をもって,「仲間の声を聴ける集会」に臨むようになったと思います。また学期に1度,「学年道徳」を担当させてもらいました。“生徒が自分を語るという授業の展開の仕方”を教職員に伝えたいと思って実践してきたつもりです。今ではそこから学び,アレンジを加えて自分のやり方で実践する教師が少なくありません。
 「生徒がつくる授業」,「生徒が主人公である授業」を続けていると,集団が高まります。集団が高まるとは,お互いがお互いのことを認め合い理解し合って,思いだけでなく知識や考え,理解の共有が始まり,より高度な考えや解答を求め出します。そうすると授業や学習が楽しくなり,授業に積極的に取り組むようになって,狭義の学力が高まるのは勿論のこと,集団の結びつき(絆)が固くなります。
 よい授業を見ると,その集団の中にいる生徒の表情が柔らかで,穏やかで,安心感に溢れています。先生の話や仲間の意見を聴くことが楽しいと感じられ,先生や仲間の声を共感的に聴き,照れや気負いもなく発言ができます。「教室は間違うところ」昔からよく聞きましたが,どうも納得できない言葉でした。しかし,よい授業の中では,生徒が間違いを恐れず発言をします。間違ったからと言って,周りから笑われたり批判されたりすることがないと知っているからです。
 授業づくりと学級経営とは切れない関係です。よい学級ではよい授業ができます。反対に,その学級を担当する教師集団が常によい授業を創造していればよい学級へと育ってもいくものです。授業づくりから集団づくりへと話が広がっていきました。
 久々に授業をして,有難いことに,改めて授業づくりについて深く考えることができました。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「還暦」
「校長先生,僕も先生と同じ誕生日です。」「へぇー,お前も60歳か?」「えっ,そんな…。13歳になりました。」1年生の男子との会話です(笑)。1年生はまだやっと13歳になったところなのですね。彼らの人生はまだまだこれからです。
 自分が60歳になるなんて,私の方は想像もしていなかった現実に直面しています。昨日の自分と比べても何も変わったところは感じませんが,10年前の自分,20年前の自分と比べると,確かに色々なことが変化しました。跳んだり走ったり投げたりの運動は,如実にその能力が低下しました。物覚えが悪くなり,物忘れも多くなりました。人の名前が“スっ”と出てきません。老眼鏡はもう何本ももっています。一方で,道端の草花や夜空の星に季節の移りかわりを感じたり,人と交わす挨拶や会話の内容が豊かになってきたりと,密かに喜んでる部分もあって,年をとることが悪いことばかりではないと思えたりもしています。
 さて,ついに還暦を迎えました。家族以外に本校の子どもたちや教職員からも盛大に祝ってもらい,大変嬉しい思いもしました。そもそも戦前の平均寿命は50歳に達していませんでした。還暦祝いの習慣は鎌倉時代に始まったらしいのですが,その当時の寿命はもっと短かったでしょう。だから,60歳の還暦は「長寿のお祝いとして」定着したようですが,今では「その人にこれまでの感謝の気持ちを伝えると共に,“これからもよろしくね”という気持ちを伝えるお祝いの場面」となっているようです。
 この際,還暦の意味について記しておこうと思います。「干支(えと)」という言葉があります。「今年の干支は丑(うし)」と言ったりしますが,正確にはこれは間違いです。干支は,甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の「十干(じっかん)」と,子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の「十二支(じゅうにし)」との組み合わせによって表されます。だから,「今年の干支は『辛丑(かのと・うし)』」というのが正しい言い方になります。ところで,10と12の最小公倍数は60で,同じ干支は60年に一度巡ってきます。つまり,『辛丑(かのと・うし)』の年に生まれた人は,60歳になったときにやっと干支が一回りすることになるので60歳を還暦と呼ぶのです。ああ,ややこしい。
 生徒会の取組で,「今年を漢字一文字で表現してください」という依頼を受けました。色々考えましたが「再」という文字を書いて提出しました。「再出発」,「再挑戦」などをイメージしています。干支を一回りして,今とてもフレッシュな気持ちでいます。
 今年度は,もう残り2か月を切りました。この間に生徒のため,教職員のため,保護者や地域の皆様のため,二条中学校のためにできることを考え,全力でそれに取り組みます。それが,還暦のお祝いをしてくれた皆さんへの恩返しだと思っています。

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「立春にあたって」
 今年の「節分」は1897(明治30)年以来124年ぶりに2月2日になったということで,TVや新聞で随分多く取り上げられました。「節分」とは四季を分ける節目のことで「立春」の前の日です。節分は2月3日だと思い込んでいたので,なぜこういうことになったのか調べてみました。
 立春,立夏,立秋,立冬などは,太陽と地球の位置関係で決まります。地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間は365日ぴったりではなく,それよりも6時間弱長いのだそうです。毎年少しずつずれていき4年で24時間ほどずれるので,4年ごとに「うるう年」を設け2月29日をつくってそれを解消しています。ところが,先ほど「6時間弱」と書きましたが,この「弱」の部分が問題になってきます。「うるう年」を作っても若干ずれたままです。それを修正すると,124年ぶりに節分が1日ずれたというのです。ところが,次に2月2日が節分になる年は124年後ではなく4年後の2025年だということです。このずれは400年で3日ほど起こるらしく,それを解消するのは2000年付近に多くなるのだそうですが,このあたりで理解不能になりました(笑)。
 さて,昨朝の登校風景のHPの本文にも書きましたが,全国的に教員を志望する若者が大幅に減少しているということです。理由には教師という職業の勤務条件の悪さが挙げられています。部活動等で休日の出勤があることのほか,生徒指導や保護者対応で帰りが遅くなることなどがその具体的な内容です。「わたしも教師になりたかったのですが,倍率が高すぎて断念しました」と,或るTVキャスターは語っていました。20年程前までは確かにそうでした。倍率が高かった頃は,「教職の魅力」について語られることが多かったのに,今はそれには言及されず「条件の悪さ」ばかりが声高に叫ばれているので寂しく感じます。
 二条中学校の様子を観ていると,生徒と教職員との関係は良好で,他校の教職員から羨ましがられるほどです。授業では新しいことに積極的に取り組んでおり,創造する喜びが感じられます。部活動にも諸行事にも生徒は一所懸命に取り組み,指導する教職員も一緒に楽しんでいます。保護者や地域の皆様も学校の応援団として暖かく支えてくださっています。難聴学級や総合支援学級,通常学級に在籍する支援の必要な生徒への特別な取組や全ての生徒に対して丁寧に指導する方針のために帰宅時刻が少々遅くなることはありますが,大いに遣り甲斐のある学校とみてよいと思います。
 冒頭に「節分」の話を書きました。「節分」というと,暦の上ではもう春です。今後は,高校入試から卒業式,修了式に向けて今年度の締めくくりを大切に行いながら,来年度の諸準備を始めなければならない時期です。
 可愛く大切な生徒のため,今後も二条中学校の教職員は緊張感をもって取り組んで参ります。教職に興味のある若者に本校の教職員のそんな毎日を見せたいくらいです

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