京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/11
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「本当は言いたくないこと」
 5日,5組のサマーキャンプが行われました。例年は花背山の家で行っている行事で,5組の生徒が全員参加します。卒業生も参加してくれて,一緒にカレーを作ったりスポーツを楽しんだりするのですが,何と言ってもメインイベントは「ミーティング」です。これは,5組の生徒たちが自分の聞こえの問題に向き合い,経験したことや感じた(ている)ことを綴った文章を発表し合う場面です。今年度のその場面で2年生の女子が次のように言いました。「本当は言いたくないこと,でも,この場面でみんなに知ってほしいこと。」
 不思議な表現だなとは思いましたが,私にはよく分かります。というのも,以前に同じような取組をしてきたからです。隠しておきたいようなことだけれども,皆に受け入れてもらったらすごく楽になる。そして,本音を打ち明けたこと,仲間の本音を聞けたことで,仲間同士の信頼関係(絆)が強まるのです。
 児童養護施設で生活していること,被差別部落で生まれ育っていること,父(母)親が居ないこと,外国籍であること,障害があること,そのことからくる不安や悩み,親や先生から兄と比べられて辛いこと,友達関係がうまく作れず困っていること,勉強についていけず進路が不安なこと,etc…。道徳や学級・学年の集会の場面で多くの生徒が語り合いました。そして,その取組が自然にそして盛んにできた学年は,男女の仲がよく,互いに思いやりがあって楽しく明るく,いじめや嫌がらせなどが一切ない集団へと育ちました。
 本校の研究主題の中に「仲間を信じて思いを語り合える集団をつくる」とありますが,具体的にはここに書いたような取組をすることなのです。以前に勤務した学校と比べると,二条中学校には様々な厳しい背景をもった生徒は少ないです。しかし,難聴学級の生徒をはじめ心身に障害がある生徒,外国籍の生徒,親子関係や友達関係の厳しい生徒は居ます。性的マイノリティーの生徒もいると思っておかなければなりません。その子たちが,自分のしんどさを安心して語れる場面をつくりたいと思っています。そして,ゆるぎない絆をもった集団に育てたうえで中学校を卒業させてやりたいと思って研究を進めています。
 5組の「ミーティング」にその可能性が見えました。それは手話劇の場面かもしれませんし全校手話コーラスを作り上げる過程で生まれるのかもしれませんが,5組の生徒たちが全校生徒の前で,彼らが自分たちのハンデについて堂々と語り,それを当たり前に受け入れることのできる集団をつくりましょう。そして,5組の生徒の語りをきっかけとして,多くの生徒が「言いたくないけれど,知ってほしいこと」を出し合えたら,二条中学校は一人ひとりの生徒にとって居心地の良い素晴らしい学校になります。私はそのことを既に十分に実現可能だと思っているのですが如何でしょうか。

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京都市立二条中学校
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