京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りに行こうや!』〜Catch the top !〜

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「頑張りと気遣い」
 今日は公立高校前期選抜試検の合格発表日です。ちょうど今,発表を見に行った人たちが3年の先生に結果の報告に来ています。昨年度からWEB上での発表も行われるようになったことから,私の手元には既に合否のリストが届けられています。圧倒的多数の人が合格するのであれば,私も校門のところで待っていたいくらいですが,残念ながら今日の結果は不合格者の方が多いのです。合格者に祝福の声を掛け,不合格者と今後の対策を練るのは3年の先生方に任せ,じっと校長室から見守りたいと思います。
 毎年,この時期には受検生に同じことを言いたいです。公立高校の受検は,次の「中期選抜」がメインだということです。私立高校入試で既に進路が決定した生徒がいるなか,更に今回の公立高校前期選抜で合格した生徒は進路を決定します。すると,本校では進路未決定の人が3分の1しか残りません。この状況で学習に対する強い気持ちを持ち続けるのは容易いことではありません。これまでの学校でもそうでしたが,中には,本来は第1志望のはずだった中期公立高校の受検を辞め,既に合格している私立高校へ進学すると言い出す人がいたりもします。勿論,当初から『前期選抜で不合格だった場合には私立高校へ行く』と決めている人はこの限りではありません。
 3年では“受験は団体戦”というフレーズがよく使われます。まさにこれからこのことが試されます。既に進路を決定した人たちが,これからメインの受検を迎える人たちのために最高の受検ムードを持続させてこそ,二条中の3年がチームになって団体戦を戦うということなのです。
 さて先日,ニジョランをしていた時の話です。私はいつも同じペースで走っています。若い人に抜かれることが多いですが,ムキになって抜き返そうと思うことはありません。ただ,楽しくマイペースで走ります。たまに,前を走る人の背中がだんだんと迫ってくることもありますが,その時もペースを変えることはありません。
 その日,私の前を走る人は,私よりも10歳程上の人のようでした。決まった呼吸を刻んでおられます。背中がだんだん近づき,やがて抜きました。ただそれだけのことだと思っていたところ,10分以上も経ってでしょうか,先ほどの息遣いが背後から聞こえてくるのに気づきました。あっという間に追い抜かれ,先ほどの人だと分かりました。そこから約半周走った辺りで,その人は整理運動をしながら私を待っておられたようです。「有難うございました。久々に全力で走りました。キツかったです。」
 何か思うところがあって私を抜き返そうと思われたのでしょう。でも,その後の「有難うございました」が実に清々しく響き,私には悪い気がしませんでした。
 これから3月6日の中期選抜までの期間,個々の頑張りとともに,周囲への配慮ができる3年の集団であってほしいと思います。
 3年のみんな,がんばれ!

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「春を夢見て」
「さざんか・さざんか、咲いた道、たき火だ・たき火だ、落ち葉たき」
 冬に咲く花として有名な山茶花。我が家のそれもそろそろ“終わり”に近づいてきました。毎朝、落ちた花びらの掃除が大変です。6時前からチリトリが一杯になるほどの量を拾い集めます。そうそう、よく似た花に「つばき」がありますが、こちらは花が丸ごと落ちるので、その様子から斬首がイメージされて武士から嫌われ、家には専ら山茶花が植えられたと小さな頃、父から聞きました。  
 花の世話も大変です。夏場にはアブラムシがついて放っておけば冬の美しさは望めません。毎夏、霧吹きタイプの防虫剤を撒いて退治します。そんな風にしてきたからこそ、美しく咲いた山茶花を愛おしく感じ、毎日の花びら集めの作業も苦ではないのだろうと思います。とはいえ、こんなことができるようになったのは50歳を過ぎてからです。それまで、これらは主に父の仕事で、アブラムシのことも落ちた花びらを拾うことにも何の関心もありませんでした。また来年の冬に、勢いよく咲いてほしいと願っています。
 さて、「今年の冬は暖かい」そう何度も聞きます。今朝、それが今年だけでないこと、徐々に冬が暖かくなっていることに改めて気づくことがありました。
 5年前まで通っていた中学校にもバイクで通勤していました。当時は、毎晩ヘルメットを家の中まで持ち帰り、朝からリビングルームの床暖房の上において温めていました。そうしないとヘルメットをかぶった途端、中が曇って前が見えなくなるからです。今朝、もう何年も経験していなかったその状況を体験しました。今朝は生徒の登校時間帯に、久しぶりに激しく雪が降りもしました。少々驚きましたが、ワクワクした気持ちになったことも事実です。生徒たちも、気分が上がったのでしょう、多くの子たちが傘も差さず、まるで激しく降る雪を楽しむかのように登校してきました。
 今年、雪不足で困っているのはスキー場だけではありません。雪解け水が不足して農業に支障をきたす地域もあるようです。昔から自然を相手に工夫をして生活してきた我が国では、はやり冬は寒くないといけないのです。
 カナリーヤシの下からチューリップの芽が出たのを見つけました。2週間ほど前、用務員さんが丁寧に植えておられるのを観ました。厳しい冬の時期に美しく咲く山茶花が終わりを告げようとする頃、チューリップが芽を出し、薄く積もった雪が解けて校門横のあんずの花が咲き始めていることにも気づきました。皮肉にも、久しぶりの雪の日に春が近いことを感じました。
 毎年、自然も学校行事も同じような時期に同じようなことをしていますが、生徒は違っています。受験(検)する高校も違えば進む道も決して同じではありません。3年生には、もうしばらく厳しい時期が続きますが、その後には必ず暖かな春が待っています。
 どうぞ、もうしばらく頑張ってほしいものです。

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「最高齢のライオン」
 昨日くらいから私立高校の合格発表が始まりました。この発表をもって進路を決定する人も出てきます。近年、複数回受験できる高校が増えてきました。本校でも同じ学校を2度受験する生徒は少なくありません。チャレンジの機会が多いのはよいのですが、負担過重にならないよう願います。
 さて、京都市動物園にナイルという年をとったライオンが居る(居た)ことを御存じでしょうか。昨年度、今の2年生が秋の校外学習で美術館と動物園を訪れたとき、あまりに天気が良かったので私も午後から動物園を訪れてみました。そして、その時初めてその存在を知りました。
 我が子が小さかった頃、何度も動物園に連れて行きました。子どもたちは名物のキリンやゴリラ以上に“百獣の王”であるライオンが好きで、その前から動こうとしませんでした。それから20年以上を経て、『あのライオンがまだ生きていた!』というのが第一印象でした。ナイルと名付けられていたということも改めて知りました。
 檻の中のナイルは、記憶の中にあるかつての姿とは全く違っていました。痩せて鬣(たてがみ)も小さくなっていました。手足と頭ばかりが大きく感じられました。ほとんど寝たきりで、時折立って遠くを見つめ、百獣の王らしく雄たけびを上げるのですが、その声にもう迫力はありません。しかし、その姿にはなぜか“魅かれるもの”があり、随分長くその場から離れられなかったのを覚えています。
 そのナイルが先月31日に息をひきとったそうです。京都市動物園ニュースによれば、早朝、独りで静かに逝ったようです。野生のライオンの寿命は大体10年で、動物園などで飼育された場合には20歳くらいまでは生きるそうです。ナイルは、今年の3月に26歳の誕生日を迎える前に息をひきとりましたが、それでも国内最高齢のライオンだったということです。この老ライオンにはファンが多く、毎日のように彼を訪ねる人も少なくなかったようです。現在は、彼の檻の前に献花台が設けられ、連日多くの人が花を手向けているそうです。
 私の教え子にナイルのファンが居ます。二人の子どもを育てる彼女は、しんどくなるとナイルを訪ねてはエネルギーをもらっていたと言います。昨日、その彼女からナイルの死を聞かされました。
 彼女は、自分が撮ったナイルの姿にコメントを添えて「絵本」のようなものを作成してもってきました。暫くの間、ナイルのことを知っている2年生の廊下に置いておきます。 この「絵本」を手にとって、「死」について、そして「生きる」ということについて、友達どうして語り合ってみてほしいと思います。
「絵本」の最後のページには「みんな、ありがとう」というナイルの言葉があり、作者の「ナイル、本当にありがとう」という言葉で結ばれています。
※写真は、京都市動物園のHPからとりました。


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「自分の身を守る」
 新型コロナウイルスの感染者数が
20.000人、死亡者数が400人を越えました。先週、このエッセイを書いた時に比べて約2.5倍に増加したことになります。先日から、TVで中国武漢市の病院の様子が映し出されています。
「私達は、ここで死を待つだけだ!」と嘆き泣き叫ぶ看護師の姿を見たときには、まるで映画のシーンを観ているようで、何とも言えない気持ちになりました。もはや、中国だけの対応では追いつかないように思えます。とはいえ、目に見えないウイルスという敵の中に他国の医療スタッフが駆けつけるのは難しいようにも思います。『自分に出来ることはないのか』と考えてもみますが、私たちには自分の身を守る(予防)以外にないと思いますし、それに全力を尽くすべきです。
 さて、今日の6時間目に「薬物乱用防止教室」を行いました。時々、有名な芸能人やスポーツ選手が薬物に手を染め逮捕されるという報道を見ます。薬物の使用はTVや映画の中のこと、反社会や裏社会でのできごとだと思っていたのはもう随分と前のことです。本市でも、高校生や中学生がそれを使用していたという事実があります。もはや、薬物は私たちのすぐ近くにまで迫ってきていると認識しなければなりません。
 今日、お話ししてくださったのはかつて薬物依存症になり、心身共にボロボロになった経験をもつ方々です。リハビリのための施設やそこに勤める人との出会いによって、依存症から立ち直られました。一人では難しかったであろうことも"仲間"と一緒に進められたそうです。目の前の"しんどい状況"(これは、何も特別なことではないといった印象を受けました)から逃れたい一心で始めた薬物ですが、いつの間にか依存症になり、それがなければ生きていけない状態に陥られます。立ち直るには、相当な決意と労力と時間とを費やされたことでしょう。友達や社会的な立場や信用など、失ったものがたくさんあったとも思います。
 今回、生徒指導部長からこの提案を聴いた時、『中学生にとって生々しすぎるのではないか』と思いました。しかし、思い切ってやってよかったです。やっぱり本物には力があります。あの方々が薬物に手を出すきっかけとなった家族や友人との関係が、今の本校生徒の中にないとは言えません。内容が、話し手の体験談で極めて具体的だっただけに、子どもたちにはとても考えやすかっただろうとも思います。
 冒頭に新型コロナウイルスのことを書きました。それとは違い、薬物の場合はいくら近くまで忍び寄ってこようとも、自分の意志で避けることができます。今日聴いたお話は、あの方たちにとって、多分誇れる内容ではないでしょう。それでも話してくださった"その思い"をしっかりと受け止めなければなりません。将来、万が一、薬物の魔の手が迫ってきたとしても、私たちはキッパリと拒める力を身につけましょう。それが、今日の講師の方々への恩返しにもなると思います

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