京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/25
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『“てっぺん”獲りにいこうや!〜Catch the top !〜

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『伝統がつくられる』
 「来年は修学旅行で沖縄へ行くのやし、文化祭の合同劇は沖縄戦を描いた“平和劇”をしたらどうや?!」昨年度の文化祭が終わった後、当時2年の学年主任にそう持ちかけました。「そうですね。私もそれができたらなって思っていたのですが…、」おそらくそれれまで在籍した学校で既に経験したことがあったのでしょう。その眼差しから“ヤル気”を感じました。新しいことに踏み出す思い切りが足りなかったのだと思います。校長の言葉が背中を押した格好になりました。
 昨年度の2本の合同劇を鑑賞し終わっての率直な感想です。『もったいない!』そう思いました。演目は、2年が『ライオンキング』、3年が『パイレーツ・オブ・カリビアン』でした。それら娯楽作品が悪いとは思っていません。でも、これだけ一生懸命に取り組むことのできる子たちなら、劇づくりを通じて、感性豊かな中学生の時期に取り組めば抜群の効果がある特別な学びをさせたいと考えたのです。学年主任は決心したようでした。2年の後半から「修学旅行の事前学習」→「現地での体験学習」→「文化祭での劇づくりによる学び直し」という長期プランができ上がりました。
 一昨日の劇を観終えて思います。『教室での学習で、ここまでの学びがさせられるだろうか』と。アクティヴ・ラーニングが言われて久しいですが、その手法の一つとしてロール・プレイがあります。教室で行うロール・プレイを子どもたちは照れくさがって嫌がる傾向にあります。でも、劇で堂々と演じるとなると話は別です。登場人物に感情移入できるのは当前で、そこから学び考えることは途方もなく可能性が広がります。また、劇には大切な考え方や歴史などを台詞として覚え込むという特徴があります。私たちは普段、会話や思考をするとき、過去に覚えた言葉や体験したことを駆使して行います。将来、子どもたちが何かの場面に行き当たったとき、それがたとえ劇の台詞であったとしても、きっと思考や判断、会話の手助けになると信じています。
 今年の3年生は、二条中学校の文化祭の歴史に革命を起こしました。きっと一昨日の平和劇を見た下級生たちは、これまでと違う何かを感じたことでしょう。それは熱い魂かもしれませんし挑戦したいと思うモデルかもしれません。こうした思いが新たな歴史を作っていくのです。そして、そうして積み重ねられた歴史がいつしか“伝統”になっていきます。いきなり「平和劇」が出来ることはありません。これまでの先輩が積み重ねてきてくれた素晴らしい合同劇の歴史があったればこそなのです。
 2日目は音楽発表会です。去年の3年生が凄すぎて、これを越えることは難しいと思ってきました。しかし、どうでしょう。3年生の姿はとても立派でした。先輩を越えたいという意気込みが彼らを成長させ、学校の取組を成長させていきました。今、二条中学校は最高のサイクルで回っています。来年度が今からすでに楽しみです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「自覚」
 文化祭に向けての取組が続いています。どの学級学年も、合唱や合奏に劇、展示作品づくりなどに本当に一生懸命取り組んでします。
 この時期、特に午後は学校全体がせわしなく動いています。若い頃、この時期の取組が楽しい反面、毎日の活動にとても疲れ、クタクタになって帰ったことを思い出します。特に、学級や学年に生徒指導上厳しい生徒が居る場合には、この時期になると問題行動が増えたりもしました。何とか、その子たちを巻き込んで取組を成功させようと四苦八苦したものです。疲れに疲れたときには、『こんな行事なんてなくて、普段通り授業をしていた方が楽でいいのに…』と思ったこともありました。今思うと、何とも恥ずかしく情けない思い出です。
 学校からこういった行事を取り除いたら、学校教育はどれだけ味気ないものになることでしょうか。行事や部活動を通してこそ培われるものがあります。それらを通して生徒は心を豊かにし、体力をつけ、仲間や先生方との付き合い方(人間関係づくり)を学びます。今、そしてこれからの若者に望まれる力は将にこうした行事や部活動の中でこそ身に着けられると考えます。また、本番での大成功が子どもに達成感・成就感と集団への帰属感を与えます。そして、その中で自分は活かされているという「自己有用感」を生むのです。中学生にとってはこの気持ちが特に大事です。
 先週の金曜日、3年生が学年合唱の練習をしている場面を観に行きました。
 整然と整列した堂々たる態度、凛とした表情、学年集団全体が発する“ヤル気”、1・2年の練習では見られなかった空気が講堂に満ちていることを感じました。練習はまだ始まったばかりです。合唱そのものには伸びしろを感じましたが、『いいものを作るんだ!』という意思の“みなぎり”がひしひしと感じられ心を熱くさせられました。
「みんなの歌う姿を観て『3年生になったなあ』と感じました。去年の3年生をカッコいいと思ってきました。君たちの中にも同じように思っている人は少なくないと思います。でも、今のみんなの姿もカッコいいです。皆さんの中に、全力を発揮したい、自分たちの力で文化祭を成功させたいという“自覚”を感じます。その“自覚”が皆さんを大きく立派に見せています。そして、君たちが、今そんな状態にいることがとても嬉しいんです。」
 そんな話をしました。なぜか途中から声がつまり、不覚にも涙を零してしまいした。
“自覚”が人を、そして集団を成長させます。3年生に限ったことではありません。学級活動や部活動の場面もしかりです。1・2年生も、自分の置かれている立場をしっかりと “自覚”し、その立場ですべきことに全力を尽くしましょう。そうすることが個人や集団の大いなる成長に繋がるはずです。大いに期待しています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「壁になる」
 8月30日には3年で、そして昨日は1年で「学年道徳」をさせてもらいました。この年齢、この立場になっても授業の前には緊張します。前の晩は、色々と考えて毎回あまり眠れません。しかし、授業後は『やって良かった』と思うことができます。やはり、私は教師なのですね。授業という場面と時間を子どもたちと共有することがとても楽しいし、子どもの発言に感心させられエネルギーをもらうこともしばしばあります。また、授業の感想を読むと、そこに書かれた内容に励まされ、大きな喜びも感じます。
 1学期には休日参観で3年、2学期には1年、そして3学期には2年で、年に3回「学年道徳」をさせてもらっています。毎日授業をする先生方と比べると準備に時間をかけられることもあって、その1回に賭ける思いは当然強くもなります。
 授業実践を続けている校長は、京都市内でも多くはないと思います。決して自慢するつもりはありません。また、教職員に対しておもねるつもりもないのですが、こうしてさせて頂いていることに心から感謝しています。
 私が授業実践を続ける理由ですが、もちろん授業(づくり)が好き、子どもと共有する時間が大好きという部分はあります。しかし、別の意味もあるのです。『偉そうに』と思われると心外なのですが敢えて書くことにします。
 2つあります。1つは参考にしてほしいと思うことです。私の後に続く後輩教師たちに、私の実践を見せることで学び、自らの実践を振り返り、新しいことに気づき挑戦してもらいたいと思っています。もう1つは、この授業を学級づくりや学年づくりに上手く使ってほしいのです。
 先日、ハイチ出身のアメリカ人の父と日本人の母をもつ大阪なおみ選手が、全米オープンテニスで優勝しました。大阪選手の国籍は日本。日本人としての全米オープンチャンピオンは歴史上初めての快挙で、メディアにも多く取り上げられました。優勝賞金が4億2000万円というのも驚きです。彼女の優勝スピーチも多く紹介されましたが、松岡修造氏とのやりとりが一番印象に残ったのでここで紹介します。
松岡:「我慢強くなったね。我慢しているとき、どんなことを思っていたの?」
大阪:「"You can do it !"とずっと、心の中で自分に言い聞かせていました。」
 突然耳にした"You can do it !"に心が躍りました。
 私は信じています。後輩はいずれ先輩を乗り越えていくものです。そして、生徒はいつか教師を乗り越えていかなければなりません。もちろん、簡単に乗り越えられないような「高い壁」になる覚悟は、私にも二条中学校の教職員にもあります。目の前の高い壁を乗り越えようとする営みこそが人間を育てます。
 "You can do it !" 君たちなら、いずれきっとそれができるはずです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「愛校心を感じるとき」
 「今までに経験したことのないような…」「25年に一度あるかないかの…」非常に強い台風21号が接近してきた際、アナウンサーがこんな言葉を発しました。
 教育委員会から早々と翌日を臨時休校にする旨の連絡が入りました。当日の午後は、外へ出ることは到底考えられないほどの暴風雨になりました。校舎の玄関の窓越しに何度も外を窺いましたが、アナウンサーのコメントを思い出し『確かに!』と感じたところです。
 嵐が去った後、校門の外を見てビックリしました。ハナミズキが2本根っこから倒れています。桜の太い枝が折れています。二条城内の樹木が真二つに折れたり根からえぐれたりもしていました。後にTVで知ったのですが、高潮で関西空港の滑走路が完全に海水に浸かっています。流された船舶がぶつかり連絡橋を壊しています。トラックや自動車が横転するシーンや風で吹き飛ばされるシーンも映し出されました。
 暴風雨に耐え、踏ん張るカナリーヤシの姿をHPにアップしました。
「カナリーヤシが心配です。大丈夫なことを祈ってます。」最初はPTAの役員さんから連絡が入りました。これに対しては「彼は頑張りました」と返しました。
翌日になって出勤してきた先生が私に向かって「カナリーが無事でよかったですね。」と声を掛けてくれました。また、登校してきた女子生徒が校門に入るなり「カナリーヤシ、大丈夫やった。よかったーっ!」とつぶやきました。更に、退職された校長先生からも電話を頂きました。「玄関のカナリーヤシ、倒れんかったか?」。
 カナリーヤシは、本校のシンボル・ツリーです。しかし、これ程まで深く生徒や教職員、保護者の方の心に入り込んでいるとは気づいていませんでした。
 嵐の後、通学路をふさぐ倒木を何とかしようと何人かの教職員で枝を切りに出ました。しかし、一向に作業が捗りません。結局「明日、みんなでやろう!」と諦めました。そして今朝です。いつもより早めに出勤した私は、目に飛び込んできた光景に驚きました。たくさんの生徒と教職員とが、倒れた木々の処理をしてくれていたのです。朝練習に来た生徒とその顧問が、練習を取り止めて作業にあたってくれたのでした。教職員はどんどん増えていきます。“楽しむ”と言っては不謹慎ですが、生徒たちも決して嫌々やってはいません。TVでよく、被災地で働くボランティアの姿が映し出されますが、まさにそんな光景でした。
 カナリーヤシを心配する人たちの存在、自分たちの学校を自分たちの力で復興させようと作業する生徒と教職員の姿、将に公立学校のあるべき姿だと感心し、写真に収めながら感動したりもしました。
 台風被害で失ったものはありますが、それ以上の得るものがありました。自分たちの学校を大切に思う心は、非常時にこそ強く感じることができるのかもしれません。

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学校行事
11/2 1年 科学センター学習
京都市立二条中学校
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