京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「引退後に残る感情」
 3年生が続々と運動部を引退していきます。夏の大会が、全国へと続く中学生最大の大会であるのと同様に、「負けたら即引退!」となるだけにこの大会は重いです。
 今もバレー部の3年生が校長室にやってきました。「応援ありがとうございました!」
『やるだけのことはやった』という気持ちが感じられる爽やかな表情でした。「お疲れさん!これからは後輩を応援してやって。」そう伝えました。運動着を着ています。おそらく今日もこの後、新チームの練習に入るのでしょう。
 野球部の準々決勝の最大の山場のシーンが何度も思い出されます。5回の裏1アウト2・3塁。バッターはキャプテン。1−3と負けていただけに、何としても1点は欲しいところです。『スクイズ? 犠牲フライでもOKなのでそれはないか…』『高めの速い球が多いピッチャーなので、犠牲フライ狙いの方がいいかも…』スタンドでもあれこれと考えました。後の監督談です。「メッチャ、悩みました。たたき(高いバウンドの内野ゴロを打つ)も考えました。でも、結局はキャプテンに任せることにしました。細かな指示をしてやったほうがよかったのかもしれません。私の作戦ミスです。本当にかわいそうなことをしました。」おそらく私が考える何倍も考え、振り返っていたことでしょう。凡退したキャプテンは、その責任の重さに負けた瞬間に泣き出していました。次のバッターでセカンドゴロをヒットにしようと1塁ベースにヘッドスライディングした選手も号泣しました。この場面の重要性を理解していたからこそです。
 一方、準決勝で宿敵に勝利した男子バスケットボール部。昨年度の秋と今春の2回、準決勝で闘って敗れています。春の大会では、終盤に10点ほどのリードを追いつかれ、延長戦を戦っての敗戦です。『何としても今度こそは勝つ!』試合開始早々からその意気込みで闘いました。序盤は思いが強すぎて動きがぎこちなく、空回りの状態だったようです。私が会場に到着したのはちょうど第4ピリオドが始まったところで、2ゴール程のリードでした。この程度の点差はリードのうちに入りません。これまでの彼らならプレッシャーに負けてか、シュートを外したりパスを上手くつなげなかったりしていたところです。ところが、今回は違いました。強い気持ちがシュートを打つ指先までに感じられました。ゴール下に切れ込む勢いとスピードに“強気”を感じました。点差を広げ、勝利を確信するシュートが決まったときにはアリーナと応援席が一体になって拳を突き上げました。試合後、何人かの保護者の方と握手を交わしました。『やっと勝ってくれました』涙ぐんでそう言われた方も居られました。
 男子バスケットボール部の暑い夏はまだ続きます。一方、ほとんどの3年生は引退を余儀なくされました。それらの3年生にひとつ尋ねます。「君たちにとって部活動には意味がありましたか。」爽やかに頷く彼らの顔が想像できます。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「心得ておきたいこと」
 1学期が終了しました。この4か月間にも色々なことがあり、そのたびに生徒も教職員も大いに学び成長したと思っています。強く残っている思い出は、やはり今年も修学旅行と体育大会です。どちらも、生徒の動きが立派で他校や保護者、地域の皆様方に対して誇れるものでありました。しかし、実はその陰に隠れた教職員の動きを嬉しく誇らしく感じています。二条中学校の教職員は、決してサボろうとしません。自分に与えられた役割をきっちりとこなし、そのうえで、当たり前のように自然に他の仕事を手伝います。学校には「先生」と呼ばれる人ばかりが勤務している訳ではありません。色々な職種の人がその立場を越えて協力し上手く機能しているのです。本校のよいところは、養護教員も管理用務員も事務職員も、また図書や理科実験の支援員、SCなどもみな教員と同じように一生懸命に行事の準備をし、積極的に生徒に関わって指導をし、そして本番の取組(行事)を愉しむところです。
 生徒と教職員との間は温かい信頼関係で結ばれています。親しく接してはいても、決して友達のような関係ではありません。この関係は、教職員と保護者との間でも言えます。PTA活動の場面では、役員の方と気さくに話しますが、それらの方は常に教職員に対して尊敬の念をもって接して頂いています。
 先輩方から受け継いだ生徒や保護者とのこのよい関係を損なわないようにしなければなりません。この関係こそが今の二条中学校の素晴らしさを作っている根源だと考えるからです。生徒が二条中学校の生徒であるという誇りを感じるのと同様に、私たちも二条中学校の教職員としての誇り、保護者としての誇りをもち続けたいものです。
 いささか堅苦しく抽象的な内容になりました。また、自校の教職員や保護者を褒めることになり、自画自賛だと笑われているかもしれません。いつもの生徒や教職員、保護者の方の動きが見える具体的なエッセイに戻しましょう。
 昨日の全校集会でも述べましたが、サッカー部の行動が市民の方から大きな評価を受けました。練習試合の帰りにバスに乗ったそうですが、後から乗って来られたお年寄りにサッと席を譲ったというのです。それも、実にハキハキとした言葉づかいでテキパキとした行動と態度だったということです。当たり前のことなのですが、誰もがそう簡単にできることではないとも思います。
 それを観ておられた方が感心されて、中学校名を尋ねられ翌日学校に電話をくださいました。これまでの教師生活で、乗車態度がよくないということで電話を頂くことは何度もありましたが、こういった嬉しい内容の電話は初めてでした。
 基本的に、「評価」というのは人からしてもらうものです。また、評価はいつ何時、誰がどこでしてくださるか分からないものでもあります。だからこそ、どんな場面でも正しい行動、誇りある美しい生き方ができるよう努めたいものです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「意外な発見〜2つの取組から〜」
 先週のことになりましたが、「生徒総会」についてです。今は、市内のほとんどの中学校がそうしている通り、本校の「生徒総会」も2部構成になっています。第1部が生徒会活動に対する議案審議です。各委員会の活動方針や活動状況が説明され、生徒会予算案の審議なども行われます。第2部は学年や学級の活動方針や活動状況の報告です。第1部が生徒会本部執行部からの提案なのに対して、こちらは各学年の生徒たちが報告の内容から発表の仕方までを考え、練習を重ねて取り組みます。そのため、全校生徒もむしろこちらを楽しみにしているようです。
 本校では学年ごとに発表の場が用意されています。1年の発表からそのプロデュース力と発表内容に驚かされました。評議員が中心となるのですが、最後は1年生全員のパフォーマンスが見られるなど、学年としてのまとまりも感じられた力強いプレゼンテーションでした。2年は劇仕立てで進行しました。歌やダンスを織り交ぜるなど、ステージを盛り上げ、観る者を大いに楽しませてくれました。企画力の2年です。そして3年。これまでの経験を活かし、笑いをとり入れた面白い構成になっていました。特に生徒たちの中で実際に起こりうる事象を上手く取り入れており、生徒同士の関係性や学級学年の在り方について深く考えさせられました。深い学びの3年でした。
あたかも「3年生を送る会」や「学習発表会」での学年発表を観ているような錯覚に陥ったくらい生徒の意外な力がたくさん観られた取組でした。
 次に、昨日のPTAの家庭教育講座から感じたことを綴ります。今回の講座は、「先生方の生の声を聴きたい」という保護者の方々の要望から生まれました。PTA会長の進行で4人の先生が次々と話をしていきます。「二条中の生徒をどう思うか?」「教師を目指したきっかけは?」「どんな時に教師としての喜びを感じるか?」「教師として心がけていることは?」など、普段の先生と保護者という関係では聞けないことが発言の内容です。教師同士でも一人ひとりの先生のそんな思いやエピソードを聴くことはあまりないので、私までが新鮮な気持ちになりました。
 一人ひとりの先生が担当する生徒のことを常に深く考え、丁寧に接してくれていることに改めて気づき、嬉しく彼らを頼もしくも感じました。保護者の方からも「先生方と私たち親との子どもたちの見方があまりにも接近していて、安心しました」という感想が出され、この企画の素晴らしさが見えました。
 今回のメンバーは、うちの組織を総合的に見て校長の独断で選びましたが、なかなか良い人選だったなと密かに思っています。年齢・性別・教科・立場(役職)の違いはあるものの、それらを越えて教師として大切にすべきものが改めて見えてきましたし、それらを大事にしてくれている教職員を誇らしくも思いました。
よい企画を提案して頂いたPTAの皆様に感謝しています

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catth the top !〜

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「勝機を掴む」
 やっぱりベルギーは強かったです。サッカーワールドカップ決勝トーナメントの1回戦。日本では午前3時にキックオフ。『これが今大会最後の試合になるかもしれない。』『ひょっとしたら勝てるかも…』などの気持ちがあって、今回もライブでTV観戦しました。後半早々2点を先制したときには、夜明け前であるにもかかわらず、家族で大歓声をあげました。しかし、2−0になった際、『これで安心!』と思った人は誰も居なかったのではないでしょうか。それが強豪と戦う際の怖さなのでしょう。それにしても、ベルギーの怒涛の攻撃に耐える或いは回避する方法、あの2点を守りきる術はなかったのでしょうか。何とも悔やまれる一戦でした。
 さて、「夏テスト」が終わっていよいよ夏季大会(コンクール)が目前に迫ってきました。学校では各部が朝練習も熱心に行っています。
 大会直前に日本代表監督に就任した西野朗(あきら)氏は、圧倒的に劣勢と言われたベルギー戦前のインタビューで「勝機はピッチのどこかに落ちている。それを全員で拾いに行く」と述べました。確かにそうです。陸上や水泳と比べて直接対戦する競技はやってみるまで分かりません。“大金星”という言葉があるくらいですから「弱い」とされている側が勝つことだってあるのです。流石(さすが)に日本代表の監督、とても上手なコメントでした。そこで今回は「勝機を掴む」というテーマでこの文章を進めたいと思います。
 このテーマでいうと、一番に思いつくのが本校の野球部です。秋の大会ベスト4、春の大会準優勝の野球部は名実ともに強豪です。しかし、実はそれほど凄いピッチャーやスラッガーが揃っているチームではありません。ではなぜ勝てるのでしょうか。将に勝機を掴むのが上手なのです。事実、これまでの試合を振り返ると、ずっと0点で抑えられているのに、あるイニングだけ相手のファーボールやエラーに付け込んで得点を奪って勝つというパターンが少なくありませんでした。粘ってねばって相手に得点を与えず、チャンスと見るや、選手と応援の者とが一体になって一気に攻めまくります。そのタイミングと畳み掛け方が断然上手いのです。声、拍手、歌、歓声、大きな動き、そしてそれらが作り出す一体感、相手は我を失いミスを繰り返します。そして、俄然勢いに乗ったチームは調子に乗って連打し、バントなどの小技を使い、走りまくって攻め続けるのです。この勝ち方を他の部も見習わなければなりません。
 吹奏楽のコンクールでも活かせる内容だと思います。「乗ってきた」と見るや、一気に皆の心を一つにして盛り上がるということでしょうか。私が続けてきたテニスでならこういう状況が理解できます。
 ピッチ、グランド、コート、そしてホールのどこかに落ちている勝機を見つけ、確実に掴み、ものにできると思いもよらない相手に勝てるかもしれません。

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