京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「心を養う」
 サッカーワールドカップが盛り上がっています。私も日本の試合があるときにはライブでTV観戦するようにしています。今日もポーランド戦なので明日は辛くなりそうです。
 ところで、今年の流行語大賞になるのではないかというのが「大迫半端ないって!」というフレーズです。2009年の全国高校サッカー選手権で大迫選手のいる鹿児島城西高校に負けた滝川第二高校のキャプテンが、ロッカーで号泣しながら発した言葉だそうです。その時の映像がインターネット上で大流行してその再生回数は500万回を超えるとか。私も観ましたが、これがなかなか面白いです。特に、負けたキャプテンは泣きながらも大迫選手のことを素晴らしい選手だと讃えているのが好感のもてるところです。イギリスの新聞も「すごい」「信じられない」という意味で“hampanai”と表現するとその新しい日本語を紹介しているようです。
 ちなみに、「大迫半端ないって!」の対義語として最近ネット上を賑わしているフレーズがあるそうです。息子から聞いて吹き出してしまいました。ご本人には申し訳ありませんが、「川島それはないって!」らしいですよ(笑)。
 さて、「夏テスト」が終われば7月です。夏休みが待っています。そして、3年生にとっては大事な大事な夏季大会(コンクール)がやってきます。最後の大会であって全国大会へと続く最大の大会です。1年生の頃から練習し続けてきた部活動の集大成の場でもあります。是非とも悔いを残さないよう闘ってほしいと願っています。
 ところで、勝負に勝つには「心」「技」「体」の充実が必要だと言われます。どれが一番大事かという点では意見が分かれるところですが、どれもが重要であるということに異論を唱える人はありません。試合では、勝ち進むにつれて上手な相手と対戦することになります。そして、上位に行けば行くほど技術の差は小さくなります。そこで、勝敗を分けるのが「心の強さ」と「体力」です。特に「心の強さ」は試合のときにだけ発揮されるものではありません。普段の生活こそが大事です。
 部活動ができることに対する感謝の気持ち、コートやグランドや道具への敬意とそれらを大切にする気持ち、指導者や保護者への敬意と信頼、仲間との絆、先輩への敬いと後輩への思いやり、対戦相手へのレスペクト、身の周りの整理整頓、時間やルールを守ること、気持ちよい挨拶、正しい言葉づかい、ハキハキとした返事、素振りやランニングなどやると決めたら継続できる力、人より先に行動できること、簡単に諦めない気持ち、勝ちたいと願う気持ち…等…、挙げ出したらきりがありません。
 冒頭に挙げた大迫選手は、その動画の中で「きっと日本代表になる」と言われています。多分技術面だけでなく、彼の行動や態度がそう言われるようなものだったのだと思います。「心を強く養うこと」これは今日からでもできます。普段の生活からこれが身についていれば、“ここぞ!”という時に勝負の神様はきっと味方をしてくれます。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「弱さを語れる強さ」
 正直、体育大会は年間行事の中で一番嫌いな行事やし、運動は本当に苦手です。体育大会は何度も欠席したいと思ったことがあったけど、頑張ってみんなで作り上げた3年間の体育大会は今思えば楽しかったのかなと思います。1位とかとったことないけど走り終えたときはスッキリするし、皆がおつかれって言ってくれるのもうれしいし、体育大会を行ってよかったなと思います。最後の体育大会に適した結果だったと思います。ロープファイトも負けてしまったけれど楽しかったし、終わりよければすべてよしだと実感しました。この学年だからこそ成功させることができたのだと思います。でも、これから先ずっと最下位は嫌やし、その気持ちが少しでも私の中にあるのなら、もっと苦手なことにも挑戦できるようになりたいです。皆が笑顔で終われる最高の体育大会になって良かったです。
 3年の学級通信から拾いました。先日の休日参観で発言した直後に涙した2人もそうです。「私のことを嫌いだと思っている人も居るかもしれないけど…」「みなさん、いじめは絶対やめてください…」
 上の文章や2人の発言のような気持ちは誰にもあるとは思いますが、たいていの人はそれをグッと心の中に押し込めてしまいます。なぜなら、そんな自分をみじめに感じたり、自分がそんな状態にあることを信じたくもない。ましてや、友達や親や先生には決して知られたくもない、そんな風に思うからではないでしょうか。だからこそ、自分の弱い部分をさらけ出した思い切った発言には力があるのだと思います。
 このように表現できる人たちは、本当はとても強い心をもっているのかもしれません。また、30年以上教師を続けてきて、こうして自分の弱さを語ったことからその後の生き方を大きく変化させた人を何人も観てきました。
 もう一つ、大切なことがあります。弱さを語れる場の雰囲気です。今の3年生の学級や学年には、自分の弱い部分をさらけ出しても、そのことで攻撃されたり冷やかされたりしないという安心感ができつつあるということです。個人の勇気・心の強さと同時に、集団の温かさ・寛容さ・理解度が生徒個人と集団の成長を助けるのです。
 修学旅行(校外学習)、休日参観(学年道徳)、体育大会etc。行事を経験するたびに生徒が、そして集団が成長を続けています。平成30年度には、これからもまだまだ大きな行事が用意されています。誰もが安心してその場に居られる雰囲気。安心して自分の気持ちを述べられる場。そんな雰囲気のある学級や学年、学校を作ることで、生徒はもっともっと成長を遂げます。弱さを語れる強さをもった生徒を増やすことと、それが言える雰囲気の集団をつくること。これらは同時に取り組まなければなりません。そしてこの取組が進めば、二条中学校は大人しく優秀なだけではない本当に素敵な学校、「温かい学校」として京都の“てっぺん”を獲れると思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「体育大会の魅力」
 今年の体育大会も大盛り上がりのうちに終わりました。生徒たちは、自分たちの行事を自分たちの力で盛り上げ楽しむ方法を既に十分に身に付けているようです。
 開会式の挨拶でも述べました。今日までの学年練習が終わった後、たまたま隣にいた2年の生徒と話していたところ、「校長先生、体育祭メッチャ楽しみです。」と言いました。その生徒は100メートル走で1着になったりリレーで前の子を追い抜いたりできるような子ではなかったので、キラキラの笑顔でそう話す言葉が余計に印象に残りました。
 徒競走でははっきりと順位が出ます。中には前を走る人が上げる土を顔面で受けながら走る人も居ると思います。その時は決して楽しくはないでしょう。でも、体育大会には、レクレーション種目や団体種目もあります。また、仲間を応援する場面もあります。BGMが鳴り実況放送もあって、将に特別な日です。そんな体育大会が生み出す雰囲気は楽しく、足の速い人だけでなくみんなが十分に楽しみにできる行事です。
 昨年度も思いましたが、リレーと綱引きの場面が特に面白いです。応援に力が入って思わず自席から競技をしている人たちのすぐそばまでやってきます。これまで赴任した学校なら、生徒会本部の人の放送か先生の声かで即刻注意が入るところですが、本校ではそれがありません。生徒が節度をもって行動し、危険な状況になるようなことがないと、教職員が生徒を信頼しているからだろうと思います。お蔭で選手と応援が一体となることが出来ます。もの凄い臨場感です。
 火曜日の全校体育(本番に向けての練習)の際、同じような場面がありました。子どもたちの自主性に任せて練習をさせるのです。これまでの経験では、事故の危険性を危惧してこんなやり方はさせてきませんでした。今年来られた先生で、多くの学校を経験されたベテランの方が近くに居たので、その状況をどう思うか尋ねました。
「子どもたちが元気で、自分たちで盛り上げて楽しそうにやっていて、とてもいいじゃないですか。二条の子のよい所だと思います。」そう言われました。
 確か春体の頃にも書きました。特に3年生たちのことを“大人しい学年”だと思っていたのに実は“熱いエネルギーをもった学年”だと再認識したと。今回の体育大会でその気持ちがさらに強くなりました。開会式後の準備運動ダンスで出す大声は決してふざけた不快なものではありません。楽しんで会を盛り上げている爽快な大声です。
 自分たちで雰囲気を作り出して盛り上がる。そして、その雰囲気を思い切り楽しむ。こんな感じ、私は高校生や大学生の頃には経験したことがあるかなって思います。
 こんな雰囲気を作れる二条中学校の生徒を心から愛おしく思います。そして、この雰囲気こそが二条中学校の体育大会の魅力なのだと改めて気づきました。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

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「生徒の言葉の力」
○友達に相談したり本気で話したりするのは勇気がいると思うし、不安とかもあると思うけど、本当の友達なら受け止めてくれる、支えになってくれるということが分かりました。もう残り少ない時間なので、今のクラス、仲間に感謝し、楽しく過ごしたいです。
○本当に悩んでいるときや困っているときは、本当に友達の暖かい声が励みになります。私もこれまでたくさん友達に助けてもらってここまで来れたので、これからは友達の助けになれるようにしたいです。
 2日(土)の休日参観で、今年度も3年生を対象に学年道徳をさせてもらいました。上の2つの文章は、3−3の学級通信から拾ったその時の感想文です。
 授業者として、伝えたかったことを子どもたちがしっかりと受け止めてくれていることに大きな喜びを感じます。
 今回も「友情」をテーマに授業を作りました。これは、中学生にとって実は少々苦手なテーマです。というのも、中学生の時期には、友達関係にとても気を遣いながら生活している生徒が少なくないからです。『今は友達のことなんて考えたくない!』と思っている生徒もいるでしょう。生徒はみな、「友情」が大切なのは分かっています。友達との間に強い友情を築きたいとも思っています。それが上手くいかないと傷つくことも知っています。だからこそ、このテーマに向き合うことを苦手としています。
 今回の授業の中で、私は「友情を大切にいよう!」とは一言も言っていません。多分そんなことを言えば、『分かってるわ!』という反発の心を湧き上がらせる生徒もいると思います。道徳嫌いの生徒は往々にして「なぜ、分かりきったことを考えなければならないのか?」という疑問をもっているものです。そして、こう思わせてしまっている背景には教師の指導のまずさがあります。今回の授業で言えば、「友情を大切にいよう!」という言葉を使わずに『友情を大切にしないといけないなー』と思う気持ちをもたせるように授業を工夫しました。それが今の道徳教育の目指すやり方であって面白いところだと認識しています。
 「私のことが嫌いな人も居ると思うけど、みんなは私を受け入れてくれて…」今回の授業では、こんな言葉から始まる素直な思いを発表し、涙を流す生徒もました。極度に緊張しつつも自分の思いを発表できたこと、それを学年のみんなに届けられた喜びと安堵感、そんなことから感情が揺れて美しくカッコいい涙となったのでしょう。
 生徒の本音、飾らない言葉には力があります。生徒の思いのこもった言葉を連ねていくことは、伝えたい価値を教師が示すことの何倍もの効果があるものです。道徳は実に奥が深いです。道徳の時間に輝く生徒の数も増えてきました。道徳教育を通してもっともっと生徒の心を耕し、併せて教師の指導力も向上させていきたいです。

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