京都市立学校・幼稚園
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「準備」
 28日(日)、大阪国際女子マラソンで初マラソンを走った松田瑞生選手が見事な優勝を果たしました。優勝インタビューでのバリバリの大阪弁と最後に発した「イェーッ!」が妙に可愛く、今や"時の人"です。
 東京オリンピックのマラソンの代表選手を決めるために、来年9月に新たな選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が行われるそうです。そして、この試合の上位3人に入ったものの中から2人が代表に決まるということです。大阪国際女子マラソンは、このMGCへの出場権をかけた試合でもありました。今大会では、松田選手の他に、既にMGCへの出場資格を持つ前田穂南選手が優勝の有力候補として注目されていました。
 2人はトップ集団の中を走っていました。25キロ過ぎで飛び出したのは前田選手です。このまま逃げるのかと思いきや、集団の中からもう一人抜け出して前田選手を追い、その差をどんどん詰めている選手が居ます。松田選手でした。雪が舞う大阪の街で、ストライド走法の前田選手をピッチ走法の松田選手が追いかけます。そして、その距離がドンドン縮まります。とうとう30キロを過ぎたあたりで抜き去りました。この間、TV画面に釘づけにされたのは私だけではなかっただろうと思います。
 解説によれば、前田選手と松田選手は同じ高校の出身。前田選手が1年後輩だということです。松田選手にしたら「後輩のアンタには負けられん!」そんな気持ちで走っていたのでしょう。トップに立ってしばらくした時、沿道から指示と声援を送るチームの監督とお母様に対して小さくガッツポーズをしたのも印象的でした。
 初マラソンで大会初出場。しかも初優勝を飾った松田選手は奇跡のシンデレラガールのように思われがちですが、この日に向けて着々と準備を重ねてきたことが後に分かってきます。中学校から陸上を始めた彼女は、身体が反(そ)る癖を修正するため、高校時代から腹筋を鍛えてきました。専門書を読んで研究し「腹斜筋があると走れる」ということで前よりも横の筋肉を鍛えてきました。"なにわの腹筋女王"と呼ばれるほどのそれを作り上げるのに1日に1時間半から2時間をかけて2000回から多いときには3500回もの腹筋をします。全国高校駅伝と都道府県対抗女子駅伝で区間賞を獲得、2016年には全日本実業団10000mで優勝、2017年には日本陸上選手権10000m優勝、アジア大会銅メダル、世界陸上にも出場を果たしています。初マラソンではありましたが、実績は十分だったのです。
 結果を見て「すごい!」と評価を受けることには、周到な準備が必要です。
 2月になると、いよいよ本格的に受験(検)が始まります。それまでにできる限りの準備をして、来たるべき本番に備えてほしいと思います。3年生の皆さん全員が、松田瑞生選手のように輝けることを願っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「相手意識で」
 強烈な寒波が日本列島を襲っています。昨朝の京都の最低気温は−3.6度。今シーズン一番の冷え込みだったそうで、二条中学校内外もすっかり雪化粧をしました。
 さて、新しい学習指導要領が出される頃から言われてきたことですが、10〜20年後には今の社会にある仕事の約半分がなくなると予想されているそうです。それらはAI(人工知能)によって取って代わられる時代がやってくるというのです。確かにそれが言われた頃、将棋や囲碁のプロがAIに敗れたのには少なからず衝撃を受けました。なくなるだろうと予想されている仕事の中には、スポーツの審判・レストランの案内係・電話のオペレーター・レジ係・簿記や会計の事務員・ホテルの受付などがあって、これらの中には既にロボットが行っている仕事もあり十分に納得できます。一方、残るであろうと予想されている職業は、人間の感情と向き合う仕事や人と直接向き合う仕事で、その中には「教師」も含まれます。
 そこで、これまで以上に大事だと言われ出したのがコミュニケーション力です。相手の立場や気持ちを理解しながら話が聴けたり自分の考えが述べられることの重要性が強調されています。ところで、この力はどのようにして付けられていくのでしょうか。もちろん本人の性格にもよるでしょうが、多くの場合、小さな頃から人とどのような関わり方をしてきたかが重要です。教育や保育に関わるプロ(教師や保育師)は意識的に相手意識に立った関わり方を指導します。しかし、普通の家庭ではそういう知識も技術もない中で、なかなかそこを意識した子育ては出来ないものです。まして、近頃はひとり親家庭や夫婦共働きの家庭が多いので、ゆとりを持って子育ての出来る家庭は少ないようです。また、幼児期から塾や習い事で忙しい毎日を送っている子どもも少なくありません。更に、家庭でその部分を大切に育ててきても、後にできる友人関係の中でそれが壊されてしまう場合もあるかもしれません。
 有名大学を卒業した人が、人間関係が上手く結べずに離職や転職を余儀なくされることもあるようです。職場の人達との関係づくりは勿論のこと、仕事上で出会う人との関係が上手く結べないと社会を生き抜いていくのは難しいです。 
 コミュニケーションを図るうえで、最も大切なのは「相手の立場や気持ちを考える」ことだと思います。“優しい人”“親切な人”“暖かい人”“分かってくれる人”など、人からそのように思われている人は、たいてい人間関係を結ぶのが上手です。
 コミュニケーション力というと、そういうスキル(技術)を身につけなければならないと捉えられがちですが、話し方の巧みさや内容の豊かさはそれほど重要でないように思うのです。それよりも、相手の気持ちに立って話したり行動したりできること、これがこの力の肝だと思うのですがどうでしょうか。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「“ほんまもん”の力」
 今週は2年生がたいへん貴重な体験をしました。司厨士(シェフ)の指導による調理実習と助産師さんによる性教育(講演会)です。
 京都市内の有名なホテル等でシェフとして活躍されている方々から一般人、特に中学生が料理について学ぶ機会はまずありえません。また、赤ちゃんの出産に立ち会っておられる現役の助産師さんの話は、生々しくもたいへん感動的でした。
 調理実習では、はじめに司厨士(シェフ)の方が説明しながら見本を示されます。包丁さばきを見つめるとき、生徒は瞬きすることさえ忘れているようです。調理の場面では、生徒の手を取って直接指導をしてくださいました。最も勉強になったのは質疑応答の場面です。生徒の質問に真摯に丁寧に対応してくださいます。「なぜそんなに背の高い帽子を被っているのですか?」この質問は、複数のクラスで出されました。「料理をする上で気を付けていることは何ですか?」この質問に対する答えは是非とも紹介しなければなりません。第一に清潔にすること、異物混入や食中毒防止には常に気を付けています。今回やお客様の前に出る際はこの帽子を被っていますが、調理場ではネット帽を被っているんです。(これには驚きました)次に、素材を無駄にしないこと。捨てる部分を最小限にするように心掛けています。最も大事にしていることがお客様のことを考えながら作ることです。調理する間中『おいしくなれ!』と念じています。お客様の「美味しかったです」の言葉が一番うれしいです。
 シェフからのメッセージは特に印象に残りました。出来あいの食べ物が豊富にあるけれど、一から料理を作ることに興味を持ってください。そして、食事の際は、それを作ってくださった方の思いや、食材を育てて下さった農家の方々の気持ちまで感じ、感謝の気持ちをもって食べてください。また、別のシェフは、朝ご飯を食べてくださいと仰いました。今の世の中を見て、朝食を食べる習慣を親から子へと繋いでいく必要があると感じておられるのだと思います。小さな頃から言われてきたことですが、プロの方々から改めて言われると心に沁みました。
 性教育では出産シーンのDVDと、出産の際の赤ちゃん自身の頑張りの話、そして、最後に話された「命は有難うで始まり、有難うで終わる」という話が特に印象的でした。「生まれてきてくれてありがとう」「今まで本当にありがとう」子どもが生まれたとき、父を看取ったとき、その両方の気持ちになったことを思い出し、私も思わず涙が出そうになりました。子どもたちの心にもしっかりと届いたように感じました。
 いずれにせよ、“ほんまもん”は凄いです。現場で感じ現場で学ばれたことには説得力があります。子どもと直接接している私たち教師には、その瞬間瞬間を子どもの学びの場面に代えていく力が必要だと今改めて感じています。

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「チームモラル」
 学校が本格的に動き出しました。授業も放課後や休日の部活動もです。今回は、土曜日や日曜日に部活動の練習を観ていて思ったことを綴ります。
 さて、どの学校のどの部でも、取り組んでいる練習の内容はあまり変わりません。でも、結果として勝てる部と勝てない部があります。もちろん、その部の伝統とか入部してくる生徒の質とかが大きく関わっていることは間違いありませんが、それだけでもないように思うのです。
 最近、テニス部の練習を見ていると、少々失礼ですが『ようやくこのレベルまで来たか』と感じています。長くテニスに関わってきた者としては、ここへきて急に『アドバイスしたく』なっています。「こういう場面では、この場所にこういうボールを打つと効果的だよ」これまではそんなアドバイスをしても、その意味が理解されなかったり、すぐに実行できなかったりしたため控えてきました。顧問の先生の粘り強い指導と子どもたちの活動が部をここまで引き上げました。さあ、これからです。
 秋の大会ベスト4の男子バスケットボールと野球の練習からは別のものが見えてきます。全員が同じ練習をしていますが、その練習の目的や効果、力を入れるべき瞬間を十分に理解した上で“きちっと”取り組んでいる人とそうでない人が見られます。毎日の練習ですから、この違いは結果に大きく影響すること間違いありません。
 10年程前、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏の講演を聞いたことがあります。彼はその中で次のようなことを言いました。「新しいチームを率いる際、最初にランニングをさせるようにしている。グランドを何週か周らせたとき、平気でラインの内側を走る選手が多いチームはだめだ。反対に、全員が決められたことにきちん取り組む“チームモラル”が徹底している部なら、成長させるのに時間はかからない。」
 バレー部の練習に目を移します。技術的・体力的には引退した3年生と比べて劣っているようです。でも、練習に向かう意気込みと態度、声出しなどのムード作りでは負けていません。顧問の先生の指導によるところが大きいのでしょうが、チームを育てる大切なものです。最近はメキメキと力をつけているのが素人目にも分かります
 「真面目に」とよく使われます。この意味を深く考えなければなりません。先生に言われたことを忠実にこなすのも「真面目」だと思いますが、もっと突っ込んで、チームの全員がその意味や目的について理解して主体的に取り組める、そんな真面目さをもったチームなら、きっと早く上達するだろうと思うのです。
 部活動のことを書いてきましたが、学習に対しても同じです。時間を守る。忘れ物をしない。提出物を出す。宿題をする。そのことの大切さと必要性とを理解して実行する人はきっと伸びます。「何を小難しいことを。ちょっと位いいじゃないか!」そんな些細な気持ちが二条中学校の生徒集団(チーム)のモラルを崩すので要注意です。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「新年のごあいさつ」
 1月1日、出水学区の「新春年始交換」に出席しました。案内を頂いた時、正直に言うと、『えーっ、ウソやろ。元旦からやるのか!?』そう思いました。校長になって8年、元旦から仕事は初めてです。しかし、お誘いを受けた以上、すべては学習と思って楽しみに参加しました。また、せっかく元旦から学校に行くのだから“二条ランの走り初め”をしてやろうと早めに来ました。開門前の二条城、しかも元日の朝です。重要文化財である東大手門が初日(はつひ)に照らされるのを観て何とも言えず厳かな気持ちになりました。
 会の冒頭、司会の方の「皆さんで新年のごあいさつを」という言葉に続いて全員で「あけましておめでとうございます!」と声を揃えました。50年以上も生きてきて、こんな経験は初めてです。聞くと、この会も50年以上続けられているということです。初めてでしたが清々しい気持ちになりました。連合会長のご挨拶に続いて上京区長のごあいさつです。何とその次は私に順番が回ってきました。感じたまま、今ここに綴っているようなことを話しました。こういう文化は大事です。知り合いの先生や家族からは「元旦からたいへんやなぁ」と言われましたし、当初私もそう感じていました。しかし、中に入ってみて初めてその良さや意義が分かるものです。今後はこの文化を残していく側の一人として参加させて頂きたいと結びました。
 年末には何年ぶりかで1泊2日の家族旅行をしました。近頃、“ペットも泊まれる宿”が増えてきたお蔭でみんなで行くことが出来ました。檸檬(れもん)は、車の中でも、宿についてからもずっと起きています。慣れない状況とみんなと一緒という興奮状態で眠れないのだと思います。ひょっとしたら、寝ていてはもったいないと思っていたかもしれません。こんなところは、小さな子どもと同じです。夜は、家族の布団に順番に潜り込んできて寝ていました。
 2日は、例年の通り早朝に大文字山に登って朝風呂(銭湯)に行きました。ブランチでおせちとお雑煮を食べてから初詣です。近くの神社と先祖の墓参りをします。勿論29日に墓掃除を済ませてありました。今年からは私たち4人でお参りしました。
 3日は、家族でスーパー銭湯に行ったのちに外食です。この他にもボーリングに行ったりDVDを観たり、年末年始はずっと家族と過ごしました。子どもたちが大きくなって、それぞれに用事を作っては出歩きますが、彼らも私たち夫婦との時間を大切に思ってくれていたようです。本当に久しぶりに一家だんらんの時間を楽しむことが出来ました。また同時に「家族の支えあい」も実感することが出来ました。
 十分に充電ができましたので、これで今年度の終了まで思いっきり働くことが出来そうです。一日一日を大切に、二条中学校の生徒や教職員、保護者や地域の皆様のためになることに全力を注いでいく所存です。今年もよろしくお願いします。

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