最新更新日:2024/11/05 | |
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『“てっぺん”獲りに行こうや!』〜Catch the top !〜
「生徒が生徒と教職員を育てる」
いつの間にか朝夕に虫の鳴き声が聞かれるようになりました。日中はまだ暑いですが,早朝の愛犬の散歩の頃の気温は,もう真夏のそれとは異なります。“門掃き”をしていても,それほど汗をかかなくなりました。 さて,2学期が始まって1週間がたちました。始業式が今週の月曜日だったことを既に忘れてしまうほど忙しい毎日でした。そういえば,30年ほど前までは9月1日に2学期が始まり,そこから1週間ぐらいは午前中授業でした。教室にエアコンはなく,暑さが厳しかったこともあってのことだとは思いますが,学校生活が今と比べると,随分のんびりとしていたように思います。 時代が変わって生徒が変わっても,変わらないのが学校行事です。文化祭や体育祭(本校では体育大会)は秋の行事の花形です。文化祭の中身を学習発表会的なものに替える学校が増えてはきましたが,本校では依然として劇と合唱をはじめとした音楽発表,学級ごとの作品の制作と展示を中心に取り組みます。 私もこの時期に生徒たちとワイワイ言いながら,時にはぶつかりながらも取り組むことは大好きでした。本校の教職員が生徒たちと楽しそうに取り組んでいるのを見ると,今でも関わりたいと感じます。劇づくりや合唱づくりを通して,生徒の心を育てるとともに学級のまとまりや高まりを目指す営みは,学校にはなくてはならないものです。子どもは,こういう取組を通して“感動する心”や“仲間と協力すること”,“工夫すること”等を学びます。教科の学習だけでは身につけられない知恵や技術,生き方を学ぶ絶好の場面です。こうした行事を通じて,勉強だけで名はない『賢い子』に育ってほしいと願っています。 今年度は,新型コロナウイルス感染の問題と向き合いながらなので,例年と同じようには取り組めないことも多いのですが,それでも,出来ることを見つけながら生徒の“感性”を育てるべく取り組んでいきます。保護者や地域の皆様方には,生徒と教職員との取組を暖かく見守り,時に激励して頂ければ嬉しく思います。 今年度の文化祭と体育大会は,保護者や地域の方の参観をご遠慮願うことに致しました。会場の「密」状態を避けるためです。劇や合唱などの発表の際,当該学年の保護者の方にだけ会場に入って頂くという案と最後まで比較検討しましたが,やはり上級生の発表を下級生に見せることは教育的意義が高いと判断しました。上級生の発表を見て下級生が育ちます。態度や技術,意気込みなどのほか,演出の仕方なども学びます。そして,それぞれがやがて「伝統の力」となっていきます。今年度も,新たな伝統を重ねるべく,上の学年には特に頑張ってほしいと願っています。 生徒の成長の様子を観て,教職員もまたその力量をつけていきます。文化祭や体育大会までの取組を楽しみにじっくり見届けたいと思っています。 『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜
「本当は言いたくないこと」
5日,5組のサマーキャンプが行われました。例年は花背山の家で行っている行事で,5組の生徒が全員参加します。卒業生も参加してくれて,一緒にカレーを作ったりスポーツを楽しんだりするのですが,何と言ってもメインイベントは「ミーティング」です。これは,5組の生徒たちが自分の聞こえの問題に向き合い,経験したことや感じた(ている)ことを綴った文章を発表し合う場面です。今年度のその場面で2年生の女子が次のように言いました。「本当は言いたくないこと,でも,この場面でみんなに知ってほしいこと。」 不思議な表現だなとは思いましたが,私にはよく分かります。というのも,以前に同じような取組をしてきたからです。隠しておきたいようなことだけれども,皆に受け入れてもらったらすごく楽になる。そして,本音を打ち明けたこと,仲間の本音を聞けたことで,仲間同士の信頼関係(絆)が強まるのです。 児童養護施設で生活していること,被差別部落で生まれ育っていること,父(母)親が居ないこと,外国籍であること,障害があること,そのことからくる不安や悩み,親や先生から兄と比べられて辛いこと,友達関係がうまく作れず困っていること,勉強についていけず進路が不安なこと,etc…。道徳や学級・学年の集会の場面で多くの生徒が語り合いました。そして,その取組が自然にそして盛んにできた学年は,男女の仲がよく,互いに思いやりがあって楽しく明るく,いじめや嫌がらせなどが一切ない集団へと育ちました。 本校の研究主題の中に「仲間を信じて思いを語り合える集団をつくる」とありますが,具体的にはここに書いたような取組をすることなのです。以前に勤務した学校と比べると,二条中学校には様々な厳しい背景をもった生徒は少ないです。しかし,難聴学級の生徒をはじめ心身に障害がある生徒,外国籍の生徒,親子関係や友達関係の厳しい生徒は居ます。性的マイノリティーの生徒もいると思っておかなければなりません。その子たちが,自分のしんどさを安心して語れる場面をつくりたいと思っています。そして,ゆるぎない絆をもった集団に育てたうえで中学校を卒業させてやりたいと思って研究を進めています。 5組の「ミーティング」にその可能性が見えました。それは手話劇の場面かもしれませんし全校手話コーラスを作り上げる過程で生まれるのかもしれませんが,5組の生徒たちが全校生徒の前で,彼らが自分たちのハンデについて堂々と語り,それを当たり前に受け入れることのできる集団をつくりましょう。そして,5組の生徒の語りをきっかけとして,多くの生徒が「言いたくないけれど,知ってほしいこと」を出し合えたら,二条中学校は一人ひとりの生徒にとって居心地の良い素晴らしい学校になります。私はそのことを既に十分に実現可能だと思っているのですが如何でしょうか。 |
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