「願いと挑戦〜開校2年目下京渉成教育の確認〜」
下京渉成教育前期が終了し10月11日より後期が始まります。折り返し地点として本校教育について保護者・地域の皆様とともに再確認をしたいと思います。
学校を樹木にたとえるなら開校2年目は生育の促進をめざす時期だと思っています。本校が開校当初より取り組んでいる「対話力の育成」は,毎日の学習や学校生活での豊かな言語活動を大切にする教育として子どもの姿に見えるようになってきました。
樹木の生育に欠かせないものがあるように,子どもたちは,正しい言葉,美しい言葉,うれしくなる言葉を空気や水のように吸い込み,切磋琢磨という太陽エネルギーを浴びてたくましく育ってきていると確信しています。
本年は,5学区の大地にしっかりと根を張っていける子どもたちのために,次のような願いをもち,下京渉成小学校の校風づくりと教育の創造に挑戦しています。
「10年後の子どもの姿をイメージして学校と家庭・地域がそれぞれの責任で教育(協育)することを大切にしていきたい。」
“学校任せ”という言葉があるように,「勉強やしつけは学校,家庭は食事とテレビで過ごす場所」というようなことになってきています。さらには近隣の方とうまく付き合うことができない大人が増えているようです。
例えば,18歳になっている自分の子どもを思い浮かべたとき,どんな青年になっていてほしいでしょうか。夢を現実に近づけるために自分で勉強し,努力している姿。多くの人と交わり,その中に埋もれることなく自分らしく輝いている姿。隣近所の方と挨拶をかわし,自分の成長を我が子のように喜んでもらっている姿…等々。
本校教育の1年目の取組結果として下京渉成小学校の子どもたちは,すてきな笑顔で言葉のキャッチボール(受け応え)ができるようになってきています。しかし,まだ気持ちを届けるようなものにはなっていません。挨拶一つもそうです。10年後のよき姿を創るためにも私たち大人は,「気持ちよいあいさつだね。気持ちが通じるよ。」と子どもの言葉を受けて,相手意識を育てていきたいものです。そうすることが「人を好きになる=自分もまわりの人も大切にする第一歩」となるはずです。まず,私たち大人が相手に気持ちを届ける素敵な挨拶や会話,態度を意識して子どもに見せるようにお願いしたいと思います。
本校の子どもたちを支える大人の組織の総称を「虹の橋」と呼んでいます。学校運営協議会,子ども見守り隊,放課後まなび教室,地域関係者とPTA保護者・学校教職員がそれぞれの立場で「夢に挑戦する子どもたちの虹の架け橋になろう」と開校1周年時からその思いを一同に共有しています。
さあ,2年目は樹木の生育促進のように,「対話と知識を自在に使える子どもの育成」にいろいろな角度から挑戦したいと思います。今ある枠組み(行事や各取組)を特化したり変更したり,あるいは縮小したりすることもあります。ご理解いただきながら2年目の学校づくりにご理解ご協力いただきますようお願いします。
・笑顔と言葉,社会マナーの手本を見せながら,将来像をイメージして育てていきまし ょう。
・忙しい毎日の中に本を読んだり調べごとをしたりする大人の姿をたくさん見せていき ましょう。
京都市立下京渉成小学校長 大林照明