京都市立学校・幼稚園
文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
ハートフルマーク
Canvas 描くのは私達

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「振り返ってみて」
 生徒の皆さん,皆さんには将来就きたい職業がありますか。それを「夢」と表現する人もいるかもしれませんね。今回は私のことを書きます。何かの参考にしてもらえれば嬉しいです。
 私は,小学校の5・6年の時の担任の先生が好きで,「先生」という職業に憧れを抱きました。結構わんぱく者だった私を大事にしてくださったという印象を今ももっています。中学校の入学式では「新入生代表」で誓いの言葉を述べさせてももらいました。教員養成系の大学に合格したときも教員採用試験にパスしたときもその先生に報告しました。そんな私は,実は“小学校の先生”になろうと思っていたのです。採用試験も小学校を受験しました。体育の実技試験がこの二条中学校で行われたことを思い出します。小学校の先生を目指した理由はもう一つあります。当時は全国的に中学校が厳しい“荒れ”の状態にありました。保護者の方の中には覚えておられる方もあると思いますが,「金八先生」でそういう学校の様子がモチーフとなり,生徒の加藤が逮捕されるというストーリーが話題を呼びました。大学生だった私は,元々「小学校の先生になりたい」という気持ちがあったからでしょうが,『小学校教育がしっかりとしていれば,中学生が荒れることはない。』と本気で考えていました。だから一層,小学校の先生になりたいという気持ちを強くしていました。
 大学の卒業式までの期間,私は最後の休暇を楽しく過ごすべく春山へスキーに行っていました。そこへ母からの電話です。「産休でお休みになられる先生の代替教員として明日から勤務してほしいと教育委員会から連絡があったよ。」翌日,真っ黒に日焼けした顔で初めての職場へ向かいました。そこで40日ほど過ごすことになったのですが,その途中で教育委員会から呼び出されました。「君を中学校教諭として採用したいのだが,意向はどうか。」そんな事を言われて断ることもできず,中学校の先生としてスタートを切ることになりました。
 ここから先は昨年度の3月14日号に記した通りです。生徒指導に追われる日々に負けそうなときには,『とりあえず3年間は踏ん張って,小学校の先生に戻してもらおう!』と考えたりもしました。ところが,初めての卒業式を観,翌年初めての卒業生を出した時には『小学校の先生に戻りたい』という気持ちは全く失くしていました。
 アッという間に教師生活を終える年を迎えました。そんな年にコロナウイルス騒動で,十分な仕事ができないもどかしさを感じてもいます。今こそ敢えて言いたいです。「教師は,やりがいのある素晴らしい職業です。」この仕事に就いて,これまで頑張ってこれたことは本当に良かったと思っています。「自分がやりたい,こんなに楽しい仕事をしていて給料までもらっていいのかな。」新規採用当時,実際に感じたことですが,このことは今でも思っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「子どもにつけさせたい力」
 毎年,年度の最初の職員会議で二条中学校の「目指す生徒像」を共有します。校長が提案して全教職員で確認します。今年度,少し変更しました。以下に紹介します。
★「確かな学力」を身につけ,希望する進路の実現に向けて学力向上に取り組む生徒
★豊かな人権感覚を磨き,「共生社会」の実現を目指して行動する心豊かな生徒
★「生命の尊厳」をすべての基盤として,心身を鍛え,心身の健康に取り組む生徒
 これまで通り「知・徳・体」の観点から生徒像を定めていますが,子どもたちにはバランスよく成長していってほしいという願いを込めています。このバランスのことで言うと面白いたとえがあります。大学生の頃,「倫理学概論」という講義の中で小寺正一先生から聞いた話です。強烈な印象があったので,その後もずっと覚えています。
 因みに,小寺先生は大学を引退後,京都市教育委員会の顧問としてご活躍になられました。私も委員会に在籍した3年間は楽しく一緒にお仕事をさせていただきました。
 「すごく頭がよくて,運動能力抜群の“泥棒”が居たらどうか」という話で,人が社会で生きていく上で「徳」の部分が如何に大切かということが言われています。
 さて,二条中学校ではこの2年間,生徒に「対話できる力」をつけるべく取り組んできました。各教科,全学年がチームとして一斉に取り組んだので一気にその力が高められたのではないかと思っています。
 ところで,なぜ「対話できる力」なのかをもう一度説明しておきます。
 子どもが社会に出たとき,生きていく上で必要とされる力が見直されて久しいです。「何を知っているか」(知識・理解)よりも「何ができるか」(技能・表現)により重きが置かれるようになりました。とりわけ,表現力の中でも周りの人や取引先の人に上手く自己表現が出来たり,商品の価値を伝えたりできる力(コミュニケーション力)が重要であるとされました。実際,私の息子から聞いた話ですが,彼が受けた会社の面接は次のようなものだったそうです。面接官が言います。「私は活字を読むのが嫌いです。そんな私を『本を買いたい』という気持ちにさせてください。」
 「終身雇用制」も「年功序列賃金制」も一般企業ではなくなってきました。新しい企業ほどこの傾向は強く,優秀な人材のヘッドハンティングや転職,若い人の起業はまったく珍しくありません。このような時代だからこそ,自己表現力や,とりわけ豊かなコミュニケーション力が必要になってくるのです。また,会話や対話は脳を活性化するだけでなく,対話の中から得られた知識は定着しやすいともいわれています。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から,授業内容を変更していく必要があるとは思いますが,今年度も生徒に「対話できる力」をつけるべく授業を工夫・改善して取り組んでいきます。保護者や地域の皆様方のご理解とご支援をお願いします。
※写真は昨年度の1年生の授業の様子です。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「期待に応える」
 10年前に知り合った書家の先生から今年も“キャッチフレーズ”を届けていただきました。「直接会ってお渡ししたかったのですが,こういうご時世ですし郵送にしました。」事前にお電話を頂いていました。
 校長として初めて赴任したのが山科区にある花山中学校です。部活動が盛んで,体育大会では当時でも既に珍しくなったマスゲームに取り組んだり,学年劇と合唱コンクールの両方をやったりと諸行事は大いに盛り上がります。ヤンチャな生徒もいましたが,全体としてとても人懐っこい生徒たちが在籍しました。地域とのつながりが強く,地域の方に来ていただいて様々な活動をしていました。その中に書道の授業もありました。「ヤンチャな子たちもよく頑張るんですよ。もう可愛くてかわいくて…」ニコニコ笑いながらいつもそう言って1時間の授業を終えられました。
 3年目に「学校教育目標」に手を加えた際,それを大書してもらって玄関に飾りました。その年の創立50周年の式典の際には,式場と玄関に掲げる「題字」を書いていただきました。「こんな大役を任せて頂けただけで光栄です。自分が卒業した中学校ですもの,頂戴する訳には参りません。」と,謝礼は一切受け取られませんでした。
 次の学校へ異動しても,私は年度当初に“キャッチフレーズ”を定めて,生徒と教職員,保護者の皆様で共有していました。春先のある日,突然その先生から電話がかかってきました。「校長先生,HPで見ました。先生の学校の“キャッチフレーズ”や学校教育目標を書かせてください。」
 二条中学校でもやりましたが,生き方探究教育の一環として,「書家」という職業について,その職業に就いた経緯や喜び等をお話ししていただき,その後,学年集団の目の前で大書パフォーマンスをしてもらいました。生徒が驚いたことは言うまでもありません。本校で書いて頂いた作品(「誇」「絆」「熱」)は玄関に今も飾ってあります。
 教職員バレーボール大会に向けて,毎年オリジナルのTシャツやポロシャツを作るのですが,前の学校の時からこの先生に書いてもらった作品を背中に入れています。学校名も入っているので,公道を歩くときは少々恥ずかしい気もしますが,バレーボール大会や体育大会の時などには教職員も喜んで着てくれています。また,一昨年度からはPTAの方もお揃いのデザインでTシャツを作られ,体育大会や部活動の応援などの際に着て来られています。
 校長と地域の方という関係からスタートしましたが,今では私の学校経営のよき“理解者”であり“協力者”の一人となっていただいていると勝手に思っています。
 この方だけではありません。地域やPTAの皆様など,『二条中学校や不肖・澤田を応援してやろう!』と思ってくださる方々のためにも,今後も出来ることに全力で取り組んでいきます。皆様,いつも支えていただき,本当に有難うございます。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「生徒が可愛い!」
「はい、どーも、生徒会です。ありがとうございます。」「素敵な新入生を紹介されたんやけど。どこの中学校に入学するか、忘れてしまったらしいねん。」「中学校を忘れるって、どういうこと?」「うーん、色々、聞いたんやけど…結局、分からなくて。」「分かった。そしたら、僕がその中学校を考えてあげるから。その中学校のこと、教えて。」「分かった。その中学校には、校門、入ったらヤシの木があるらしいんよ。」「そしたら、それは、二条中の新入生やろ。」「カナリ君とカナコちゃんっていう、キャラクターまでいるもんね。」「じゃあ、二条中学校の新入生や。」「そうか、二条中の新入生か。」「私も初めは、そう思たんよ。でも、分からないんよ。」「何が分からないんよ。」「いやね、その中学校の校長先生は、学校にも、生徒にも、冷めてるっていうんよ。」「ほな、二条中学校の新入生とちゃうな。二条中学校の澤田校長先生は、めちゃめちゃ熱いもんな。」「この間、触ったらやけどしたで。二条中学と言えば、校長先生が思い浮かぶしな。」「じゃあ、二条中学校の新入生とちがうな。」「でもね、その学校には、ウーパールーパーがいるらしいんよ。」「それは、二条中学校の新入生やな。」「二条中の職員室前には、いつも何考えてるかわからへん、ウーパールーパーがいるもんね。」 「何やかんやいうて、愛くるしいねんな。愛くるしい通り越して、ポケット入れときたいわ。もう二条中学とちがう?」「でも、その中学校は、ホームページが1回と限定されてるらしいんよ。」「ほな、二条中学校ちゃうやん。」「二条中学校のホームページは、1日に10件は、更新されるくらい、とてつもない量があるしね。」「ホームページ見んのは、地味に楽しいねんな。もう、これで決まり!うちの中学校やわ。」「でも、分からんのよ。その人が言うにはね。」「その中学校の正式名称は、京都市立二条中学校っていうらしいねん。」「じゃあ、二条中学校の新入生やん。今までの時間、返して。」「もう、ええわ。」
 とても懐かしい気がしますが,上の会話文は,今月9日に行われた1年生対象の生徒会オリエンテーションで,本部役員の子たちが二条中学校を紹介したものです。昨年末のM-1グランプリで見事にチャンピオンの座についたミルクボーイのネタをヒントに本部役員の中の誰かが作ったのでしょう。
子気味良いテンポで進行し,とっても面白かったです。かなり練習もしたはずです。私のことも出てきて照れ臭かったのですが,何とも言えない気持ちになりました。
「可愛い」と言ったらよいのか「愛おしい」と言えばよいのか,とにかく,「この子たちを大事にしたい!」と今も強く思います。楽しそうにパフォーマンスする子たちだけではありません。素敵な笑顔でそれを聴く子たち,この場にいない2・3年生も含めて,この子たちのことが可愛くて仕方ありません。今年度,3学年が揃ったのはたった2日だけです。『早く学校が再開してほしいです。』心からそう願っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「自覚と自主性で」
 皆さん,元気に過ごしていますか。「人との接触を8割減らす」を目標に,私も『この土・日は家にすっこんでいよう』と決意して臨んだのですが,辛抱できませんでした。TVはどの番組も同じような内容です。大好きなDVDも,そう何本も続けて観ることはできません。新聞や本の活字は長時間読むと乱視が出てきます。
 『今日なら家以上に人との接触がないだろう』と思って学校へ来てみました。途中の道は,いつもの日曜日に比べると圧倒的に車通りは少なかったです。道を歩いている人の数も同様です。『みんな,ちゃんと「非常事態宣言」を意識しているんだな。』と思いました。しかし,学校の近くまで来たときです。二条公園の人の多さに驚きました。うちの生徒が居たら注意しようと注視しましたが,その姿は認められませんでした。良かったです。
「人との接触が7〜8割減らせたら,感染者数を減らしていける。しかし,半分程度なら今と同様に増え続ける」TVの中で専門家の人が言っていました。この事態をGW明けで終わらせるために,国民全員が一致団結して臨まなければなりません。
 今年度の1年生(小学校・中学校・高校・大学)は本当に気の毒です。希望に胸を膨らませてくぐった新しい学校の校門。入学したとたんに休校です。ほとんどの大学では入学式すらなかったそうです。「せっかく努力して合格したのに,まだ大学生になった実感がない。」これもTVの中での学生のコメントです。経済も既に大変な状況です。自粛が求められる中,お客が来ないために経営ができない会社やお店が続出しています。勿論そこで働く人たちも給料がもらえません。
 日本の「非常事態宣言」には罰則規定がありません。行動の自粛は国民の自覚と自主性に任せられているのです。阪神淡路大震災や東日本大震災の大惨事の際,日本人の道徳性が世界中から高く評価されたことは以前にも書きました。今回もそれが試されています。被害の大きさ,深刻さが見えにくいのが今回の大きな特徴ですが,私たちはあの時と同じような意識を持って臨まなければなりません。
 GWがあけて学校が再開されたとしても,気を付けなければならないことはたくさんあると思います。2年間取り組んで,大いに成果を上げてきた「対話できる力」をつける学習活動を続けていく方法を模索しなければなりません。体育大会の団体種目は密集状態を作ります。プログラムも再考しなければならないでしょう。文化祭の頃には全校生徒や保護者の皆さんが揃って講堂へ入れるようになっていてほしいです。
考えれば考えるほど不安が大きくなりますが,先のことより先ずは,5月6日で「非常事態宣言」が撤回されるように,私たちのできることに取り組みましょう。
 私には二条中学校の関係者に呼びかけることしかできませんが,是非とも賛同して,不要不急の外出や密集状態での活動は厳に慎んでほしいと思います。5月7日,生徒の皆さんと共に楽しい学校生活を再開したいと心からそう思っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「“s”は生徒一人ひとり」
 今年度のキャッチフレーズは,
“Dreams come true !”〜夢は叶う〜
としました。ところで,“Dream comes true !”とどう違うでしょう。1年生には今は分からないと思いますが,じきに英語の時間に学習するはずです。
 昨年度のはじめに私の夢を語りました。「二条中学校を京都で一番の学校にしたい」というものです。その際,どうなれば一番と言えるのかという指標も示しました。そうして迎えた今年度,私はこの学校に在籍する生徒一人ひとりの夢が叶ったとき,私の夢が叶うという考えに至りました。だから,DreamではなくDreamsとしたのです。“s”には“生徒一人ひとり”という意味を込めました。
 小さい子は「ウルトラマンや仮面ライダーになりたい」と言ったりします。そういう夢を否定するわけではありませんが,中学生には,実現可能な,出来るだけ具体的な夢をもってほしいです。そして,それは二条中学校を卒業するときやこの一年を終えるときに実現できるようなものであることが望ましいです。
 一つ,例をしめします。「医者になりたい」という夢をもつ人がいたとします。それを逆算して考えるのです。『医者になるには,大学の医学部に行かなければならないなあ。』『それって,理科系の学部だな。』『だったら,高校でも理科系・科学系の勉強ができたらいいなあ。』『嵯峨野高校や桃山高校にそんな専門学科があったんじゃないかな?』とまあ,そんな風に考えて夢というか目標を定めてほしいのです。
 全校生徒の皆さんが,個々の夢を見事に実現できたとき,私の夢は実現します。
 教職員にも保護者の皆さんにも「夢(目標と言ってもよいでしょう)」を持ってほしいと思います。『男女の仲が良く,何事にも楽しく一生懸命に取り組める学級を創りたい。』『行事のたびに盛り上がれる,でも決して一人も辛い思いや悲しい思いをする人がいない学年にする。』『いつも子どもの声に耳を傾けられる関係でいたい。』『進路実現に向けて,子どもと一緒に悩み考え,行動できる一年にする。』実現に向けて,決して難しくない「夢(目標)」がよいでしょう。
 一つひとつの夢を実現してください。そして,子どもも大人も,夢の実現に向けて,その経過を交流してください。大いに語り合いましょう。夢は一人ひとり別のものでも,交流し共有することで案外共通点が見えてくるかもしれません。また,そのことで夢の実現の時期が早められたり,より高度な夢が設定できたりするかもしれません。
 新型コロナウイルスの影響で,学校生活がストップしたままです。しかし,こういう時期だからこそ,今一度,自らの「夢(目標)」について,具体的に構想してみましょう。それが明確に定められたのちに再スタートが切れたら,この時期の休校が今年度の学校生活に有効に働くかもしれません。
 Dreamsの最後の“s”は,生徒・保護者・教職員の皆さん一人ひとりを意味しています。私の夢を実現させてください。
 Dreams come true 〜夢は叶う〜

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1画像2
「石垣」
 「映ゆ緑 真澄の空よ 二条城 湛えし み濠の ゆかしさに
我が学園の いや栄え 二条 二条 我が二条」
 言わずと知れた二条中学校々歌の一番の歌詞です。
 今日の昼,昼食を買いがてら二条城の周りを歩きました。まさに今,二条城が校歌にある通りの様子を見せてくれており,とても美しいと感じました。
 私が二条城のお濠を見て,一番美しいと思うのが左上の角度から見た写真です。この場所がなぜ「かぎ状」になっているのか分かりませんが,きっと理由があるのだと思います。
 さて,石垣に目を移します。美しく積みあがられた石垣ですが,よく見ると,大きな石の間に細かな石が挟み込まれていることが分かります。そして,おそらく,この部分こそが築城当時のものだと思うのです。同じ大きさに美しくカットされた大きめの石だけが組まれた部分は,後に修復あるいは造られた部分だと思うのですがどうでしょうか。
 ところで,私は大きな石の間に小さな石が挟み込まれた石垣に「組織」を感じます。学校の組織もそうですし,会社や役所の組織もそうです。組織には大きな役割の人ばかりではありません。必ず大きな役割の人の間を埋める小さな役割の人が必要です。いえ,この小さな役割の石(人)がいなければ組織は傾いたり,場合によっては崩れたりしてしまうでしょう。小さな石は,自分の役割を意識しているかどうかは分かりません。また,整った形の大きな石の方は,小さな石の存在に気付いているかどうかも分かりません。でも,この小さな石は,石垣を持ちこたえさせるうえで,なくてはならない重要な役割を果たしているのです。
 私はこれまで,教師になりたてや教師を目指す若い人たちに対して「自転する歯車に成れ!」と言ってきました。次のような話を続けます。
 「組織には大きな歯車も小さな歯車もある。それが学校なら校長や教頭,各主任などは大きな歯車と言えるだろう。一方,先生になりたての人たちはギア数の少ない小さな歯車だ。各歯車がきっちりとかみ合っていれば,大きな歯車が頑張っていれば組織は動く。しかし,それでは大きな歯車はしんどくて仕方がない。小さな歯車も自分で動いてほしい。そして,『たとえ小さくても自分という歯車がなかったら,この組織は動かないんだ』という自覚と誇りを持ってほしい。すべての歯車が自分と仲間の役割を知り,自分で回りだした時,その組織は勢いよくどんどん前へ向けて動くんだ。」
 二条城の石垣を見て,そんなことを思い出しました。我が二条中学校の組織はどうでしょうか。生徒の皆さんが所属する学級という組織はどうでしょうか。PTAという組織はどうでしょう。大きな石も小さな石も,それぞれに役割があります。そして,その一つでも外れれば石垣は崩れてしまうのです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「ニジョランのすゝめ」
 振り返ると,2019年度は病気やけがに悩まされた一年でした。このように書くと心配されそうですが,健康が取り柄の私にしては…ということです。
 6月には10数年ぶりに痛風発作が出て歩行困難になる。8月にはジョギングのあと熱中症で倒れる。2月にはジムでギックリ腰になり整体や整形外科通いになる。どれも公務に支障が出るほどの大きな病気やケガではないものの,日常生活では不自由な思いをしました。特に,健康と気分転換のために楽しく実践しているジム通いとニジョランができなかったのは辛かったです。
 昨日,2か月ぶりにニジョランをしました。腰のリハビリもかねての“ゆっくりジョグ”です。3周を走り切ることを目標に出発しました。スタート直後は快調でしたが,すぐに脚に感じたことのない疲れを覚えます。歩幅が徐々に縮まります。途中で,同じく二条城の周りを走っている在校生や卒業生に出会いました。たとえ走るスピードは遅くても無様な姿は見せられません。彼らの前では颯爽と走ったつもりです(笑)。
 今朝は,特に下半身が強度の筋肉痛です。ニジョランくらいで筋肉痛になることはなかったので,筋肉や体力の衰えを感じざるを得ません。初めてそれを意識したのは,5年位前です。教職員バレーボールの練習が始まる頃,早めに体育館へ行ってバレー部の練習に参加させてもらいました。パスの練習では何ともなかったのですが,スパイクの練習を続けると急に跳べなくなり疲れを感じました。まさに『あれっ!?』と思った瞬間でした。また,その頃から体育祭のリレーで前を走る生徒を抜くことが難しくなりました。バトンをもらったときは『この距離なら…』と思って走り出すのですが届かないのです。ソフトボールをしても思うようにボールが投げられません。得意のテニスでさえ,乱打でボールを長く打ち続けられなくなりました。
 どのスポーツも何とかごまかしながらやってはいますが,頭の中のイメージ通りにはできていないのが実情です。とうとうそれがジョギングまでに来たことは少なからずショックです。しかし,年齢を重ねるとともに体力が減退するのは当然のこと,受け入れてうまく付き合えるように努めることにします。
 昨日のニジョランは,肉体的には疲れましたが,精神的には爽快な気分になりました。生徒と出会えるのも大きな楽しみです。今後も勤務終わりに続けます。生徒諸君,私を見かけたら気軽に声を掛けてください。遠慮せずに抜いていって結構ですが,「校長先生,がんばれ!」などの声掛けは絶対に忘れないようにお願いします。私としては,いつまでも生徒の皆さんと触れ合えることを楽しみとしているのですから。
 二度目の休校体制に入って3日目になりました。そろそろ家に閉じこもっているのに退屈を感じるころだと思います。みなさん,時間を作って二条城の周りを軽く走ってみませんか。“いい汗”をかいたら気分は最高です。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「気持ちを引き締めて」
 「人との接触を8割減らす努力を!」首相はじめ,都知事や有識者が繰り返し言うので,昨日は早朝に愛犬の散歩に出たほかは,一切家から出ずに過ごしました。こんな休日を送ったのは本当に久しぶりです。
 子どもたちが小さなうちは,休日に我が子と遊ぶのが楽しみでした。二人の息子たちはそれぞれに部活動を頑張っていたので,彼らが中・高校生の間は部活動の試合の応援に行きました。下の息子の時には保護者会長まですることになり,忙しい思いはしたもののこれもよい思い出です。下の子が大学生になってからは,妻と愛犬と過ごす時間を,2人(一人と一匹)には悪いのですが,退屈に感じるようになりました。以来,休みの日も学校へ出るようになりました。学校に来ると,練習試合を始め,部活動等に励む生徒の姿を見ることができます。生徒の様子を先生から聞くこともできるし,活動を見に来られている保護者の方とお話しすることもできます。溜まった仕事を片付けるにしても,休日だと落ち着いてできるので,これは今も嫌いではありません。
 半月後にGWがやってきます。例年ならば,テニスの会場を起点にして各部の応援に市内をバイクで走り回っています。試合会場で生徒や保護者の方といろいろなお話をしますが,それが楽しく,関係を築くきっかけにもなっていました。GW中の生徒の応援はこちらのエネルギー補給になっていたのに今年はそれもできません。
 とはいえ,私も生徒たちも健康でいられるからこそ,こんなことも言えますが,ひとたび身近なところに感染者が出たら様相は一変するでしょう。そうならせないための方策であることは分かっていながら,どうしても愚痴っぽくなってしまいます。生徒たちが辛抱しているのですから大いに反省しなければなりませんね。
 今は,特に3年生を大事にしてやりたいと思っています。楽しみにしていた修学旅行は,日程だけでなく方面までも変更せざるをえません。部活動の春の大会もなくなりました。この体制がいつまで続くのかは分かりませんが,日曜参観や体育大会などもどうなるのかわからない状態です。3月の初めから授業が止まったままで,高校受験のことを考えると大いに不安です。
 「今の二条中学校はどんなことにも熱心に取り組み、一人一人が主役になれる最高の学校です。また、生徒だけでなく、校長先生を始めとする教職員や保護者の方々は二条中学校の自慢です。いつも僕たち生徒のことを1番に考えてくださり、熱い言葉で僕たち生徒を引っ張ってくださる最高の道しるべです。僕たちはこのような素晴らしい環境で学校生活を送れることを幸せに思っています。」
 着任された教職員に対して代表生徒が述べた言葉の一部です。こう言ってくれる3年生の想いに何としても応えなければいけません。授業が再開されたときを思い,どんな時も気持ちを引き締めてかからなければならないと思っています。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

画像1
「部活動でつけさせたい力」
 春季大会の中止が正式に決定しました。新型コロナウイルスの感染が拡大しつづける中,仕方のない措置だとは思いますがやはり残念です。特に,秋の新人戦で3位に入った野球部や,1年生の頃からレギュラーとして活躍する選手の多いサッカー部とテニス部に対する期待は大きかったので,今回の中止の決定を受け入れるのは厳しかったです。
 約1か月前,「選抜高校野球大会(春の甲子園大会)」の中止が決定したとき,選ばれていた学校の選手たちが,その報告を聞かされて涙している模様がTVで放映されていました。そのとき,『ひょっとしたら中学校の春の大会も同様に中止になるのではないか』と思ったのですが,果たしてその通りになりました。
 高校球児たちは「夏の大会を目指してがんばる!」と言っていましたが,本校の生徒たちも同じように強い気持ちをもって今後の成り行きを見守り,体力づくりなどを中心に,個人で出来ることを考えて取り組んでほしいと思います。
 3月5日以来,部活動がない中学校での生活を送っています。毎日が定期テスト前のような感覚で,放課後の仕事がはかどる一方で確実に物足りなさを感じています。というのも,私にとってもそうでしたが,“部活動指導は中学校の教職員の大きな役割のひとつ”と捉えて取り組んでいる者が多いからです。
 部活動の指導は,昨今取り沙汰されている「働き方改革」の中でも特に注目されている部分です。中学校の教職員の超過勤務時間の多くを部活動指導が占めるからです。欧米はじめ諸外国の多くでは,学校は勉強だけを教えるところだという認識が当たり前です。教師は学習指導のプロであって,生活指導や部活動指導はしないと考えられており,日本の部活動が担っている活動は社会体育や習い事の中で行われています。
 日本が貧しかった時代の学校給食や修学旅行,態度や言葉遣いなどの躾など,部活動と共に日本では学校がそれらを丸抱えしてきました。「学校の先生の言わはることは親の言うこととおんなじや! 先生に謝れっ!」私が教師になった頃には,まだこんなフレーズが聞かれました。教師反抗をした生徒に父親が実際に発した言葉です。
 時代の変化と共に学校教育も変わってきました。教師の生徒丸抱えは,家庭からの絶対的信頼を得た半面,学校依存・教師依存をも生み出してしまいました。教師の働き過ぎは是正されなければなりませんが,一方で,部活動指導で大事にしてきたもの(それは技術指導以上に重視してきた挨拶や言葉遣いや道具を大事にする姿勢などの生活態度です)まで失わせてはならないと思います。
 放課後の学校から部活動に励むの声や音がなくなってしまった今,改めてこれからの部活動の在り方や学校の在り方について考えてしまいます。
 このテーマについては,今後も考え続けていきたいと思います。
※写真は,現在のキャプテンと副キャプテンの集合写真です。

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
京都市立二条中学校
〒602-8155
京都市上京区竹屋町通千本東入主税町911
TEL:075-821-1196
FAX:075-821-1197
E-mail: nijo-c@edu.city.kyoto.jp