最新更新日:2024/09/17 | |
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜
「壁になる」
8月30日には3年で、そして昨日は1年で「学年道徳」をさせてもらいました。この年齢、この立場になっても授業の前には緊張します。前の晩は、色々と考えて毎回あまり眠れません。しかし、授業後は『やって良かった』と思うことができます。やはり、私は教師なのですね。授業という場面と時間を子どもたちと共有することがとても楽しいし、子どもの発言に感心させられエネルギーをもらうこともしばしばあります。また、授業の感想を読むと、そこに書かれた内容に励まされ、大きな喜びも感じます。 1学期には休日参観で3年、2学期には1年、そして3学期には2年で、年に3回「学年道徳」をさせてもらっています。毎日授業をする先生方と比べると準備に時間をかけられることもあって、その1回に賭ける思いは当然強くもなります。 授業実践を続けている校長は、京都市内でも多くはないと思います。決して自慢するつもりはありません。また、教職員に対しておもねるつもりもないのですが、こうしてさせて頂いていることに心から感謝しています。 私が授業実践を続ける理由ですが、もちろん授業(づくり)が好き、子どもと共有する時間が大好きという部分はあります。しかし、別の意味もあるのです。『偉そうに』と思われると心外なのですが敢えて書くことにします。 2つあります。1つは参考にしてほしいと思うことです。私の後に続く後輩教師たちに、私の実践を見せることで学び、自らの実践を振り返り、新しいことに気づき挑戦してもらいたいと思っています。もう1つは、この授業を学級づくりや学年づくりに上手く使ってほしいのです。 先日、ハイチ出身のアメリカ人の父と日本人の母をもつ大阪なおみ選手が、全米オープンテニスで優勝しました。大阪選手の国籍は日本。日本人としての全米オープンチャンピオンは歴史上初めての快挙で、メディアにも多く取り上げられました。優勝賞金が4億2000万円というのも驚きです。彼女の優勝スピーチも多く紹介されましたが、松岡修造氏とのやりとりが一番印象に残ったのでここで紹介します。 松岡:「我慢強くなったね。我慢しているとき、どんなことを思っていたの?」 大阪:「"You can do it !"とずっと、心の中で自分に言い聞かせていました。」 突然耳にした"You can do it !"に心が躍りました。 私は信じています。後輩はいずれ先輩を乗り越えていくものです。そして、生徒はいつか教師を乗り越えていかなければなりません。もちろん、簡単に乗り越えられないような「高い壁」になる覚悟は、私にも二条中学校の教職員にもあります。目の前の高い壁を乗り越えようとする営みこそが人間を育てます。 "You can do it !" 君たちなら、いずれきっとそれができるはずです。 『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜
「愛校心を感じるとき」
「今までに経験したことのないような…」「25年に一度あるかないかの…」非常に強い台風21号が接近してきた際、アナウンサーがこんな言葉を発しました。 教育委員会から早々と翌日を臨時休校にする旨の連絡が入りました。当日の午後は、外へ出ることは到底考えられないほどの暴風雨になりました。校舎の玄関の窓越しに何度も外を窺いましたが、アナウンサーのコメントを思い出し『確かに!』と感じたところです。 嵐が去った後、校門の外を見てビックリしました。ハナミズキが2本根っこから倒れています。桜の太い枝が折れています。二条城内の樹木が真二つに折れたり根からえぐれたりもしていました。後にTVで知ったのですが、高潮で関西空港の滑走路が完全に海水に浸かっています。流された船舶がぶつかり連絡橋を壊しています。トラックや自動車が横転するシーンや風で吹き飛ばされるシーンも映し出されました。 暴風雨に耐え、踏ん張るカナリーヤシの姿をHPにアップしました。 「カナリーヤシが心配です。大丈夫なことを祈ってます。」最初はPTAの役員さんから連絡が入りました。これに対しては「彼は頑張りました」と返しました。 翌日になって出勤してきた先生が私に向かって「カナリーが無事でよかったですね。」と声を掛けてくれました。また、登校してきた女子生徒が校門に入るなり「カナリーヤシ、大丈夫やった。よかったーっ!」とつぶやきました。更に、退職された校長先生からも電話を頂きました。「玄関のカナリーヤシ、倒れんかったか?」。 カナリーヤシは、本校のシンボル・ツリーです。しかし、これ程まで深く生徒や教職員、保護者の方の心に入り込んでいるとは気づいていませんでした。 嵐の後、通学路をふさぐ倒木を何とかしようと何人かの教職員で枝を切りに出ました。しかし、一向に作業が捗りません。結局「明日、みんなでやろう!」と諦めました。そして今朝です。いつもより早めに出勤した私は、目に飛び込んできた光景に驚きました。たくさんの生徒と教職員とが、倒れた木々の処理をしてくれていたのです。朝練習に来た生徒とその顧問が、練習を取り止めて作業にあたってくれたのでした。教職員はどんどん増えていきます。“楽しむ”と言っては不謹慎ですが、生徒たちも決して嫌々やってはいません。TVでよく、被災地で働くボランティアの姿が映し出されますが、まさにそんな光景でした。 カナリーヤシを心配する人たちの存在、自分たちの学校を自分たちの力で復興させようと作業する生徒と教職員の姿、将に公立学校のあるべき姿だと感心し、写真に収めながら感動したりもしました。 台風被害で失ったものはありますが、それ以上の得るものがありました。自分たちの学校を大切に思う心は、非常時にこそ強く感じることができるのかもしれません。 |
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