京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/09/17
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「幸せにならねばならない」
 16日(土)、前任校の若い教員2人の結婚式と結婚披露宴に出席してきました。今は2人ともそこを離れて別々の学校で頑張っています。今回は「乾杯の音頭」を任されました。乾杯の発声の前にはスピーチも行いました。(そちらがメインです…笑…)
 こういう席上で、私はいつも若い二人に同じメッセージを贈ることにしています。それが「幸せにならねばならない」ということです。
 現在、日本の社会には様々な原因で厳しい環境の下で生活することを余儀なくされている子どもたちが少なくありません。6人に1人が貧困だと言われる今の社会にあって、結婚披露宴をしない人は少なくないと思います。日々の生活には経済的にも時間的にも“ゆとり”がなく、体を寄せ合うようにして暮らしている家族をこれまでいくつも観てきました。そういう家庭に育った子どもたちにとって、一番のモデルは学校の先生です。教師は、夫婦が互いを尊敬し合って不仲よくすること、愛情をもって子どもを育てること、そういうことを受け持つ子どもに具体的に見せる必要があると思っています。休日の部活動に子どもを連れて学校に来る先生が居ます。色々な事情があってそうしているのでしょうが、これも悪いことではないと考えます。この機会に子どもへの接し方を見せ、生徒が憧れるような親子関係を伝えればよいのです。
 それぞれ違った環境で育った元々は他人の2人が夫婦になります。生活習慣や考え方が異なっていて当然です。一緒に暮らすようになって初めて気づくことも多くあるでしょう。家族になるとは、互いがそれらを受け入れながら、新しいその家庭の文化を作っていくことです。その過程には色々なことが起こります。喧嘩があって当然です。その時に思い出してほしいのです。私たち教師は、子どもたちのモデルにならなければならない、幸せにならねばならないのだと。幸せはやってくるものではありません。理想的な夫婦像や家庭像を抱いて築いていく先にあるものなのです。
 先日、父の一周忌法要を済ませました。父の世話がなくなって母が少々弱りましたが、私の弟妹の家族も含めて、父のいない生活にも慣れました。父の代わりに地域の行事や寺社関係の会合に出る機会も増えました。その立場になって初めて、父が家族のためにやっていてくれていたこととその配慮の多さに気づきます。
『こんな時、父ならどうするだろう』近頃はよく考えます。私が家族や親戚、近所との付き合い方、更に人生について考えるとき、そのモデルの中に父が居ます。
 学校では教職員や生徒のモデルにならなければ…と考えて行動してきたつもりです。社会的な面だけではありません。そういう家庭をも築かなければならないと思って努めてきました。意識し過ぎだと笑われるかもしれません。でも、若い先生方には、是非ともそういう気持ちをもって生活してほしいと思っています。

『“てんぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「忘れてはいけない」
 13日(水)の6時間目、大地震が起こったことを想定して避難訓練を行いました。消防署の方と地域の消防団の方にも来ていただき評価をしてもらいました。全体としてはまずまずの出来だったと思いますが、幾つかは気になる部分がありました。それについて、生徒に対しては訓練の最後に、そして教職員に対しては翌朝の職員朝礼で話をしました。
 若い頃から避難訓練に真剣に取り組んできたかと問われれば、恥ずかしながら否。でも今、学校の責任者である校長として、この意義の重大性を強く感じています。
 やはり、神戸と東日本の2つの大きな震災を体験したからだと思っています。
 一昨日は雪が降るような寒いグランドでだったので長い話を避けました。そこで、この紙面で少々詳しく伝えたいと思います。是非、読み進めてほしいです。
 22年前のあの日。普段から眠りの深い私が大きな揺れを感じて飛び起きました。今でこそ雨音ででも起きることがありますが、当時はまだ34歳。一旦眠れば少々叩かれても起きないような状況だった私がです。妻子が寝ている隣の部屋へ急行します。当時2歳半だった上の息子は、何も知らずスヤスヤと眠ったままです。その息子の上にお腹の中に下の子を身籠っていた妻が四つん這いで覆いかぶさっています。結婚して3年足らず。当時妻は27歳。人間的には色々と頼りなさを感じていましたが、この時ばかりは彼女の中の逞しさと、母性のすごさ、素晴らしさを感じたものです。
 学校へ着いた頃、被災地の様子がTVから伝えられてきました。目を覆うばかりのシーンが次々と映し出されます。高速道路が横倒しになり、途中でちぎれてバスが落ちかけていました。神戸の街が瓦礫の山になっています。初めて「液状化現象」というものも知りました。場面が変わると、火災の広がっている様子が映し出されます。燃えさかる炎に包まれて倒壊した家屋の下敷きになっている人たちがいるのかと想像すると、地獄絵図を見ている思いがしました。それでも、京都市の学校では普通に授業ができました。授業が終わると、教職員がTV画面の周囲に集まりました。画面の端に死者の数や行方不明者の数が出され、刻々とその数が増えていきます。『もう増えないでくれ!』そう思ったものです。何日もTVではこの地震のことが報道されました。自衛隊や消防、警察官による救助の様子が増えていきます。担架で運ばれるのは『おそらく遺体だろう』と、当たり前のように思うようになっていきました。
 教師として、この経験を通じて学んだことを当時はまだ生まれていなかった今の子ども達に伝えなければならないと思っています。決して“過去のこと”にしてしまってはいけないのです。またこの機会に、家でも神戸や東日本の震災について話をしてほしいと願っています。そして考えてほしいです。普段からどんな備えができるか。どういう心掛けで居なければならないのか。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「出会いを大切に」
 12月2・3日の両日、「第69回全国人権・同和教育研究大会(全人同教)」へ参加するため島根県へ行ってきました。本校からは、私の他に2人の先生が一緒です。かつて、校区に被差別地域のある学校に勤務していた際には、毎年この大会に参加することが恒例で、楽しみの一つになっていました。というのも、ここに行くと大きな刺激と新たなエネルギーをもらってくることが出来るからです。当時は、2万人ほど(主催者発表)の教育関係者が大会に参加していました。目の前の児童生徒を徹底的に大切にした取組が具体的に次々と報告されます。それを受けて熱い討議が起こります。時には厳しい意見も聞かれますが、それも子どもを大切にするあまりであることをそこに居る者は分かり納得しています。会場は常にもの凄い熱気に包まれ、時には発表の内容や会場からの意見に涙が出そうにもなります。
 自分がそんな経験をしているので、校長になってからは特に若い人たちをこの大会へ誘うようにしてきました。雰囲気を口で伝えることは難しく、その場に我が身を置くことで理解しやすいと考えるからです。初めは自校の先生たちから始めましたが、京都市中学校教育研究会人権教育部会(中人研)の会長になってからは、全市に広く呼びかけています。ここ何年かは、現地で夕食をともにしながらの交流会をもつようにもしています。勤務する学校が異なる教員が集まり(初対面の人たちも少なくありません)、自校や自分の取組や人権教育に対する思いを交流し合います。昨年度は兵庫県の人たちと合同で交流会をもちました。私の場合、こうした出会いと繋がりが貴重で大きな財産になっています。
 「初めて参加させていただき,さまざまなことを経験させていただきました。また,色々とお気遣いいただき,京都から行かれた先生方とも通じることができました。大変お世話になりました。この経験をこれからの自分に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。」「2日間ありがとうございました。本当に学び多く、今日からまた頑張れました。写真、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」「全人同教に参加させていただきありがとうございました。本当に大きな刺激をうけることができました。また,交流会の時にも熱いお話ありがとうございました。メールでのお礼になってしまい申し訳ございません。今後とも勉強させて下さい。」
 これらは、はじめて参加した先生方からのメッセージです。教育活動を展開していくうえでネットワークは大事です。何か事を起こそうとするとき、これが大きな強みになります。実際、何度もそんな経験をしてきました。今回の出会いが、参加した皆さんの今後の実践に活かされることを念じてやみません。また、これは生徒たちにも言えることですが、常に新たな出会いを求め続ける人であってほしいと思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「学び」
 早いもので12月の声が聞こえてきました。12月を「師走」と言います。中学生か高校生の頃、この言葉は「唐の時代の中国で、この時期になると新しい仕事先を求めて先生が走り回った」ことから生まれたと学んだ記憶があります。しかし、今はその説は定かではないとされているようです。とにかく12月になると、学校の先生は成績処理や懇談会の準備、私事でも年賀状書きや日ごろ出来ない家事などで忙しく走り回ることになることに間違いはありません。
 ところで、この成績と懇談は、特に3年生にとっては進路を決める上でとても大事です。忙しさのためにミスをすることがあってはなりません。どんなに忙しくても自分の仕事に責任をもち細心の注意を払って仕事に当たりましょう。それがプロです。
 さて昨29日(水)、学校運営協議会の発足式を行いました。これで二条中学校もコミュニティ・スクールになったわけです。コミュニティ・スクールとは、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組む「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みです。これによって、学校運営に地域の声と力を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくができるようになります。
 私はかつて教育委員会学校指導課に在籍していました。そこで学校運営協議会も担当しました。先進的に取り組んでいる学校の様子をたくさん見てきました。上手く取り入れ、活用することによって学校経営が変化し、子どもの学びが変化し、教師の仕事が変化し、学校の在り方そのものが変化していくことも学びました。今年四月、本校へ赴任してきて、「今年度中に学校運営協議会を立ち上げることになっている」と前任校長より引継ぎました。既に立ち上げの準備が進められてもいました。これらをうまく機能させられるよう、また、そこに現任の校長としての思いを込められるように考えてもきたつもりです。
しかしながら、本校に赴任して8か月。分かっていないことがたくさんあったことを知りました。発足式を迎えるにあたって、地域の方をはじめ、行政関係の方やPTAの皆様、教育委員会の担当の方々など、本当に多くの方とお話しをする機会をもちました。原案を描いてからの4か月余りは新たな学びの連続であったと思っています。そして、皆様方からこの地域のこと、地域と学校とのつながり、学校にかける思いや期待など、改めて深く教えて頂きました。学校運営協議会を立ち上げるという目的に向けて動くことで、別の大変貴重な学びができたことを大変嬉しく思っています。
 学びには目的をもって行うものが多いですが、今回のように目的外のそれもあることに改めて気づきました。地域の方から聞いた2つの言葉が大きな財産になりました。
「これが西陣のルールや!」「雨降って地固まるやなあ」
 肝に銘じて今後の学校経営に活かしていきます。これからも宜しくお願いします。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「品格」
 寒くなりました。秋はいったい何処へ行ったのかと問いたくなります。今日は「冬テスト」最終日です。今回のようにテスト期間中に祝日が入ることは大変珍しいです。生徒たちも昨日はじっくりと学習ができたのではないでしょうか。また、先生の方も“ゆとり”が持てたのではないかと思っています。
 今朝のことです。なんと、愛用のバイクで家を出てから学校に着くまで1度も信号にかかることなく到着しました。こんな経験は初めてです。『今日は何か“よいこと”があるのでは…』と密かに期待しているのですが、今のところそれらしいことはありません(笑)
 さて、大相撲(角界)がマスコミを賑わしています。本場所の内容よりも、横綱による傷害事件があったのかどうかとか、被害者の力士の親方の対応がどうだとか、ニュース番組やワイドショーではかなりの時間が割かれています。そして、ここでよく話題にあげられるのが“横綱の品格”です。
 PCで検索してみると、さすがに今、たくさんヒットしましたが、そのなかで日本相撲協会が言うところの“横綱の品格”とは以下の通りです。
  一 相撲に精進する気迫  二 地位に対する責任感  
  三 社会に対する責任感  四 常識ある生活態度  五 その他
 これを“校長の品格”と改めて考えてみました。
 一の「相撲に対する」という部分を「教育に対する」とういう風に言い換えるだけで、あとはすべてそのまま当てはめて考えることが出来そうです。“校長の品格”が私に備わっているかどうかは人に評価してもらうことです。自分としては、これまでも『そうありたい』と思ってきましたし、今後もそのように努めていくつもりです。
 もう一歩突っ込んで“教師の品格”と変えて考えてみたいと思います。
 二条中学校の教職員、京都市の教職員の全員がこれを備えていなければなりません。目の前の生徒を徹底的に大切にすること、生徒や保護者の思いや願いを受け止める気持ちと姿勢、質の高い授業内容とその準備、諦めない姿勢、身だしなみ、言葉遣い、時間を守ること、etc…挙げ出したらきりがありません。
 生徒の場合はどうでしょう。「学習に精進する気迫」「二条中学校の生徒であることに対する責任感」と共に一人の人間として、社会に対する責任感と常識ある生活態度を身につけていなければならないことになります。保護者の皆様の場合は、「子育てに精進する気迫」「親であることに対する責任感」となります。あとは同じです。本校の教職員と生徒の皆さん、併せて保護者の皆さま、もちろん私自身も含めてこの機会に一度自分を振り返ってみましょう。
 自分に“教師の・生徒の・保護者の品格”は備わっているでしょうか。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「違っていいんです」
 12日(日)、洋服ダンスの入れ替えをしていたところ、20年近く前のでしょうか、長いこと袖を通したことのないブレザーが出てきました。もう、その存在すら忘れていた代物です。最近は小さめのジャケットやスーツを着るのがトレンドなので試しに着てみました。鏡に映った姿を見て『いけるんちゃう!?』と思い、そのまま妻に観てもらいました。「ええやん」その一言で自信をもって、翌日、学校に着てきましたが、誰もそんな古いものであるとは気づかなかったようです。
 さて、今週になって急に秋が深まってき、それに伴って木々が一気に色づいてきました。ところで、校門を入ったところに山茶花の木が一本あります。今週になって赤い花をつけました。『こんなに寒くなってから咲く花もあるんやなあ。』毎年この時期になると思うことです。動植物にはいろいろな種類があります。太陽光がほとんど届かないような深海で暮らす生物や寒い場所を求める渡り鳥、冬に咲く花など、我々人間にとっては不思議です。でも、どれもその環境に応じたつくりになっていますし、うまくその環境に適応しているのです。
 昨日、PTA生涯学習委員会主催の家庭教育講座で“スワッグ”という壁掛け用の花束を制作しました。風通しの良い所へ掛けておくとドライフラワーにもなって長く楽しめるという代物です。
 参加者は全員同じ植物(花材というそうです)を使いました。手順も教えて頂いた通りに進めます。なのに、出来上がったものはすべて少しずつ形や大きさ、雰囲気が異なりました。作成者のセンスや技術が異なるのは当然ですが、どれも素敵なものに仕上がりました。また、不思議なことに制作者が思った通りに出来上がりもしません。「まるで子育てのようです」と終わりの挨拶で言いました。同じように育てているつもりでも子どもは同じには育ちません。また、親がこう育ってほしいと願った通りに育たないことも多いです。
 参加者の方が、出来上がった“少しずつ形の違ったスワッグ”を大事そうに持って帰られるのをみながら、親子の関係に思いを巡らせました。ひょっとしたら、ある瞬間『あの人の作品の方がステキ!』だとか、『どうして自分のはこんなのなのか?!』と思った人があったかもしれません。でも、やっぱり自分が作った作品、自分にしか作れなかった作品を気に入って大事にされるのだろうと思うのです。
 色々な動植物が居るように色々な子どもが居てよいのです。いえ、そうでなければおかしいのだと思います。3年生はこれから本格的に進路を決定していきます。自分に合ったそれを見つけ、自信をもってその道を進んでほしいと思います。そして、保護者の方と共に我々教職員も彼らを信頼しつつ出来る限りの応援をしたいと思うのです。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「流れ」
 3日の金曜日、野球部と男子バスケットボール部が秋季新人大会の準決勝を戦い、共に決勝戦を目前に涙をのみました。その後の順位決定戦では双方とも見事に勝つことが出来、“ホッと一息!”といったところです。
野球の試合は、以前に居た花山中学校が相手で、保護者の方の中に知った方が何人も居られて懐かしい反面やりにくかったです。(試合前には、「わかさスタジアム」で決勝戦を戦いましょう、と言っていました。)
 さて、バスケットボールの表彰式後の講評で「流れ」のことが話題に上りました。準決勝では、うちのチームが「流れ」に乗りかけて乗り切れずそれを相手にもっていかれてしまいました。その状況を観ていてちょうど私も同じことを考えていたので、とても共感しながら聴きました。そして、その翌日から行われたソフトテニスの試合では、この「流れ」を特に意識して観戦しました。
 「流れをつくる」「流れをつかむ」「流れに乗る」。勝つためにはこれらが大事な要素で、勝つときにはこれらが上手く働いているはずです。
 「流れをつくる」には、元気よく声を出すことや思い切ったプレーをすることが効果的です。バスケットボールなら速攻や3点シュート、バレーボールならサービスエースやバックアタック、ソフトテニスなら前衛アタックやサービスまたはレシーブエースがこれをつくるきっかけになるように思います。「流れをもってくる」とも言いますが、こうして得たポイントのあとは一気にこちらのペースになるものです。
 期せずして出たナイスプレーやファインプレー、ラッキーなポイントを得たとき、或いは相手のミスなどによって「流れ」が来る時があります。『来たな!』と思ったらそれを上手くつかむことが肝要です。
 そして、一旦つかんだらその流れに乗り、決して相手に渡さないようにしなければなりません。野球やサッカー、バレーやバスケットなどなら、流れの行き来は何度かあるのでしょうが、試合時間が短いテニスや卓球だと、流れに乗れるかどうかは勝負の行方を大きく左右します。
 ところで、「流れ」は日常生活、もっと言えば、人生においてもあるように思います。何をやっても上手くいくときやその逆もあります。流れにないとき、それに逆らって無理をすると状況が益々悪くなることだってあるかもしれません。流れを見極め、“グッ”と我慢することが必要な時もあるでしょう。中学生にはまだ難しいかもしれません。周りの大人が見極め、的確に伝えることが大切です。ただ中学生でも、部活動等での経験を活かして、生活の中にある「流れ」を意識することには大きな意味があると思うのです。
 「流れをつくる」「流れをつかむ」「流れに乗る」。よりよく生きていくために、これらを意識しながら生活してみてはどうでしょうか。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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「空気は人がつくる」
 実に厳粛で、まるで入学式か卒業式のようでした。昨日の「認証式」です。
 この雰囲気を作るきっかけになったのは、前生徒会長の退任の挨拶だったと思っています。厳選された美しい言葉を聴きやすい口調で伝えてくれた挨拶には、体育館に居た生徒と教職員の全員が聴き入りました。時折発せられる若者感覚と、今この人にしか語ることのできない率直な内容だったからです。
 「この二条中学校をマンガよりも面白く、コンビニよりも身近な存在にしたい。」「皆さん人は今、夢中になれるものはありますか。私の中学校時代の思い出といえば、生徒会活動ばかりですが、…(略)…何か一つ自分の好きなものを見つけてください。そして、それを中学校生活の中で十分に楽しみ、全力を尽くしてください。」
 総勢9人が退任の挨拶をしましたが、決して長くは感じませんでした。そのどれもがその人らしく、生徒会活動への熱い思いが溢れる内容でした。そして、すべての挨拶に共通していたことが、周りの人に対する感謝の気持ちが込められていたことです。「先生や本部の仲間、委員会の人たちに支えてもらってやってこれました。心から感謝しています。」異口同音にそんなことを言っていました。素直な感謝の言葉は、強い力をもっているということを確認もできました。
 会が進行していきます。選出された新役員の呼名、認証書の授与、代表者の挨拶などと続きますが、雰囲気は変化しません。会場は水を打ったように静かで緊張感に満ちていました。全員がまっすぐに舞台を見上げ、頭を動かす人は一人も居ません。フロアで見守る人たちもこの雰囲気を作るのに貢献しているのです。教師をやってきて30年以上が経ちますが、ここまでの雰囲気の「認証式」は初めてです。壇上の人のつくる緊張感がフロアに伝わってそれを更に強くし、出来上がった特別の空気感でした。生徒たちだけでなく教職員も、そうそうできないよい経験が出来ました。
 今正直に打ち明けますが、式の最後に話をすることになっていた私はこの雰囲気に呑まれそうになっていました。普段通りでは済まされないような気がしたからです。
 雰囲気は、その場にいる人間全員が作ります。ミュージャンや役者、そして芸人、いくらそのパフォーマンスがよくても、観客が“しんどい”(のりが悪い)場合は良い舞台になりません。同じことが授業でも言えます。よい学びは、一生懸命に伝えようとする授業者と、一生懸命に学ぼうとする学習者との間にのみ生まれるのです。どちらか一方でもいい加減な気持ちで居てはダメなのです。
 新たに生徒会の役員になった皆さん、新生徒会長の挨拶の中にあったように、素晴らしい先輩から受け継いだよき伝統を大切にしながら、思い切った行動を起こして、二条中学校に是非新しい“熱い風”を吹かせてください。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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『根を張り広げろ』
 台風21号による暴風雨の影響で校門横の森の大木が1本倒れました。『案外、根が広がってないんやなあ』倒れた木の元を観て率直にそう思い、処理をしに来てくれた植木屋さんにそのことを尋ねました。
「土がすこぶる良いのだと思います。だから、木が根を広げなくても十分な栄養と水分を吸収できるんです。」納得しましたが、なんだかとても複雑な気持ちになりました。
 教育や子育てと同じです。良すぎる環境で育つと“ここぞというときに弱い子”が育ってしまいます。そういえば、富士山麓にある青木ケ原という森の木々は、溶岩と火山灰の上に積もった10センチもない土に生えている。でも、縦横にしっかりと根を張っていて少々の風雨でもビクともしないと聞いたことがあります。
 一昨日、生徒会本部役員の立会演説会と投開票が行われ、新しい生徒会役員が決定しました。立会演説会でのスピーチは、内容・態度とも誰ものがとても立派で、生徒たちは誰に入れるか迷ったに違いありません。特に、1年生の2つのポストには、どちらも3人が立ちました。これまでもあらゆる場面で活躍してきた人たちです。スピーチも十分聴かせました。「長い時間でお疲れになっているでしょうが、もうしばらく聞いて下さい。」そんな言葉から始める1年生がいました。アドリブでしょうか。1時間を越えて演説を聴いている全校生徒の様子を見て、とっさに判断しそう発言したのだとしたらこの機転には驚きます。
 1年副会長のポストに立った3人も合わせると、4人が落選することになりました。理解したうえで立候補しているとはいえとても残念です。2年生の中にも落選した人がいて、その人たちも実にもったいない思いです。今後は是非学級や学年のリーダーとしてその力を発揮してほしいと願っています。
 昨日今日と、それとなくその子たちの様子を見ています。授業中も登校の様子も普段と変わりなく過ごしているように見えます。でも、きっと胸中は穏やかでないに違いありません。『よくぞ頑張っているな』とじっと見守っています。おそらく、ほかの先生も周りの生徒たちも同様にしているはずです。
 人生は、上手くいくことばかりではありません。上手くいかないときを成長にとってのプラスの時期だと捉えてみてはどうでしょう。「根性」という言葉があります。生まれつきの性格のことですが、しんどい時に“グっ”と踏ん張り、それを乗り越える強い気持ちを表すように使われています。ここに「根」という文字が使われているのも興味深いですね。何か重大なことが起こった時、簡単に倒れてしまわないように、普段から太く強い「根」を張り広げていってください。
 校門横の倒れた大木の切り株からは、きっとすぐに次の芽が出てくると思います。

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top〜

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『集団の成長過程』
 昨朝は、校門で今年度初めて自分の息が白くなるのを見ました。一気に冷え込み、早朝は寒いくらいです。一方、生徒の中には半袖のカッターシャツで登校する者も居り、『元気やなあ〜!』と声をかけつつ『風邪ひくなよ』と心の中で念じているところです。
 さて、昨朝から生徒会本部役員に立候補した人たちが校門に立って自己PRを始めています。まだ少々照れくさそうではありますが、「○○です。宜しくお願いします!」と声を張っています。折しも、世の中では衆議院の解散による総選挙の真っ只中です。生徒は今回の選挙をどう見ているのでしょうか。家庭や授業の中でそんなことにも触れてみてほしいと思います。選挙権が18歳まで下がって、もう3年もすれば選挙権(参政権)が得られるのですから国の政治にもそろそろ興味を持ってほしいものです。
 本校の候補者たちは、様々な場面で活躍する先輩の姿を見て『自分もあんな風にやってみたい!』と感じて立候補したのでしょう。1年生のポストが2つありますが、そのどちらにも3人の候補者が立ち激戦になっています。選挙にも3年生の強い影響力を感じます。3年生を中心とした現執行部の人たちは実にしっかりしています。行事のたびに司会や挨拶、発表をする態度や姿、その内容に驚いたことも一度や二度ではありません。また、先日の文化祭でのオープニングに観られるとおり、健全な楽しみ方と楽しませ方も知っています。彼らの楽しそうに活動する姿と、しっかりと生徒を引っ張っていく牽引力と行動力を見てきたからこそ次の人材が育ってきたのです。
 昨日、体育館では幼稚園児との交流が行われました。家庭科の授業の1つで、全市の各中学校で実施されるようになってもう7〜8年になると思います。
 普段は「可愛いな」と感じる中学生たちが随分と逞しく見えます。中には一緒に来ておられる幼稚園の先生と変わらない印象を受ける生徒も居るほどです。中学生にしてみれば、“遊んであげる”という気持ちで交流を始めるのでしょうが、いつの間にか幸福な気分になっている自分に気づくはずです。これは『自分が人の役に立っている』という満足感で、“自己有用感”と言います。年齢の上の者が下の者の“あこがれの存在”となり、そのことで“自己有用感”を感じてどんどんよい集団へと育っていくのです。反対の現象も起こりもします。こちらの方が想像しやすいかもしれません。先輩がいい加減な態度でいると後輩は『あんなふうにはなりたくない』としか思いません。または、先輩の悪い部分を見習って、よくない伝統が生まれてしまいます。
 「素晴らしい生徒さんたちですね」保育所の先生からそう言ってもらいました。たまらなく嬉しいです。先輩と後輩、先生と生徒、互いに刺激し合って、“てっぺん”目指して更によい学校を創っていきたいものです。

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