最新更新日:2024/06/08 | |
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『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜
「教育実習に思う」
私の教育実習となると,もう40年程前になります。今は4年生(回生)が実習に来ますが,私の頃は3回生で行ったように記憶しています。教師を目指して大学に入学した私にとって,実習の毎日は刺激的でとても楽しかったです。ただ,学習指導案の作成に対しては指導教官がとにかく厳しく,一緒のグループになった女子学生は何度も泣かされていました。「この指導案で,一体何を教えるつもりなんや!指導意図や指導の過程が全く分からん!」そんな一言で,何時間もかけて書き上げた指導案を突き返されていました。 今はそこまではしませんが,実習生に対しては厳しく指導しています。というのも,教育の現場は決して甘くないからです。いい加減な気持ちの人が教師になったとしたら,おそらく授業や学級経営が全く上手くいかないでしょう。実際のところ,毎年,決して少なくない新規採用教員が不調をきたしています。そうなれば,その本人が傷つくのは当然ですが,それ以上に不利益を被るのが児童や生徒たちです。彼らはある意味ではとても正直です。授業や学級経営が下手だとまず必ず荒れます。今はあまり聞かれなくなりましたが「学級崩壊」などで学級が荒れるのは児童や生徒のせいだけではありません。往々にして教師の方にも大きな責任があるものです。 1つの学級が荒れだすと,それを治めるために他の教師に負担がかかります。疲れが溜まってくると,不平や不満が聞こえ出します。そうなると一学級の問題ではなくなります。学年,学校全体で時間と労力を掛けて対応しなければなりません。こういう不幸を引き起こしてはならないから,教師を目指す若者には厳しく接するのです。 技術は学べばよいのですが,心構えとか情熱,特に人間性を人から学ぶことはできません。教育に対する熱が低い人,教師としての心構えの甘い人,何よりも豊かで魅力的な人間性をもっていない人は教師に向かないと思ってよいでしょう。 私は,教師は素晴らしい職業だと思っています。しかし,もう一方で決して楽な仕事だとは思っていません。仕事とプライベートの境界線が明瞭でない部分も多くあります。深夜に及ぶ家庭訪問や休日を返上しての部活動指導など,一般のサラリーマンからすれば「ありえない」ことでしょう。近年,就職活動を行う大学生からは“ブラック(企業)”とされてもいるようです。 それでも私は,教師を素晴らしい職業だと思っています。生徒と一緒に楽しんだり,生徒の成長を喜んだり,授業で生徒に「分かる喜び」を感じさせることが出来たり,時にはことが上手く運ばず,悔しい思いや悲しい思いをすることもあったり…。 教育実習ではこれらのことも少しですが学びます。今年度本校に来た3人の教育実習生が,教師は素晴らしい職業であると思ってくれたこと,子どもたちのために頑張って素敵な教師になろうと決意してくれたことを期待します。 |
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