学校日記

Global CitizenshipⅠ~校内巡検 第4回:問いを受け取り、「自由の芽」を発表に向けて磨く~

公開日
2026/07/28
更新日
2026/07/28

学校の様子

 こんにちは、GC教育部です♪


 1年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅠ」では、「校内巡検」の単元に取り組んでいます。


 第1回では、紫野高校の中を「自由」という視点で見直し、校内にある不自由さや、もっと自由にできそうな場所を探しました。第2回では、見つけた「自由の芽」を、実現可能性と実行意義の両面から整理し、提案として育てていくものを選びました。第3回では、その提案によって自由になれる具体的な一人をペルソナとして考え、提案書の形にまとめていきました。


 今回のテーマは、「問いを受け取り、『自由の芽』をもう一歩育てる」です。


 第4回では、作成した提案書をさらにブラッシュアップしていきました。生徒たちは担当教員と必ず3回以上面談を行い、自分たちの提案書に何が足りないのか、どこを深めればより説得力のある提案になるのかを考えました。


 面談では、教員からさまざまな問いが投げかけられました。


 「この提案は、誰のどんな不自由を解決するものですか」


 「本当にその人は、この提案で自由になりますか」


 「費用はどれくらいかかりますか」


 「誰が、いつ、どのように実施しますか」


 「安全面や公平性は大丈夫ですか」


 「別の誰かに、新しい不自由を生んでいませんか」


 生徒たちは、最初からすぐに答えられたわけではありません。むしろ、面談を終えて戻ってくると、「そこまで考えられていなかった」「思っていたより甘かった」「いい案だと思っていたけれど、実際にやるとなると難しい」と、少しへこんだ表情を見せる場面もありました。


 しかし、そこからが今回の授業の大切なところでした。


 生徒たちは、指摘を受けて終わるのではなく、「では、どうすれば届く提案になるのか」をグループで考え直していきました。もう一度ペルソナに戻るグループ、実施方法を細かく書き直すグループ、費用や必要物品を調べ直すグループ、想定される課題と対応策を追加するグループなど、それぞれが自分たちの提案をもう一段階深めようとしていました。


 生徒たちの提案には、ホワイトボード、駐輪場、階段、トイレ、中庭、教室、冷水機、傘立て、エアコン、机と椅子など、毎日の学校生活に関わる本当に身近な場所やものが並びました。一つひとつは小さな困りごとに見えるかもしれません。しかし、そこには「誰かがもっと安心して過ごせるようにしたい」「もっと気持ちよく学べるようにしたい」「紫野高校をより自由で心地よい場所にしたい」という思いが込められていました。


 たとえば、ホワイトボードの汚れに注目したグループは、それを単に「きれいにしたい」という話で終わらせず、授業に集中しやすい環境や、先生と生徒の負担軽減につなげて考えていました。雨の日の水滴に注目したグループは、床が濡れる不快感だけでなく、滑ってけがをする危険や、木造校舎を大切に使うことまで考えていました。校内の案内表示に注目したグループは、入学したばかりの1年生や留学生、来校者が安心して校内を移動できることを目指していました。


 また、段差の解消を提案したグループは、足をけがしている人や校内の移動に慣れていない人、重い荷物を持っている人など、さまざまな立場の人の移動の自由を考えていました。先生の居場所が分かりにくいという課題に注目したグループは、質問や提出、相談のしやすさを支える仕組みを考えていました。


 面談を重ねる中で、生徒たちは「いいアイデア」と「実行できる提案」は違うということに気づいていきました。


 思いつきの段階では魅力的に見えても、実際に学校に届けるためには、根拠が必要です。費用や人手、時間の見通しも必要です。安全面への配慮も必要です。そして何より、「誰のどんな自由を広げるのか」がはっきりしていなければ、提案はぼやけてしまいます。


 生徒からは、「面談で聞かれて、ペルソナがまだ弱いことに気づいた」「費用や管理のことを考えると、思っていたより難しかった」「でも、少し直したら本当にできそうな提案に近づいた気がする」「先生に質問されて悔しかったけれど、もう一回ちゃんと書き直したいと思った」といった声も聞かれました。


 この「悔しいけれど、もう一回考える」という姿が、今回の授業ではとても印象的でした。


 提案書をブラッシュアップする時間は、きれいな文章を整えるだけの時間ではありません。自分たちの考えの甘さに気づき、問いを受け止め、それでも「この提案を伝えたい」と思えるかどうかを確かめる時間でもあります。


 へこむこともあります。うまく書けないこともあります。考え直すほど、最初の案がそのままでは通用しないことに気づくこともあります。


 けれども、それは失敗ではありません。むしろ、提案が本気になってきた証拠です。


 「こうなったらいいな」という思いつきが、「この人のこの不自由を、こう変えたい」という提案に育つためには、何度も問い直す必要があります。今回、生徒たちはその問い直しに向き合いました。


 今回の授業を通して、校内巡検で見つけた「自由の芽」は、少しずつ学校に届けられる言葉へと近づいていきました♪