生徒インタビュー@校長室Vol.5「歴史を学んでいると、現代の世界情勢にも興味が広がります」(3年8組齊藤みくさん)
- 公開日
- 2026/07/22
- 更新日
- 2026/07/22
校長室より
「一歩踏み出すGlobal Citizen」を体現する生徒の活躍を紹介する校長室インタビュー、第5弾は3年8組齊藤みくさん(洛北中出身)です!
――昨年11月の国連80周年プレイベント(※)はどうだった?
齊 最初は緊張するかとおもったけど、みんなとできた達成感のほうが大きかったです。何度も話し合って、練りに練って作ったから、プレゼンテーションも完成度が高かったんじゃないかと思う。
――その通りだと思うよ。見てて頼もしかった。
齊 初回に3人が考えたいテーマを持ち寄った時点では、他の2人がルッキズムという点で共通項が多かったけど、最終的に目指したい結論は一緒で、それぞれが自分の伝えたいことを伝えつつ、統一感を持たせることができたと思います。
――この経験はあなたに影響を与えた?
齊 自分の考え、伝えたいことを自分の言葉でまとめることは新鮮で、いい経験値になっています。これから役立つはず。
――そう言ってもらえると、嬉しいです。齊藤さんとの出会いというか、最初に話したきっかけは、修学旅行のクアラルンプールの空港だったね。
齊 そうでしたね。あのときはチェックインでクラスの一番後ろに並んでたら、まさかの自分の直前で分断されちゃって、話し相手がいなくて。
――そうそう。そのとき、齊藤さんが新書を読んでたんだよね。タイトルに「ソ連」という単語が見えて。あれは岩波新書だったかな?
齊 ちくま新書です(松戸清裕『ソ連史』2011年)。政治の話が好きで。ソ連時代は社会形態もちがうし、戦争史も含めて、ひとの闇が浮き出ていて興味深かった。
――それで、どうしてその本読んでるの?ってぼくが話しかけたんだよね。
齊 はい。中学生のときにウクライナ侵攻が始まって、道徳の授業でドキュメンタリー番組を見せられたんです。ウクライナの人々がどういう攻撃を受けていて、どんな非人道的なことが行われて、どんな思いでいるのか。それを見て、ロシア側の意見が聞きたいな、と思ったんです。それを友達に言ったら、「お前、ロシア側なの?」って、あからさまな拒絶反応で。あの会話がきっかけで、こんな大舞台に繋がって、ありがとうございます。
――とても大事なことだと思うよ。あの侵攻自体は明確な国際法違反だけど、ロシアがそのような行動に出るのにどんな背景があったのか。日本での報道の切り取り方に、偏りはないのか。
齊 はい。ウクライナ側も攻撃しているし、ロシア側はどういう被害を受けているのか。一方的な見方に違和感がありました。
――齊藤さんと話していて、2年前に東京外国語大学のロシア語専攻に入学した先輩を思い出した。おじいさんがシベリアで林業に携わっていた方で、ロシアの人々やロシア文化の魅力について幼い頃からいろいろ話を聞かせてもらって、ずっとロシアに愛着があったんだって。学者は自分の学問分野を愛しているから、今、日本のロシア研究者たちは複雑な思いを抱えているはずで、君のロシア愛はきっと面接官の教授にも響くはずだよ、って応援してたら、見事に合格した。あの本以降は?
齊 大きな本屋に行って、タイトル見ながら本を探してます。図書館にも行きます。歴史からわかることもあるけど、それだけじゃない。政治・経済の授業がすごく楽しみ。
――政治に興味があるの?
齊 歴史を学んでいると、現代の政治から、現代の世界情勢にも興味をもつようになった。もともと社会が好きだったんですけど、社会は自分たちの生活に直結していて、おもしろい!と思える。自分は数学苦手なんで、言っちゃ悪いんですけど私にとっては……、関数わかったらなんやねん、って。
――ぼくも正直、そっち寄りだったかも(笑)。でも、ぼくの同期の化学の先生に言わせると、「この世に存在する物質は全部化学で表せる! 世の中は全部化学から見えると思ったら、化学はおもしろい」って。「興味」って、何が世の中や人間に直結してるかを、自分なりに捉えることなのかもね。将来は?
齊 公民科の高校教師になりたいです。人に教えるのが好きで。試験前に友達に教えるとか、些細な経験ですけど、人と話しながら模索していくのが好き。ありがとう、って言ってもらえると嬉しいし。
――そうか! 最短であと……何年後だ? 齊藤さんとは、ぼくはギリギリ同僚になれるかどうかだね。どんな先生になりたい?
齊 生徒との関係、対話を大切にする先生。個人個人を大事にしたい。
――まさに今の時代に大切なことだね。
齊 まだ将来は一つに絞っているわけではないですけど。人を引っ張るのは苦手かな。
――じゃあ、研究者はどう?
齊 父には推されてます。実は父が物理学の教授なんです。
――え、そうなの? どんなご研究を?
齊 粒子の動きをシミュレーションする……。ちょっと論文タイトル検索しますね……、『変形する粒子のジャミング転移と固有振動』。
――わ、ホントだ! スゴイなー!
齊 数学や理科を教えてくれるから、テスト前はめちゃくちゃお世話になってます。母も理系、弟も理系で。
――お父さんはどんな方? 研究者という仕事については何て?
齊 厳しめです、礼儀や勉強についても。文理選択や将来については強制されませんでした。研究者の道も、否定は全然されないけど。自分の好きなことを一日中考えながら仕事できるのは楽しいよ!って。
――いいねえ。そもそも齊藤さんはどうして紫野へ?
齊 まずは校風に惹かれた。直感だけど、ここがいいなと思いました。学力面でも、目標としてぴったりだった。きっかけは中3のときに行った学校説明会。それまでも話は聞いていたけど、そんなに興味はなかった。説明会に来て、校風めっちゃいいってなって、行きたくなりました。自由で、主体性があって、自分のやりたいことを自分の力でできる、みんな生き生きしてるのに憧れました。
――入学してみて、どうだった?
齊 みんな目標をもっていて、期待していたとおりで満足しています。それに、みんな気遣いができる。嫌な人がいなくて、びっくりした。話しやすい。入ってみて初めてわかったけど、これってスゴイことじゃないかって。かなりの強みですよね。ここにしてよかったと思う。優しい人多いよ、ってアピールしてます。
――ありがとう! そういうとこが、うちのよさだよね! アカデミア科の雰囲気は?
齊 アカデミア科、いいですよ。80名2クラスで、クラス替えするとほとんど知り合いになるから、団結力がある。文化祭や体育祭に関しても話し合いが進みやすいし、リーダーシップがある人、夢や目標のはっきりしている人が多い。自分についてよく知っていて、自分に自信がある。
――おお! アカデミア科の魅力をしっかり言語化してくれてありがとう。3年生になった齊藤さんの今後の学びも楽しみにしています!
齊 ありがとうございます。
※ 昨年11月8日(土)に国立京都国際会館で開催された国連公開講座「国連と日本の未来〜京都から世界平和を願って〜」。第2部「若者からのメッセージ」に、本校からアカデミア科2年(当時)齊藤さんのほか、普通科3年(当時)西浦果乃さん、アカデミア科1年(当時)太田瞳花さんが登壇した。
【写真1枚目:国連公開講座の壇上にて。左から齊藤さん、西浦さん、太田さん】
【写真2枚目:国連公開講座の当日資料】