特別講座「レゴ®シリアスプレイ®で考える第3のイノベーション」を実施しました!
- 公開日
- 2026/05/27
- 更新日
- 2026/05/27
学校の様子
5月10日(日)、京都市立紫野高等学校にて、特別講座「レゴ®シリアスプレイ®で考える第3のイノベーション」を実施しました。
本講座は、本校の教育目標である「一歩踏み出すGlobal Citizen」の育成に向けた取組の一つとして企画したものです。今回は、希望する生徒を募り、本校生徒23名、中小企業経営者5名、教員13名の計42名で実施しました。
講師には、石原正雄先生をお招きしました。石原先生は、レゴ®シリアスプレイ®のマスタートレーナーとして、企業や教育機関などさまざまな場で、レゴ®ブロックを活用した対話、組織開発、価値創造のワークショップを実践されています。また、手を動かしながら考え、作品をもとに語り合うことで、一人ひとりの考えや価値観を引き出す学びの場づくりに取り組んでおられます。
今回のテーマである「第3のイノベーション」は、MITスローン経営大学院のDavid Robertson博士が提唱した考え方です。イノベーションと聞くと、既存のものを少しずつ改善することや、まったく新しい技術や仕組みに置き換えることをイメージしがちです。しかし「第3のイノベーション」は、今ある強みや大切にしてきた価値をすべて壊して新しくするのではなく、それらを土台にしながら、その周辺に新しい価値を生み出していくという考え方です。
本校では、総合的な探究の時間「Global Citizenship」において、生徒たちが「自由の実現」をテーマに、自分自身の関心や社会の中にある不自由さについて学んでいます。今回の特別講座は、そうした日頃の学びをさらに社会に開き、生徒が実際に地域や社会で活動されている方々と出会い、対話し、価値を生み出すことの意味を考える機会として実施しました。
ワークショップの前半では、レゴ®シリアスプレイ®に慣れるための活動を行いました。参加者は、レゴ®ブロックを使って作品をつくり、その作品に込めた意味を語り合いました。作品をもとに話すことで、年齢や立場の違いをこえて、一人ひとりの考えや感じ方が自然に場に出ていきます。
その後、石原先生から「イノベーションとは何か」「第3のイノベーションとは何か」について講義をしていただきました。さらに、レゴ®ブロックを活用したスノーモービル作りを通して、複数のイノベーションの違いを体験的に学びました。言葉だけで説明を聞くのではなく、実際に手を動かし、形にしながら考えることで、生徒たちは「何を変えるのか」「何を残すのか」「どこに新しい価値を生み出すのか」について理解を深めていきました。
後半は、経営者の皆さまから、ご自身の会社や事業についてお話を聞きました。参加された経営者の皆さまは、農業、食品卸売、経理会計、社会福祉、個人コンサルティングなど、それぞれ異なる分野で活動されています。生徒たちは、経営者の皆さまが仕事の中で大切にしてこられた価値や、地域やお客様に届けているものについて話を聞きながら、率直に質問しました。
生徒からは、
「なぜその仕事を続けているのですか」
「どんなときに一番やりがいを感じますか」
「これからどのような価値を届けたいですか」
といった問いが自然に出てきました。経営者の皆さまも、その問いに答える中で、ご自身の仕事の意味や会社の価値を改めて言葉にしておられました。
今回の講座で印象的だったのは、大人が高校生に一方的に教える場でも、高校生が話を聞くだけの場でもなく、同じ作品を前にして一緒に考える場になっていたことです。生徒にとっては、社会の中で価値を生み出すとはどういうことなのかを、具体的な人の言葉を通して感じる時間になりました。また、経営者の皆さまにとっても、高校生の率直な問いや柔らかい発想に触れることで、ご自身の仕事や会社の価値を、いつもとは違う角度から見つめ直す機会になったように感じます。
4時間のワークショップでしたが、参加者からは「もっと話したかった」「まだまだ聞きたいことがあった」という声が多く聞かれました。生徒と経営者が、レゴ®ブロックの作品を間に置きながら真剣に語り合う姿がとても印象的でした。
今回の特別講座は、単発のイベントとして終わるものではありません。本校では今後、総合的な探究の時間をさらに社会に開かれた学びにしていきたいと考えています。生徒が地域や社会で実際に活動されている方々と出会い、対話し、現実の課題や価値創造に触れる経験は、これからの探究学習にとって大切な学びになります。
今回の「第3のイノベーション」のワークショップで得た学びを、次年度以降の総合的な探究の時間の授業づくりにもつなげていきたいと考えています。
最後になりましたが、講師としてご指導いただいた石原正雄先生、ご参加いただいた中小企業経営者の皆さま、本当にありがとうございました。生徒、経営者、教員が同じ場で手を動かし、考え、語り合う時間は、本校にとって大変貴重な学びの機会となりました。