Global CitizenshipⅡ~「社会と私」第2回:制限を外すと、何が残る?~
- 公開日
- 2026/04/30
- 更新日
- 2026/04/30
学校の様子
こんにちは、GC教育部です♪
紫野高校2年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅡ」の様子をお伝えします!2年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅡ」では、「社会と私」という単元に取り組んでいます。この単元では、自分は何に心を動かされるのか、どのような形で社会と関わっていきたいのかを考え、これからの探究の出発点を見つけていきます。
前回の授業では、将来を「教師」「医者」「研究者」などの職業名だけで考えるのではなく、「人を支えること」「じっくり考えること」「新しい価値を生み出すこと」など、自分が惹かれる“動き”に注目しました。そこで見つけたものを、この単元では「自由の種」と呼んでいます。
第2回となる今回は、そこからさらに一歩進み、「制限を外すと、何が残る?」という問いに向き合いました。私たちは普段、「お金がないから難しい」「時間がないからできない」「面倒だからやめておこう」「人からどう見られるかが気になる」など、さまざまな制限の中で物事を考えています。もちろん現実的に考えることは大切ですが、その制限があることで、本当はやってみたいことや、自分の中にある願いが見えにくくなることもあります。そこで今回は、LEGO®ブロックを使いながら、いくつかの制限をいったん外して考えてみました。
授業のはじめには、「誰もが登頂を断念する山」をテーマに、ウォーミングアップを行いました。生徒たちは、あまりにも険しい山、道が途中で途切れている山、頂上が見えているのにたどり着けない山などを表現しました。その後、登山者の人形を置き、「どこであきらめるのか」「そのときどんな気持ちなのか」を語り合いました。この活動を通して、生徒たちは、人が何かをあきらめるときには、体力や時間、お金、不安、周囲の目など、さまざまな“制限”が関わっていることに気づいていきました。
次に、生徒たちは「もし100億円あったら、本当は何をしたいだろうか」という問いに取り組みました。これは、お金の制限を外して考える活動です。生徒たちからは、世界中を旅していろいろな文化に触れたい、困っている人を支援する施設をつくりたい、家族に恩返しをしたい、自分の好きなことに思いきり挑戦したい、学校や地域のためになる場所をつくりたいなど、さまざまな願いが作品として表されました。
大切なのは、「大きな夢かどうか」ではありません。その願いの奥に、どんな気持ちがあるのかを考えることです。たとえば、「旅行に行きたい」という思いの奥には、「知らない世界を見たい」「自由に動きたい」「大切な人と豊かな時間を過ごしたい」という気持ちがあるかもしれません。「学校をつくりたい」という思いの奥には、「誰かの可能性を支えたい」「安心して学べる場所をつくりたい」という願いがあるかもしれません。
続いて、「もし面倒なことを分身体に任せられるなら、何を任せたいか」という問いにも取り組みました。これは、時間や体力、面倒さといった制限を外して考える活動です。勉強、通学、家事、片付け、人間関係の気疲れ、朝起きることなど、生徒たちは日常の中で「できれば誰かに任せたい」と感じていることを作品にしました。
そこから見えてきたのは、単に「楽をしたい」ということだけではありません。面倒なことを手放したときに、自分は何に時間やエネルギーを使いたいのか、ということです。ある生徒は、面倒なことを任せることで「好きなことに集中したい」と考えました。別の生徒は、「人とゆっくり関わる時間を増やしたい」と語っていました。また、「自分の将来について考える時間がほしい」「誰かを助ける活動に使いたい」と考える生徒もいました。
さらに授業では、周囲からの評価や他者からの承認についても考えました。人からどう見られるか、認めてもらえるかどうかは、私たちの行動に大きな影響を与えます。生徒たちは、自分が本当にやりたいことなのか、それとも誰かに認められたいから選んでいることなのかを、作品や対話を通して見つめ直していきました。
今回の授業で大切にしたのは、制限を外して考えたときに、何度も表れてくる関心や願いに気づくことです。お金の制限を外しても、時間や面倒さの制限を外しても、人からの評価をいったん横に置いても、それでも残るものがあります。それは、自分が本当に大切にしたいことや、社会と関わるうえでの大事な方向性かもしれません。この授業では、それを「自由の根っこ」と呼んでいます。
前回見つけた「自由の種」が、自分らしい動きの入り口だとすれば、今回見えてきた「自由の根っこ」は、なぜ自分がその動きに惹かれるのか、どのような条件がそろうと自分の思いが強く表れるのかを示すものです。制限がある現実の中だけを見ていると、自分の選択は「できるか、できないか」だけで決まってしまいがちです。しかし、制限を外してもなお残るものに目を向けることで、「自分は本当は何をしたいのか」「どのような関わり方に自由を感じるのか」を考えることができます。
今回の授業で見えてきた願いや関心は、まだはっきりした答えではありません。しかし、それらはこれから探究テーマを考えていくための大切な手がかりになります。次回は、今回見えてきた「自由の根っこ」をもとに、「好きなこと」「大事にしたいこと」「自分にできること」という三つの視点から、自分自身をさらに深く見つめていきます。生徒たちは、自分らしい社会との関わり方を少しずつ探しながら、これからの探究の方向性を考えていきます。