学校日記

第4回入学式 式辞

公開日
2013/04/08
更新日
2013/04/16

校長室から

写真上:学校長式辞
   下:入学生代表のことば

  東日本大震災の発生から2年余り、しかし復興は未だ道半ばにも至らず、日本の被災地に、季節としての春だけではなく、本当の意味での春爛漫の日々が、遠からず訪れることを祈るばかりです。また、国内外や分野を問わず、解決すべき課題は多く、時には心が通じ合わなかったり、前に進まなかったりと、我々のまえには、厳しい状況が立ちはだかっているのも現実です。
  『音楽だけが世界共通語であり、翻訳される必要がない。そこにおいては魂が魂に働きかける。』とはヨハン・セバスティアン・バッハの残した言葉ですが、あらためて「音楽」の、そして文化芸術の持つ力や可能性を強く感じる昨今です。だからこそ、音楽の才能を生かし、豊かな未来を託された若者には、しっかりと前を向き、本質をわきまえ、この難局に立ち向かう、強い志と姿勢が求められていると思います。世界遺産二条城を臨むこの城巽の地の桜の花も、その背中を押すように、また、待ちかねたぞと言わんばかりに、昨年と比べても、かなり早い時期から満開となり、今日のこの入学式を祝福し、晴天の下、美しく見事な花吹雪の舞いを披露してくれているように感じます。
  本日は、京都市立京都堀川音楽高等学校、第四回入学式を挙行するにあたり、御来賓として、京都市教育委員会 生徒指導課 指導主事 八束様をはじめ、PTA音友会会長 松下様、ならびに役員の皆様、京都・堀音同窓会会長 中井様、城巽自治連合会会長 宮崎様、堀音父母の会会長 木林様、のご列席を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
  ただ今、平成25年度入学生として、40名の入学を許可いたしました。 
  新入生の皆さん、入学おめでとう。また、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。新入生の皆さんは、難関を突破し、本日のこの晴れの日を迎えるために、確固たる意志を貫き、たゆまぬ努力を重ねてこられたことと思います。加えて、保護者の皆様におかれましても、並々ならぬご苦労 ご支援があったろうと拝察いたします。京都堀川音楽高等学校 教職員一同、そして在校生一同、新入生の皆さんのご入学を 心より歓迎いたします。
  さて、本校は、1948年(昭和23年)に 、「堀川高校音楽課程」として創設され、以後、出雲路学舎、岡崎学舎、沓掛学舎と移転しながら、1997年(平成9年)に、日本で唯一の公立の音楽高等学校として独立しました。そして、3年前の平成22年4月、その沓掛の地から、ここ城巽の地に移転し、新校舎とともに校名も、「京都市立京都堀川音楽高等学校」と 改称、新たな一歩を踏み出し、今年3月、第64期生となる、言わば新生第1期生が卒業いたしました。  
  本校は、創設以来、音楽を専門とする公立の高等学校として、全国から高い評価を受けてきました。 そして、その60数年間の歴史の中で、国内のみならず、世界で活躍する音楽家を数多く輩出してきた、輝かしい、伝統のある音楽の名門校であります。したがって、新入生の皆さんは 本日から、この京都堀川音楽高等学校の一員としての、誇りと自覚を持ってほしいと思います。
  本校の教育目標は、「人権尊重の精神を基盤に、心豊かな人間を 育てるとともに、将来幅広く音楽専門家として活躍し、文化の発展に貢献する人材を育成すること」です。この大きな目標を達成するためには、まず、水準の高い、恵まれた環境と、熱意ある優秀な教授陣に囲まれた中で、思う存分、「音楽力」を身につけなければなりません。また、その基礎基本となる「確かな学力」を培うことも、けっして怠ってはなりません。なぜなら、皆さんの大きな夢の実現は、その「音楽力」と「確かな学力」の両輪がそろってこそはじめて動き出すものだからです。 
  今、皆さんは、「音楽」という、楽しいけれどもけっして平坦でない道を志しました。どうか日々、精進してください。「精進」とは、文字通り、精を出せば必ず進歩するという意味だと思います。自分が多くの中から選ばれし精鋭であるという、自信と誇りを持って、何事にも積極的に取り組んでください。高校時代は、そのためだけに与えられた、時間と空間を占有できる、貴重な日々の連続です。思う存分「学べる」という歓びをかみしめ、他者を慮りながら、自らを律し、たくましく、その貴重な日々を構築していき、 将来に繋がる大きな「人間力」 を培ってほしいと思います。
 本校の校歌「海を遠く」の歌詞の中に、
 『ゆらめき きらめくものを追いかけ手にすくおう』 
 『こころを合わせ そよげば 歌がひろがる』 
 『たたんだ翼をひろげ 恐れずにむかっていこう』 とあります。
音楽を通した学びの過程で、自らの個性を磨き、伸ばし、他者の思いに心をよせ、 自分に何ができるか思索してください。そして3年後には、与えられた環境の中から、思い切って翼をひろげ大きく飛び立ってください。そのために、この学び舎で、仲間とともに切磋琢磨し、時に悩み苦しみ、しかし常に楽しみ、有意義な3年間を送るのだという、ゆるぎない「覚悟」を 今日から持ちつづけてほしのです。
 『わがいく道よ、正しくあれ。石ころゴロゴロたりとも、わがいく道よ、大きく  あれ。』 
詩人草野心平いわく、『自分には座右の銘というものがない。また、人生訓というものもない。ただ、色紙を求められたりするとき、「道」という作品の最後の二行を書くことがある。それが次の文句だ。』
 『わがいく道よ、正しくあれ。石ころゴロゴロたりとも、わがいく道よ、大きく  あれ。』  
新入生、第67期生の40名にこの言葉をおくり、式辞といたします。

 平成25年4月8日 
                    京都市立京都堀川音楽高等学校
                     校 長  山 脇  護