学校日記

(アーカイブ2016年10月31日)  時間を創る

公開日
2017/05/03
更新日
2017/05/03

校長室ウェブログ

 後期始業式に、時間を「創る」という話をしました。1分は60秒、1時間は60分、1日は24時間、誰にとっても長さは同じで、それを変えることはできないけれども、その時間の中身はいかようにも「創る」ことができる。これからの時間をどのように「創る」か、そのことを大事に考えて後期を過ごしてほしいと話しました。時間の中身を充実させて豊かな時間を生きる、ということを伝えたかったのです。

 10月初めの美工作品展4日間で7200名を超える方々にご来場いただき、作品を観ていただきました。作品制作は、様々な悩みや苦しみもあったでしょうが、自分の力を出し切って完成させた作品。その制作していた時間は、言葉で簡単に表現できないような濃密な時間であっただろうと思います。作品を自分の手から離して展示をすると、今度は鑑賞者の心に様々な感動を与え、鑑賞者にとっても豊かな時間になったと思います。私も作品一つ一つを鑑賞しながら、あの生徒がこの作品を、とか、あの生徒が実習室で取り組んでいた作品はこんな風になったん、と心を揺さぶられました。 美工作品展が一つの大きな目標であるため、美工作品展が終わると空虚な気持ちになるかもしれません。しかし、 美工作品展は大事な到達点であると同時に次に向かうスタート地点でもあります。次の扉を開けてまた豊かで中身のある時間を創ってほしいと強く願っています。

 先日、前任校で12年前に卒業した教え子10名ほどと会う機会がありました。卒業後も1年に1回は会う機会をつくってくれて色々な話をして盛り上がります。その学年と過ごした3年間は本当に濃密な3年間で、「過ごした」というよりもやはり一緒に時間を「創った」という感があります。いろんなことが起こったし、いろんなことを乗り越えた、担任として、学年主任として彼ら彼女らの成長と関わりながら、発見や、気づき、喜びがたくさんありました。ある生徒は、この学校での出会いと経験は一生の宝だという言葉を残しています。生徒たちが時間を「創る」ことができたのは、多様な人や学びに出会ったこと、積極的に様々な経験をしたこと、人とつながったこと、失敗や行き詰まりを様々な方法でやり直したことがあったからだと思います。彼ら彼女らは、今は、仕事や子育てをしながらさらに先の夢をもってたくましく生きています。12年経っても私の方が刺激を受けることがいっぱいありました。

 10月21日は、全学年美術見学の日でした。2・3年生は専攻別に研修。1年生は「京の美を探る」というテーマで市内フィールドワークに出かけました。これは、各グループの研究テーマに合わせて、京都の伝統・文化・学術に関わる施設や工房など訪問させていただき調査、体験、情報収集をしてくるもので、事前学習、事後の研究まとめの作成、発表に至るまで丁寧に積み上げていく学習です。私は、午前・午後3か所ほど生徒の様子を見に行きましたが、1年生ながら礼儀正しく熱心に取り組んでいました。iPadや書籍等で事前に調査しただけでは見えなかったものを、現地で体感し、しっかり聴き取りもしてくるという濃い内容を、グループに分かれた数名の生徒だけでやりきってきたことは立派でした。教室内の学習では得られない時間を「創って」きました。そして生徒のそういう姿を見て、私自身も新鮮で豊かな時間に身をおくことがきました。
 
 「時間が過ぎる」というより「時間を創る」。
銅駝の生徒とはまだ2年間の付き合いですが、日々発見、納得、感心し、自分自身が取り組むべき課題に気づかされています。まさに銅駝の生徒と新しい時間を「創っている」真っ最中です。 

2016年10月31日
            校長 吉田 功