学校日記

(アーカイブ2016年2月17日)  風光る

公開日
2017/05/02
更新日
2017/05/02

校長室ウェブログ

 立春が過ぎると、まだ寒さが残る日と春の気配を感じる暖かい日が交互に訪れます。歳時記には「余寒」「冴返る」とともに「春めく」「春兆す」という季語が出てきて、2月から3月のこの頃の気候をうまく表現した日本語に出会います。

 2月に入ると3年生は、学校が定めた登校日以外の日、卒業準備の期間として思い思いの時間の使い方をします。もちろん国公立大学二次試験、私立大学一般入試を受験する生徒は、まだまだ勉強の真っ最中。学校では美術系大学実技試験に向けた補習を行っており、真剣な眼差しで、毎日長時間、課題に取り組んでいます。中には画塾へ通って実技試験に備える生徒もいて、受験生は気を緩めることなく果敢に進路目標に挑んでいます。

 一方、すでに進路先が決定している生徒の中には、卒業に向けた思い出の品の制作に取り掛かっている姿もみられます。私も先日依頼を受けていた原稿を手渡したところです。預かった2枚の紙、1枚はメッセージ、1枚は名前を書いてほしいとの依頼でした。これまで挨拶やメッセージ、原稿を書く機会は数え切れないほどありましたが、今回、ただメッセージを書くだけでは、と大それたことを考え始め、結局、全くの素人ながらその紙に絵を描くことにしました。当然のことながら生徒のような素晴らしい作品にはなりません。小学校の時以来「社会」の次に好きな科目が「図画工作」、高校時代も美術と工芸を選択した経歴(?)をもとに、拙い技量ながら銅駝美術工芸高校の校舎とグラウンドを色鉛筆で描きました。昨年4月に着任して以来、季節の移り変わりとともに眺めてきた本校の校舎、まだ少し冷たさが残る風に凛とした姿を見せている校舎の姿を、私なりの思いで小さい紙に残しました。

 「風光る」。私の好きな季語です。春の気配を感じる日差しの中で新しい生命が生まれ、木々が芽吹く季節、本来色のない風に輝きを感じるという、何とも美しい言葉です。
卒業を間近に控え、高校生活の思い出を束ねて形にしようとする生徒、新しい進路を目指してひたむきに努力し挑戦している生徒。「風光る」季節。静けさの中に確かな息吹を感じる日々が続いています。

 そして今、中学3年生が、新しい進路を目指して力を尽くす高校入試が始まっています。本校も前期選抜入試を16日、17日に行いました。検査会場の様子は、頑張れと心の中で叫びたくなるような一所懸命な姿ばかりでした。

 成長した高校生の巣立ち、新しい生徒を迎える準備。「風光る」季節の学校は、一年の中でも特別な時間を刻んでいます。

2016年2月17日       
             校長 吉田 功